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【イベントレポート】朝日新聞メディアラボ×eiicon×essence「事業創造のアクセルは『働き方改革』にあり~大企業・スタートアップが超速で事業を立ち上げるための方法とは~」

「新しい仕事文化をつくる」をミッションに掲げ、あらゆる専門分野で優秀な外部人材の活用を提案する"プロパートナーズ事業"などを展開するエッセンス株式会社。そんな同社が3/21(火)、「朝日新聞メディアラボ×eiicon×essence 事業創造のアクセルは「働き方改革」にあり~大企業・スタートアップが超速で事業を立ち上げるための方法とは~」と題したイベントを開催した。

イベントタイトルにある通り、今回のイベントは既成概念に捉われず新たなメディアの探求・創造が注目を集める「朝日新聞メディアラボ」、そして本サービス「eiicon」による3社が登壇。当日はそれぞれの代表者による登壇やパネルディスカッションが行われた。平日の開催ながら、会場となった渋谷の朝日新聞メディアラボ渋谷分室は、大手企業やスタートアップなど約50名近い参加者で埋め尽くされ、登壇した3名には熱い視線が注がれた。


■「オープンイノベーション」と「働き方改革」で、事業創造をより正確に、スピーディに。

本イベントのテーマは、「オープンイノベーションによる事業創造」と「働き方改革」の2つ。いずれも昨今のホットワードであり、あらゆる企業が取り組むべき課題として取り上げている。特にこれからの働き方という点では、政府が主導するプレミアムフライデーの推進や、大手企業によるテレワーク導入事例の増加など、社会的な注目度も日増しに高まる一方だ。

しかし、人材側から見れば、働き方改革の根幹である「生産性の向上」「時間・場所・契約に縛られない働き方」「生涯にわたるスキル・キャリアアップデート」に関する環境づくりは、決して整っているとは言い難い。さらに事業創造の観点でも、欧米と比較した際、事業立ち上げ・成長のスピード感はまだまだと言える段階だ。

本イベントではそうした社会的背景を踏まえ、エッセンス・eiicon・朝日新聞メディアラボそれぞれの代表者より、「社外人材活用による事業創造」「社内人材の新たな育成手法」「オープンイノベーションの精度を高める方法」「既存の枠組みを超える挑戦の実例」など、多角的な観点からのトークが展開された。


■「イノベーションを生み出す鍵は、社外人材活用と幹部の社外留学にあり」

▲エッセンス株式会社 代表取締役 米田 瑛紀氏

イベントのトップを飾ったのは、エッセンス株式会社 代表取締役の米田瑛紀氏。エッセンスでは、イノベーションの進行を阻害する問題点のうち、ヒト・モノ・カネの「ヒト」に着目。従来の人材採用やコンサルタントによる事業推進・組織強化ではなく、状況に応じて社外のプロ人材を活用するサービス「プロパートナーズ」や、大手企業などの社内人材を有力ベンチャー企業に他社留学させ、修羅場体験を実現する研修プログラム「ナナサン」を開発した。

これにより、企業としては社内にないノウハウを、必要な時に必要な分だけ取り入れることができるほか、人材流出を防ぎながらコア人材の成長を促せるとアピール。また、プロ人材という新たな働き方が普及することで、雇用形態に縛られることなく自分の強みを発揮でき、複数企業でパフォーマンスを発揮するケースも増えているという。事業創造におけるプロ人材活用の実例・実績も紹介し、「社外人材の活用や他社留学という、新たなオープンイノベーションを広めることで、生産性の向上や組織強化など企業と社会の課題を解決していきたい」と語った。


■「質の高い出会いでオープンイノベーションを加速させる方法」

▲株式会社インテリジェンス eiicon founder 中村 亜由子

米田氏に続いて登壇したのは、eiicon founderである中村亜由子。eiiconはリリースから3週間で法人登録が1000社を突破し、出だしは好調だ。eiiconリリースに至るまでのヒアリングや顧客接点の中でわかってきた課題を紹介する。「オープンイノベーションを目指す多くの企業と話した中で感じるのは、取り組みの初期段階ということもあり、PDCAを回せている企業がごくわずかだということ」。

