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【特集インタビュー】ナインシグマ諏訪代表から見たオープンイノベーションの今とeiicon

2006年の設立以降、国内企業のオープンイノベーション活動の支援を行ってきた株式会社ナインシグマ・ジャパン。日本に「オープンイノベーション」という言葉が浸透するずいぶん前から企業のニーズと世界中の技術とのマッチングに取り組んできた、いわばオープンイノベーションの老舗だ。同社から見たeiiconの可能性とは。そして、オープンイノベーションをさらに日本国内に根付かせていくために、ナインシグマ社とeiiconはどのように連携していくべきか。代表取締役 諏訪暁彦氏と、eiiconファウンダー中村亜由子の対談をお届けする。

株式会社ナインシグマ・ジャパン 代表取締役 諏訪 暁彦氏

マサチューセッツ工科大学大学院 材料工学部修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、日本総合研究所を経て、株式会社ナインシグマ・ジャパンを設立、代表取締役社長に就任。(米国ナインシグマ社取締役兼務)これまで200社以上の国内企業のオープンイノベーション活動を支援。


■「何をするか」迷いを抱える人や企業に、ヒントを与えるサイトに

中村:eiiconは2月24日にサービス提供開始しました。ありがたいことに、既に大企業とスタートアップとの面談がスタートしています。多くの企業にeiiconを使い倒していただきたいと思っているのですが、諏訪様から見たeiiconへの率直な感想や、「こんな人が使ってみるといいのでは」「こんな機能があればいい」といったアドバイスを頂けるとありがたいです。

諏訪:eiiconのように様々なプレーヤーをフラットに紹介するプラットフォームは、オープンイノベーションについて幅広く情報を知りたいという人にとって非常に有用です。そこで、自社の課題や必要なことを具現化できずモヤモヤしている人がもっと使えるようになればいいのではないかと思います。「ひょっとしたら自分たちがやりたかったのはこういうことかな」と気付くことができるような機能や、「こんなことができるかもしれない」とガイドするような仕組みがあるといいのではないでしょうか。

中村:ありがとうございます。国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」という2030年までに目指すべき17の目標が定められており、eiiconはこのSDGsを達成するためのSHIP公式パートナーになる予定です。そこで、この17の目標に沿って「この問題の解決に向かうスタートアップや企業はここです」といったガイドができるような設計を現在進めています。そうなれば、それぞれの課題の切り口で合う会社や情報を探すことができるはずです。

諏訪:それはいいですね。リーマンショック後、多くの日本企業が「オープンイノベーションで何をするのか」を決められないという悩みを抱えています。そこで、「こんな社会問題がある」というヒントとなる情報があると、向かうべき方向が見えてくるかもしれません。「何をするか」が決まって初めてオープンイノベーションは始まるので、そういったサポートが沢山あるといいですね。


■オープンイノベーションは、日本が世界へのリードを維持するための有効な手段

中村:「何をするか」「どこと組むか」というヒントをeiiconで得ることで、マッチングにまで至るといいのですが、すべてが簡単にはいかないとも思っています。そういう時に、御社のようにコアな課題に対して技術をマッチングできるところと組んでいくことができるといいですよね。

諏訪:そうですね。ナインシグマが本領を発揮できるのは、「何をすべきか」がある程度見えてきた後です。「本当にやりたいこと」と「できること」のギャップが見えてきた時、技術的な課題の解決策を見出し、ギャップを埋めることを得意としています。そういった面で、eiiconを補完できるような役割になれたらいいなと思っています。

中村:御社が得意とする領域は、eiiconには決してできないところです。ぜひ連携して、日本にオープンイノベーションを浸透させていけたらいいですね。

諏訪:日本は、あらゆる業界で技術レベルが高く世界をリードする存在です。そんな国は、日本の他にほとんどありません。しかし中国やインドといった国の台頭などを考えると、このままではそのリードも長くは続かないでしょう。そうした中、オープンイノベーションこそが、日本が世界の一歩先を行き続けるための有効な手段になると考えています。

 日本の強みを維持していくためのラストチャンスともいえる今、ナインシグマも今までのように限られた企業や部門との取引だけではいけないと課題を感じています。アプローチできていない企業や事業部はまだありますし、ミドルマネジメント層や現場の方にもリーチできていません。「オープンイノベーションを通してものづくり企業を支援し、安心して幸せに暮らせる未来を築く」というビジョンを掲げていますが、現状ではリーチが不十分です。そこで、より幅広く当社を知っていただき、裾野を広げていくために積極的に取り組んでいます。


■必要な技術や課題が明確ではなくても、ぜひ相談して欲しい

中村:今回eiiconでご紹介させていただくことで、これまで御社がアプローチできなかった企業からご連絡があればいいなと思っています。そうした企業に対して、メッセージをお願いします。

諏訪:「やりたいことや欲しい技術が明確になっていないと、ナインシグマには相談してはいけないのではないか」と考えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。

中村:実は…私もそうなのかと思ってました!

 諏訪:ホームページに掲載しているプロジェクト事例を見て、そういう印象を抱く方が多いのですが、あの事例も最初からお客様の求める技術や課題が明確だったわけではないんですよ。特に初めてお取引をするお客様のご要望はかなりぼんやりしていることが多いですね。「こんなことをしたいのですが、どうすればいいでしょう」といった状態から我々と議論を重ねることによって、「何がしたかったのか」「どうすれば相手が見つかるのか」ということが見えてくることも多いですから、固まってなくてもぜひご相談ください。本当に困っている重要なテーマであれば、そんなに具体的になってなくても十分お手伝いできますよ。(ナインシグマ社へのご相談はこちらからどうぞご連絡ください。)


【取材後記】

技術レベルが高く、技術の目利きにも優れている日本企業は、「オープンイノベーションに向いている」と諏訪氏は話す。しかし、「オープンイノベーションの重要性は認識しているが、何をすべきか見えてこない」と頭を悩ませる企業は多い。ナインシグマ・ジャパン社のこれまでの実績や、日本のオープンイノベーションの草分け的な存在という立ち位置から、「テーマや課題が具体化してなければ相談できないのではないか」と躊躇するかもしれないが、諏訪氏が語るように「まずは相談する」ことで、未来の可能性が拓けるだろう。

(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:佐藤淳一)

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