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【特集インタビュー】目指すは、“医療版Amazon”。会員数2万人を超える遠隔医療相談サービスとは?

遠隔医療相談サービス「first call」。自宅にいながら実名の医師から信頼できる医療アドバイスを得られるオンラインサービスとして、会員数を伸ばしている。運営する株式会社Mediplat(メディプラット)がさらなる規模の拡大を目指して、今、求めているのは、医療相談サービスへの接点となる「モノ」と利用する「ヒト」だ。立ち上げメンバーであり医師の眞鍋歩氏はパートナー企業と共に「誰もがアクセスでき、正しい医療情報を得られるプラットフォーム “医療版Amazon”をつくり上げたい」と言う。

医学博士 眞鍋歩
眼科専門医。2009年日本大学医学部卒業。11年日本大学病院眼科入局。12年ボストンHarvard大学MEEI病院、14年シンガポールCamden Medical Centerへ短期留学。15年日本大学医学博士課程修了。現在も日本大学病院にて非常勤研究員として臨床、研究に従事しつつ、Mediplatの立ち上げから参画。同社のコアメンバーとして「first call」事業に携わる。


■医師から直接正しい医療情報を得られる場

――遠隔医療相談サービス「first call」の強みとは?

 一般的なヘルスケアのメディアでは、病気の症状や治療法が羅列されていて、その中から自分に当てはまるものを探し出さなければなりませんし、必ずしも当てはまるとは限りません。ユーザーからの質問に匿名やニックネームで回答しているケースもあります。その点「first call」は、実名で登録している医師が、One to Oneで相談者に合ったオーダーメイドの医療情報やアドバイスを提供しており、質の高い情報を得られる場となっています。

現在、複数診療科の医師約40名が参画し、テレビ電話またはメッセージ機能で会員の相談に応じています。1日平均200件の相談が寄せられており、会員数は2017年2月にモニター利用者を含め2万人を突破し、増え続けています。セカンドオピニオンを求めるもの、かかりつけ医の治療方針や処方薬に関する疑問、ご本人はもちろんご家族が日常生活で抱える健康問題に関する相談などが多数寄せられています。


■素早く確実に欲しい情報にたどり着ける“医療版Amazon”に

――「first call」が目指すものと、その実現のために求めるパートナー企業のイメージを教えてください。

 私たちは、多くの人にとって身近な存在であり、素早く確実に欲しい医療情報にたどり着けるプラットフォームを作り上げたい。「first call」は“医療版Amazon”のような存在になりたいと考えています。

遠隔医療相談自体がまだあまり知られていない新しいサービスで、ここでは今まで病院では聞かなかった悩みが聞かれます。これまではネットで検索するか、我慢をするか、病院に行くかで、その間の手段がなかった。相談先のなかったものがこの場に集まってきています。例えば、健康診断で「要経過観察」とされた項目についての質問や、肩こり、不眠、ドライアイなど、病院で受診するほどではないが悩ましい症状についての相談など。サービスを利用した方々には、「こんなことを医師に相談できる場所があるんだ」という驚きと満足感があります。

こうしたニーズをより多くの人に実感してもらうためにも、医療情報を必要とする方々との接点を持っている企業との連携が必要です。その一つとして今春から始まるのが自宅でできる血液検査キット「DEMECAL(デメカル)」を販売するサンプリとの提携です。利用者は「first call」を使って自宅に居ながら、医師による血液検査の結果を踏まえたアドバイスを受けることができるようになります。こうした検査サービスや健康記録のサービスなどと協業することで、その利用者に対して当グループの10万人の医師と1500人の管理栄養士ネットワークを生かし、医療と食生活の面から重症化予防・改善プログラムを提供していくことができます。

 ヘルスケアを視野に入れているあらゆる企業や団体との提携が考えられます。例えば、自社の福利厚生の一環として、あるいは保険会社やカード会社の医療相談サービスとして導入できます。多忙なビジネスパーソンや子育て世帯の会員組織をお持ちの企業にとってはそうした皆さんが自宅にいながら医師に相談できること、海外駐在員を抱えている企業であれば、従業員が現地にいながら日本の医療相談を受けられることは大きなメリットになります。

■すべての人に「正しい医療知識の提供」と「適切な受診促進」を

――医療現場が抱えている課題とその解決に向けて「first call」が担っていく役割とは何でしょうか。

増え続ける医療費が一番大きな課題です。軽症でも大学病院を受診する人がいますが、本来であれば、近くのクリニックや訪問医療ステーションで受診し、中核病院、大学病院という流れになります。「first call」という名前の通り、何かあった時にまず私たちに相談してもらい、こちらからかかりつけ医なのか、専門医なのか、大学病院なのか、あるいは様子見でいいのかアドバイスができれば、診療の流れがきちんと出来て、各病院が本来果たすべき機能を果たせるようになります。そうすることで患者さんにとっても医師にとっても負担が軽減し、無駄な医療費の削減につながります。

予防医療という面では、重症化する前の段階で、医師が患者さんにコンタクトし、適切なアドバイスができれば治療や投薬に掛かる高額な医療費を抑えることができます。

今後、ますます予防医療の重要性が高まっていく中で、すべての人に情報格差なく「正しい医療知識の提供」と「適切な受診を促す」プラットフォーム“医療版Amazon”をつくっていき、医療で迷子になっている人をなくしたい。この想いを共に実現していただけるパートナーを求めています。