経産省が公表しているデータでも、オープンイノベーションを推進することを意思決定している企業のうち、実に83%(「オープン・イノベーション等に係る企業の意思決定プロセスと意識に関するアンケート調査結果」※対象:日本国内の上場企業、時価総額 50億円以上の2,883社〈2015年現在〉〈経済産業省調べ〉)が対外的に告知していない。すなわち、対外的に発信するスキームを持たないままに始めていることを指摘する。

そうした課題の打開策として、中村が初めに取り組むべきポイントとして話したのは、「成長戦略や事業戦略を踏まえた上で、ターゲットを明確化」すること。アクセラレータプログラムの企画・実施やピッチイベントへの参加を行う際、「興味のある企業は、あまねく広く会う」「とにかく名刺交換を重ねる」のではなく、まず社内で、対外的なリソースを求める目的とその背景をすり合わせ、それを解決する企業・人材がどんな分野にいるのか絞り込む作業を行う。これにより、オープンイノベーションに取り組む担当者の工数や稼働時間が格段に抑えられる他、スタートアップとしても自社が求められる理由や得られるリソースが明確になるなど、双方のメリットを提示した。

次に、初期の検討段階から自社HPや広告、エージェントなどを活用した積極的な情報発信をスキームに取り入れることが、オープンイノベーションを推し進めるポイントになると語った。


■「メディアラボ 4年の軌跡 ~自由な発想を育む「場」の実験~」

▲株式会社朝日新聞社 メディアラボ 主査 鵜飼 誠氏

最後の登壇となったのは、朝日新聞社 メディアラボ主査の鵜飼誠氏。2013年に発足したメディアラボについて、「朝日新聞のDNAを断ち切り、自社の殻を突き破るために、まず旗印として“超メディア”を掲げた」と話す。マス主体のメディア観に縛られず、ニッチでも圧倒的な熱量で情報発信を行う現代的なメディア・企業・組織と繋がり、我々自身がそこを目指し、5年10年先の新たな事業の柱を生み出そうと取り組んできたという。

そこで新たな文化の醸成や出会い・交流の創出を目指し、本イベントの会場でもある「朝日新聞メディアラボ渋谷分室」を設立。トレンドが生まれ続ける渋谷を活動の場に選び、年間100以上のイベントを開催する中で、スタートアップとの事業提携や新サービスの立ち上げ、アクセラレータプログラムの開始、渋谷発のピッチイベントの企画・実施など、新たな出会いを始まりに共創を目指す施策が続々と誕生。今後は自社のノウハウをスタートアップなどへインストールする活動にも取り組みながら、「将来的にはこのメディアラボという場所が、新事業のライブラリになり、“オープンイノベーションライブラリ”の中心としての存在に出来たら嬉しい」と語った。


■パネルディスカッション「イノベーションを起こすためのこれからの働き方」

パネルディスカッションでは、登壇した3名が自身の体験談なども交えながら、イノベーションと働き方に関する知見を語り合った。エッセンスの米田氏は、プロ人材事業の立ち上げ経験から、「イノベーションを起こしたいというマグマを持った人材が、活躍できる環境をいかに提供できるかがポイント」と力説。自身が出産・復職を経てeiiconを立ち上げた中村は、「重要なのは、意思疎通を公けにすること。事業に関わる人間が、自分の状況や考えをオープンに話しあい、認識のズレを減らす努力が必要」と実体験を交えて話す。

一方、140年に及ぶ歴史ある朝日新聞社で働く鵜飼氏は、「大プロジェクトを通すためには、ガバナンスへの配慮は必要だが、一定の部分は“やってしまう”行動力も不可欠」と語る。これには中村も、「社内ルールは会社を守るためにできているはずだから尊重すべきだが、一方で自分自身が責任者になり、自走することが大事」と同調した。


■取材後記

今回登壇した3名は、それぞれ“人材活用・育成”“マッチング”“場”という、異なる観点からオープンイノベーションのあり方そのものを拡張し、共創の加速を図っている。「大手企業とスタートアップによる共創」という漠然としたイメージに縛られることなく、事業創造の円滑な進行に本当に必要なものは何か?を追求し、柔軟な発想で行動を起こすこと。このイベントを通して、それこそが新たなイノベーションの源泉になると感じた。

(構成:眞田幸剛、取材・文:太田将吾、撮影:加藤武俊)