eiicon

【イベントレポート】第4回オープンイノベーション協議会(JOIC)異業種交流会〜オープンイノベーションのハブ役になるには〜

国内産業のイノベーションの創出及び競争力の強化に寄与することを目的に設立されたJOIC(オープンイノベーション協議会)。2月8日(水)、JOICが主催する4回目の異業種交流会がNEDO川崎本部にて開催され、さまざまな企業から33名の出席者が集まった。

オープンイノベーションへの関心は高まっているものの、その推進に悩む企業が多いという現状を踏まえて開催されている本イベントには、実際にオープンイノベーションに取り組んだ経験を持つゲストスピーカーが登場。今回は、森永製菓の大橋啓祐氏と西日本電信電話の中村正敏氏というゲストスピーカー2名を招き、「オープンイノベーションのハブ役になるには」をテーマにこれまでの活動を振り返った。


■「今」から実行しようという心構えが重要。

まず一人目のゲストスピーカーとして登場したのは、森永製菓の大橋氏。100年以上の歴史を持ち、国内外で製菓事業を展開する同社がオープンイノベーションに取り組むきっかけとなったのが、経営トップの「危機感」にあるという話からスタート。大橋氏が入社したバブル期から現在に至るまで、小売・流通は劇的に変化しており、同じことをずっとやっていては立ち行かないという危機感が、新たな事業創出を生み出すきっかけになったと説明した。

▲森永製菓株式会社 執行役員 新領域創造事業部 部長 大橋啓祐氏

さらに森永製菓では、新規事業を創出する土壌作りのため、アイデアソンを開催。社外のベンチャーとの接点を持つことで、社内メンバーは大きな刺激を感じ、マインドセットが徐々に変化してきたという。また、そうした取り組みの結果として、イノベーションが数々生み出されてきており、ここ最近では、自分の好きなクーベルチュール(高品質な製菓用チョコレート)をブレンドし、オリジナルチョコレートを作ることができるwebサービス「チョコレートクラフトワークス」(https://chocolate-craft-works.com/)をスタートさせて、話題になったということだ。

そして最後に大橋氏は「オープンイノベーションのハブ役になるには、マインドセットを変え、『明日から』ではなく『今』から実行するという姿勢が一番大事」と語った。


■オープンイノベーションを推進するために、強い意志と行動を。

次に、二人目のゲストスピーカーとして登場したのは、西日本電信電話の中村氏。実際に中村氏が手がけたアクセラレータープログラムである「NTT西日本Startup Factory」(https://www.ntt-west.co.jp/ikouze/contest/)が紹介された。

およそ40社がエントリーし、20社がプレゼンを実施した同プロラグムを振り返り、「ベンチャーの皆さんはとても熱い」と話す中村氏。その中でも、ネクスト・アライアンス賞を獲得し、フランチャイズ方式によるプログラミング個人塾事業を展開しているキャスタリア株式会社(https://castalia.co.jp/)とは具体的なビジネスが動き始めているという。

▲西日本電信電話株式会社 アライアンス営業本部 ビジネスデザイン部 ビジネスクリエーション部門 担当課長 アライアンスプロデューサー 中村正敏氏

また、オープンイノベーションに取り組むことで、同社の就職ランキングがアップしたり、イノベーターの卵が育ってきたり、リチャレンジ(再雇用)制度が誕生したりと、連鎖的に副産物が生まれてきているそうだ。最後に中村氏は、オープンイノベーションのハブ役として、とりあえず「やってみる」ではなく、「やる!」という強い意志と行動が必要と語った。


■取材後記

今回、本イベントに参加したのは、大手メーカー、新聞社、IT企業など、実にさまざま。ゲストスピーカーを囲み、車座になっての座談会、その後の交流会も白熱していた。「オープンイノベーションのハブ役になるには」というテーマだったため、特に社内環境をどのように整えているのかを質問する声が多かったのが印象的だった。こうしたイベントを通してノウハウを共有し、企業各社の中にオープンイノベーションのハブ役が次々と誕生することで、オープンイノベーションがますます活性化することを期待したい。