世の中に存在しなかった事業を作り、イノベーティブな価値創造で社会を変えていくことは、独立起業でベンチャーを興すアントレプレナーの専売特許ではない。企業に所属する会社員という身分のまま、社内アセットを有効に活用してイノベーションを起こす「イントレプレナー」=社内起業家の存在も、その一角を確実に担っている。しかしアントレプレナーに比べて、イントレプレナーがメディアで脚光を浴びる機会は少なく、その実情はあまり知られていないのではないだろうか。

そこで今回は、実際に有名企業に所属しながら起業して、事業を成功させてきた3名のイントレプレナーにご登壇いただき、その実情をお話しいただいたトークセッションの模様をお伝えする。なお、ご登壇いただいたイントレプレナーは、以下の方々だ。

・森永製菓株式会社 新領域創造事業部チーフマネージャー/株式会社SEE THE SUN 代表取締役社長 金丸美樹氏

・寺田倉庫 専務執行役員 月森正憲氏

・株式会社NTTデータ オープンイノベーション事業創発室室長 残間光太郎氏

また、トークセッションのモデレーターは、eiicon代表の中村がつとめた。

※このトークセッションは、オープンイノベーションプラットフォームeiiconが主催したイベント「Japan Open Innovation Fes 2019(JOIF2019)」にて実施されたものです。


<本トークセッションのポイント>

●「力がついたからやる」のではなく、やっているから力がつく。

●方向もわからない樹海の中で進むことを楽しめる人が新規事業に向く。

●ゼロイチを作れるイントレプレナー候補は大企業にも存在している。必要なのは発掘するための仕掛け。

●未来のためになにができるかを考えることが、イントレプレナーのモチベーション維持につながる。


<SPEAKERS>

写真左→右

■寺田倉庫 専務執行役員 月森正憲氏

■森永製菓株式会社 新領域創造事業部チーフマネージャー/株式会社SEE THE SUN 代表取締役社長 金丸美樹氏

■株式会社NTTデータ オープンイノベーション事業創発室室長 残間光太郎氏

■eiicon 代表/ファウンダー 中村亜由子<モデレーター>


■イントレプレナーになるまでの経緯と、現在の事業活動

eiicon・中村 : 入社後からイントレプレナーになるまでの簡単な経緯と、現在どのようなお仕事をなさっているのかを、教えてください。金丸さんからお願いします。

森永製菓・金丸氏 : 私は、新卒で森永製菓に入りました。商品開発とかマーケティングの仕事などをしていましたが、結婚・出産後、育休を取らせてもらいました。育休明けの復帰から半年くらい後に異動になって、新規事業の開発を命じられたのです。当時(2010年頃)は、中国からのインバウンド客が急増し始めた時期だったので、その方たちをターゲットにして、東京駅の八重洲口のところにある、「東京おかしランド」というアンテナショップの起ち上げなどをおこないました。

その後、2014年に現在所属している新領域創造事業部が創設されたときに異動し、アクセラレータープログラムをやって、たくさんの起業家のみなさんと触れ合う機会が持てたんです。その交流を通じて自分なりに学んで、2017年にコーポレートベンチャーとしてSEE THE SUNを起ち上げました。

SEE THE SUNは、現在「テーブルを創るすべての人を幸せに」をミッションにしています。自分が社外に出てみて、加工と量産をやっている森永製菓は、川中だということを感じました。それ以外の川上と川下の世界が少し見えるようになってきて、そこにいる企業や個人と垣根を超えて、テーブルを創るすべての人たちの課題を解決したいというところからこのミッションを策定しました。具体的には、ZEN MEATというプラントベース製品の販売や、フードマーケティング事業、食に関する研修・サポート事業などをおこなっています。

eiicon・中村 : ありがとうございました。月森さんは、いかがでしょうか。

寺田倉庫・月森氏 : 私は、1998年に寺田倉庫に入社して、7年間物流倉庫にいました。その後、営業、企画へと移り、2011年から新規事業の開発に携わっています。いまの主な事業は2つあって、ひとつは、自社事業としてのminikuraというサービス事業、もうひとつが、物流API事業起ち上げ支援のプラットフォーム事業です。

minikuraというサービスは、「だれでも自分だけの倉庫が持てる」というコンセプトで2012年にスタートして、現在、ユーザー数は非公表ですが、アイテム数は1,700万アイテムほど集まっている事業に成長しました。

