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オープンイノベーションにかける静岡県の“巻き込み力” ものづくり、水産、観光の街でなにが起きている?

オープンイノベーションにかける静岡県の“巻き込み力” ものづくり、水産、観光の街でなにが起きている?

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eiiconがお送りする、全国の自治体が官民で取り組んでいるオープンイノベーションに迫る新シリーズ。第2弾は静岡県を特集します。

東京と名古屋の間に位置する静岡県はヤマハ発動機、はごろもフーズ、スズキなどの全国的に知名度の高い上場企業が拠点を構えており、富士山をはじめとした観光事業も静岡を語るうえで欠かせません。

そして、パワーのあるものづくり系の中小企業が多いことも静岡のビジネスシーンの特徴です。

さらに特筆すべきは、県をあげてオープンイノベーションを推進する動きが活発化していること。

大企業とパワーのある中小企業、そして行政の後押し。オープンイノベーションに必要な要素が揃ってきた静岡の取り組みをピックアップしてご紹介します。

実を結び始めた静岡のオープンイノベーション成功事例

静岡県では、多くのオープンイノベーション事例が生まれています。eiicon labでもたびたび静岡県の取り組みについて取り上げてきましたが、その中から面白いプロジェクトをピックアップして紹介します。

静鉄、静ガス、テレ静による「しずおか未来共創プログラムStartingⅪ」

静岡に拠点を置く静岡鉄道、静岡ガス、テレビ静岡が共同で主催したオープンイノベーションプログラム「しずおか未来共創プログラムStartingⅪ」は非常に象徴的な取り組みです。 

静岡のインフラを支える3企業が地域課題解決・地域活性化を目指すプログラムで、首都圏や九州やでも説明会を開き、全国からスタートアップを募集しています。

参考記事:静岡を起点に100年後の”地方”を考えるーー「しずおか未来共創プログラムStartingⅪ」開催

浜松市のフードロス削減を目的に「TABETE(タベテ)」と提携

浜松市は2019年6月、飲食店や販売店でフードロスになる恐れのある食品をシェアするフードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」と「食品ロス削減に向けた実証実験に関する協定」を締結しました。

タベテのサービスは実証実験段階であるため、浜松市が実証実験フィールドを提供する立て付けの取り組みとなっています。

浜松市では「ごみ減量」の取り組みも推進しており、“一人1日当たりの家庭系ごみ排出量が最も少ない政令指定都市を目指す”目標を掲げています。タベテとの提携はそうした目標を達成するためのアグレッシブな一手だと言えるでしょう。

参考記事:フードシェアリングサービス「TABETE」を運営するコークッキング、静岡県浜松市と食品ロス削減に向けた実証実験へ

副県知事が舵を取る「オープンイノベーション静岡」のサポート

静岡県は2018年に公開した資料「産業成長戦略会議2018」の中にオープンイノベーションの推進を盛り込んでいます。

具体的には難波喬司副県知事をリーダーに据えた「オープンイノベーション静岡」というチームを組成して県内のオープンイノベーションを活発化させる狙いがあります。

オープンイノベーション静岡を発足させた背景には2008年のリーマンショックがありました。静岡県も例外なく影響を受け、リーマンショック前の2007年には19.4兆円あった製造品出荷額は、その後20%以上落ち込んだ経緯があります。

激しく落ち込んだ製造業を回復させるため官民が一体となって組成されたのが、産業戦略推進センター「オープンイノベーション静岡」なのです。

オープンイノベーション静岡では、大手企業への呼びかけと、中小企業へ訪問して課題のヒアリングを実施しています。

その結果、毎年のべ200社への訪問を重ね、そのうちアドバイザリー・ボードによる新たな事業展開への直接的アドバイスを実施した企業は27社にのぼっています。

参考ページ:「オープンイノベーション静岡」とは

静岡の海にフォーカスした「マリンオープンイノベーション機構」を県が設立

静岡県ならではの取り組みとして、県が100%出資で設立した「マリンオープンイノベーション機構」があります。

その名の通り、静岡の豊かな海をステージにしたオープンイノベーションの推進をしています。主に以下のような活動をしており、「知の拠点」の司令塔的な機能を担っている組織です。

  • 研究支援ワンストップ窓口、知財管理、創業支援 等
  • 研究施設、機材等の活用・管理(共同ラボ、共用機材等)
  • 収集データの整理・管理及び共有化の環境整備
  • 海洋生物資源のライブラリー・データベースの構築
  • 国内外におけるマリンバイオの最新動向を踏まえた研究の方向付け

参考ページ:一般財団法人 マリンオープンイノベーション機構

静岡県のフレキシブルな企業の巻き込み力

静岡県はものづくり、水産、観光など、豊かな資源を原動力に成長してきました。そのため、地元の企業の地力が強いことがストロングポイントになっていますが、その強みを行政が後押しする形でオープンイノベーションが盛り上がりを見せています。

浜松市の実証実験フィールド提供もそうですし、静岡県による大量の企業訪問による課題の洗い出しといった“巻き込み力”は他の自治体でも参考になるところが多いはずです。

さて、eiiconの連載「地方創生のオープンイノベーション」で次に紹介する地域は島根県の「松江市」です。

今でこそ松江市は「ITの企業が集まる場所」として名を馳せていますが、具体的にどのような施策を、誰が走らせているのでしょうか。実態に迫っていきます。

(eiicon編集部 久野太一)

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コメント5件

  • 眞田 幸剛

    眞田 幸剛

    • eiicon company
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    静岡県のOI事情です!豊かな資源と企業間連携、自治体も入る事は社会課題解決の糸口になるはず。

シリーズ

CLOSEUP OI ー地方のオープンイノベーション動向ー

全国の自治体が官民で取り組んでいるオープンイノベーションに迫るシリーズ企画。