また、このminikuraの機能をベースにしたAPIを開発し、2013年から外部に提供しています。いろんな会社さんと、この機能を使ってライフスタイルをどう変えていくのかを議論しながら、さまざまな新しいサービスの共創を進めています。

eiicon・中村 : ありがとうございます。では、残間さん、お願いします。

NTTデータ・残間氏 : NTTデータ オープンイノベーション事業創発室の残間です。私は、1988年に入社して、プログラミングなどの仕事をしていました。1990年に、グループ会社のNTTデータ経営研究所に出向して5年間在籍し、そのときから新規ビジネスの立ち上げにかかわっています。2014年にはオープンイノベーション事業創発室を起ち上げて、「さあ、ともに世界を変えていこう」をテーマに、NTTデータと、クライアントとなる大手企業、そして共創するベンチャー企業のすべてにメリットがある「トリプルWin」となるビジネスの創発を目指しています。

現在は、「NTTデータオープンイノベーションコンテスト」を主催しています。今年は世界16都市で選考会が開催され、「ヘルスケア・ライフサイエンス」「オートモーディブ・MaaS」「金融・保険・決済」「テレコム・IOT」「デジタルマーケティング」「スマートオートメーション」「情報流通」「ディスラプティブ」等、8カテゴリーのテーマを設定し、新しいビジネスを創ろうとしており、まさに現在ベンチャー企業から提案募集中です。

さらに4000人を超えるコミュニティのマンスリーフォーラム、また、大企業向けのオープンイノベーション支援プログラムにも取り組んでいます。他の大企業の方から、「うちもオープンイノベーションに取り組みたいのだけど、どうすればいいだろう」といったご相談をよくいただいていたので、それをお手伝いするということです。


■与えられた環境の中で、すべて自分でやることが成長につながる

eiicon・中村 : 皆さまそれぞれ、イントレプレナーとして素晴らしい事業を起ち上げていらっしゃいますが、入社後からの仕事の中で、なにがポイントとなって、今の皆さまがあるのでしょうか?

森永製菓・金丸氏 : 自分が変わったなと感じるタイミングが3回ありました。1回目が、最初に新規事業開発担当になったときです。そのとき、会社からの指示は、「中国からのインバウンド客をターゲットにして、なにか事業を起こせ」でした。経営のトップのほうで、「インバンドをテーマになにかやらないのか」という話があったようですが、該当担当者がいないから、人事のほうでだれか専任をつけようということで私が選ばれて、自分1人だけの特命係みたいな感じでした。

所属としては経営戦略部の中にいたこともあり、上司含め周りの方は日々多忙の中、明確な指示もなく、、期待もそこまで高くない状態で、やはりそれまでは普通の会社員として前例があることに対し、会社や上司の指示や方向性の中で仕事をしてきましたから、最初はすごく不安でした。でも、「テーマがなければ自分で探せばいいか」というふうに自分の中で考えが変わって、そうやっていくと、どんどん楽しくなってきたのです。ゼロから自分で全部企画して動くことが楽しくなったことが、1つめのポイントでした。

次のポイントが、2014年からアクセラレータープログラムを通じて、多くの起業家さんと交流したことです。私が「森永も、もっとこうすべきなのに」とか言うと、起業家のみなさんから「そう思うなら、やればいいじゃないですか?」「どうしてやらないんですか??」と言われて、自分が会社や他人の責任にしているというか、評論家みたいになっていたんだなって気付かされて、すごく反省しました。

3つめが、起業家のみなさんとアイデアソンをしていたとき、私の出したアイデアをダサいとか、薄いとか、ボロカスに言われて、ショックだったのですが、そこから自分が変わらなければいけないと痛感し、起業家のみなさんに素直に教えてもらって学んでいったことです。その3段階のポイントで、変わっていきました。

eiicon・中村 : 残間さん、いまのお話を聞きながら目茶苦茶うなずいていらっしゃいましたが。

NTTデータ・残間氏 : NTTデータに入社後、私はすごく仕事ができない社員だったのです。それで、社内公募制度を利用してNTTデータ経営研究所というコンサルティングファームに出向させてもらったのですが、そこでも、とにかく「できないやつ」とレッテルを貼られていました(笑)。

ただ、そのときに、仕事を担当するのが3人くらいの小さいチームで短いスパンで様々な仕事をしなければならなかったんです。すると、チームのひとりひとりがやらなければならないことがすごく多くて、先ほど金丸さんがおっしゃったように、ある意味自分でなんでも考えて、動かないといけない状況でした。そういう環境で、無茶苦茶働いて3年間がんばった時に、ふと気付くと仕事が面白くなっていました。こういった外部でやらざるを得ない環境が、成長にすごくつながるポイントだったのかと思っています。

eiicon・中村 : なるほど、ありがとうございます。月森さんは、いかがでしょうか。

寺田倉庫・月森氏 : 私もどちらかというと社内では隠れていたほうで、本当に「平凡に生きていければいいな」と思っていました(笑)。ただ、私たちは倉庫業ですが、不動産業の方々がはじめた屋内のトランクルームや屋外のコンテナなど、新しい業態が急成長してきて、市場における弊社のポジションに、経営層はそうとうな危機感を感じていました。

そこで、2011年くらいから、なにか新しいことをしなければという検討がはじめられ、「われわれがやるべきトランクルームってなんだろうか」みたいなプロジェクトが、私の知らないところで生まれていて、いつの間にか私に白羽の矢が立ってしまったのです。すると、他の社員からは、ちょっと醒めた目というか、可哀想に…、みたいな雰囲気で見られたりすることがあって、自分でも意外でしたが、「よし、じゃあやってやるか」みたいな負けん気が出てきました。そこから翌2012年に、寺田倉庫として初めてのインターネットサービスを立ち上げることができました。

ですので、ポイントというか、きっかけは、市場環境の変化ということになります。それで、自分では平凡に生きたいタイプだと思っていましたが、実はこういうことに向いている部分があると気付かされた、ということです。

森永製菓・金丸氏 : 私も、育休からの復帰直後は以前いた部署に配属され、そのときは「ずっとこのままでいいかな」って気持ちだったので、新規事業に異動になったときは泣きました(笑)。でも、そこでやってみたら楽しくなったので、自分が望まなくても異動があって、そこで新しい自分に出会えることは、会社勤めのひとつのメリットなのかなと思います。

NTTデータ・残間氏 : 社内の飲み会などでは「新規事業やりたい」「ベンチャーと仕事したい」みたいに語る人はたくさんいます。それで、うちは、新規メンバーの公募制度みたいなものをけっこうやっているのですが、いざ公募をしてみると、応募者1名とか(笑)。飲み会で語っていた人間に、「どうして応募しないんだよ」って聞くと、上司の忖度とか評価のことを考えると、なかなか踏み出せなくて、みたいなことを言われます。

これは、今の会社が絶対安泰であると心のどこかで考えているからなんだと思います。将来、自分が一人で生きていかなければならなくなったときに、どんな自分でいたいのかが重要かと。

また、よく聞くのが「いまはまだ力不足なので、あと2,3年今の部署で勉強してから…」という言葉です。でもたぶん、それでは永久に動けないですね。まず、やらなければならない環境に身を置いてみることが、すごく大切なのです。そこで自分で考えながら行動することで、できるようになってくる。力がついたからやるのではなくて、やっているから力がつく。その意味では、いまお二人が話されたように、辞令でやらせるというのも、悪くないことだと思います。

森永製菓・金丸氏 : うちの会社では、その後、公募制度を作りました。手を挙げてもらって、アイデアソンをやって、ベンチャー留学も実施して、みたいな。でも、公募制度をやってみて気付いたのですが、イントレプレナーとか新規事業開発って、実際にやってみないと本当に相性がわからないですね。既存事業部門で優秀だった人は、逆に新規事業が起こす最初の金額の小ささに「意味あるのかな」と思ってしまったり、真面目で新しいコトとか苦手そう、と思ってた人が、すごくイキイキと新しいことをやっていたり。


■イントレプレナーを発掘するために会社がするべきこと

eiicon・中村 : ゼロイチを実行できる能力は、既存事業の遂行能力とは違うということでしょうか?

森永製菓・金丸氏 : 仕事の力は、みんな持ってるんです。ただ、新規事業では、いろいろな壁やハプニングが生じますよね。そこに直面したときに「さぁここからどうするか。楽しい!」と感じられる人と、計画通りに行かないことにストレスを感じる人がいます。既存事業は計画通り達成していくことが求められますので、逆の要素かもしれませんが、ゼロイチを実現するのは、その計画通り行かないことだらけの中、壁を越えることなので、そこで相性はあるかなという気はします。

私がよく部下に言っているのが「樹海を楽しまなきゃダメだよ」。新規事業は、方向のわからない樹海を進むようなものなので、計画通りにいかないのが当たり前です。そのとき、「これ、計画通りにいってないから失敗だ」とならずに、計画通りにいかないことを楽しむ。それが楽しめないのだったら、新規事業なんか辛いことだらけなんです。

NTTデータ・残間氏 : 一般的に「大企業にはゼロイチができるやつなんかいないよ」みたいなことを言う人がけっこういますよね。だから外から取ってこよう、と。でも私は、それは絶対に違うと思っています。社内にできる人は絶対いますよ。やりたいっていう人だけじゃなくて、「私なんかそんなことできない」と思っていても、やらせてみたら実はすごく相性がいいという人も、たくさんいるはずです。要は、それを発掘して育てるような仕掛けを作っていないだけでしょう。これは声を大にして言いたいところですね。

eiicon・中村 : そういった人材を発掘するためのポイントはあるのでしょうか。

NTTデータ・残間氏 : それはチャンスを与えて、やらせてみることしかないですね。会社がその環境を作ることです。ただ、事業部長に怒られちゃうみたいな、忖度みたいなところがあって、これはたしかに難しい。それから、上司が2年で変わるとか、そのときに評価や出世がどうなるんだ、みたいな部分もあると思います。だから、全社的にチャレンジでき、チャレンジした人を支えメンタリングする仕掛け作りを継続的に取り組むしかないと思います。でも、掛け声はみんな賛成なのですが、実際は動かない企業がたくさんあるのも現実だと思っています。

それに出世といっても、これから先、大企業だって永続するとは限りませんよね? 潰れることはなくても、グローバルなM&Aで他社になってしまう可能性はあるでしょう。そのときに、自分がビジネスを作ったという経験があれば、当人にとって大きな強みになるはずです。働く側も、そういう風にマインドを変えていくべきです。

森永製菓・金丸氏 : 私は、既存事業で会社や社会に貢献したい、もしくは、会社にしっかりと評価されたいという方は、既存事業にいた方が幸せだと思います。そうじゃなくて、世の中にないものを作って社会に貢献したいとかインパクトを与えたいという人には、一度はそういうチャンスを与えるべきだと思います。やってみなければわからない面も大きいので、両方を一度やってみて、どっちが自分にあうのか選べるようになると理想的ですね。新規事業は既存事業や本体からあまり評価されないこともあるので、それでもやりたいかというの大事かもしれないです。


■イントレプレナーとして新規事業を作っていくために必要な資質

eiicon・中村 : お話を聞いていると、やはりイントレプレナーを「やりたい人」と「やれる人」とがいて「やれる人」には、特徴があるのではないかと感じます。みなさんは「やれる人」だったわけですが、他の社員よりも、自分が多く持っていたと思う資質みたいなものがあれば、教えてください。

寺田倉庫・月森氏 : 私は他の会社さんからアドバイスを求められたときによくお話するのですが、新規事業開発では、主役というか「アイドル」を作ることが重要だと思っています。社内向けでも、社外向けでも、なにか発信や交流接点が必要なときに前に出る役回りの人です。とくに倉庫業は裏方のような役割なので、うちの会社でも以前は表に出て話すような人がいなくて、覚悟を決めて私がやりました。もちろんそれはそういう役回りを演じるということですが、自分はその機会が会社の中でちょっと多くあったのかなとは思っています。

それと、minikuraを作って、最初は半信半疑、恐る恐るリリースをしてみました。すると「こんなことを倉庫会社でやってくれるの?」とか「◯◯のアプリが出てきた以来の衝撃だよね」みたいな、大きな反響がありました。自分たちとしては、現場から当たり前のことをやっているみたいな気持ちだったのですが、外から見るとそれが当たり前じゃない。その価値を内に留めず外に出していくことはすごく大事だと思いました。「現場、現物、現実」という言葉があるのですが、現場からのイノベーションで、世界に通用する、他にはないものができるのかなと。

NTTデータ・残間氏 : 私は、あまり他の人と変わらないと思っていて。もちろん、新しいことが好きとか、ワクワクすることが好きとか、「これ、できますか」と聞かれたら、つい「できます」と答えてしまう性格、みたいな特徴はありますが。でも、それは能力とか、スキルというのとは、違いますね。そういう意味では、あまり変わらないと思っています。

強いて言えば、世の中にないものを創って、誰かに喜んでもらうことが好きで、その過程では辛いことにも耐えられるし、やり続けることができることでしょうか。結果的に、それで自分が伸びていきました。やはり好きなことを追求するのが基本ではないでしょうか。

森永製菓・金丸氏 : 私自身はないものだらけで、チームメンバーに助けられています。しかし、情熱だとかビジョンの実現に対するモチベーションが常に高いということはあると思います。

最初に新規事業を担当したときに、あるセミナーを聞きにいきました。そこで最初に「家族のために働くというような人は帰ってください」って言われて「えっ?」と思ったら、「イノベーションをする人は、自分が生きてきた意味として未来のために貢献をするんだというミッション感がないと、つらいときにやっていられません。」と聞いて、それが本当に腹落ちしたんです。

私もやっぱり、次の世の中のために命を使いたいなとい、貢献したいな、と。そういう気持ちがあると、けっこうがんばれると思います。企画をするときも、どうやったら世の中が豊かになるかといったところから発想しているから、がんばれる。そこが高いモチベーションで走り続けられる理由かもしれません。

eiicon・中村 : それは私も非常に共感します。では、次の質問ですが、どうして社内にとどまり続けているのか、という点を教えてください。

寺田倉庫・月森氏 : 実は「外に出たらどうですか?」みたいなお話をいただくこともあります。ただ、私にとって、うちの会社は居心地がいいんです。非上場ということも大きいと思いますが、グローバルでビッグになっていくというのを目指していなくて、ニッチなターゲットをいくつも作って、それらの中でナンバーワン、オンリーワンになろうという会社で、そういう働き方が自分にはあっています。そのため、あえて外に出ようという気持ちにはならないですね。

森永製菓・金丸氏 : 私の場合、SEE THE SUNが食品関係なので、森永のリソースを使ったほうが社会に与える影響力も大きいし、さまざまな情報が入ってくるということがあり、当面はいまの形がいいかなと思っています。もちろん、それは会社の成長ステージによっても変わるかもしれません。。

NTTデータ・残間氏 : よくミッションやビジョンと言われるものを、私は「大義」と呼んでいて、日本発でもっとイノベーションを活発化させていくことが、私の大義なんです。それを実現しようと思ったときに、会社のリソースや社会への影響力を活用することで、実現への近道ができることが、社内にいる理由です。

NTTデータには世界に12万人くらいの社員がいるので、「一緒にやろうぜ」と言って、共感してもらえれば、大義を実現するためのすごいパワーが生まれます。そういうレバレッジを効かせられることは、イントレプレナーならではなのではないでしょうか。

とはいえ、今後の可能性で言うと、いろいろなやり方を試してみたいとも思っています。たとえばいま副業制度が推進されていますが、アントレプレナーでもイントレプレナーでもない第三の道ができるこの動きは、すごくいいと感じています。これまでは家族がいてなかなか起業には踏み出せなかった、でも、いまの社内ではイントレプレナーも難しいという人でも、副業で新規事業という道ができてくるでしょう。新しいイノベーションが広がる契機になると感じています。


※eiiconが2019年6月4日〜5日に開催した「Japan Open Innovation Fes 2019(JOIF2019)」では、各界最前線で活躍している多くのイノベーターを招聘。11のセッションを含む様々なコンテンツを盛り込んだ日本におけるオープンイノベーションの祭典として、2日間で述べ1060名が来場、経営層・役員・部長陣が参加の主を占め、多くの企業の意思決定層が集まりました。JOIF2019の開催レポートは順次、以下に掲載していきますので、ぜひご覧ください。

(編集:眞田幸剛、文:椎原よしき、撮影:加藤武俊)