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【インタビュー】ノウハウをオープン化し、課題を共有することでエコシステムは拡大する。Kaizen Platformから見えてくる、オープンイノベーションのヒント。

【インタビュー】ノウハウをオープン化し、課題を共有することでエコシステムは拡大する。Kaizen Platformから見えてくる、オープンイノベーションのヒント。

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リクルート出身の須藤憲司氏によって2013年に設立されたKaizen Platformは、グロースハッカーによるUI改善という独自のビジネスモデルによって急成長を遂げつつあるスタートアップ企業だ。同社は2016年2月に、電通やサイバーエージェントといった19社との提携を発表し、エコシステムのさらなる拡大に着手。苦労して培ったグロースハックのノウハウをパートナー企業に対してオープンにするのはなぜなのか。そこには、オープンイノベーションのヒントが隠れているに違いない。同社CEOの須藤氏に話を訊いた。 

▲Kaizen Platform Co-founder&CEO 須藤憲司氏

サイト改善の仕組み自体を、改善したかった。

——まず、Kaizen Platformのビジネスモデルについてご紹介いただけますか。

ひと言で言うと、WebサイトのUIの改善を行うプラットフォームビジネスです。僕はもともとリクルートのマーケティング部門にいたのですが、マーケティングの世界には「不都合な真実」とでも言うべき問題がありました。つまり、サイトが成長するにつれ顧客獲得のコストは上がり、効率の悪いキーワードや広告商品を買わなければ効果を上げられなくなってしまう。そこで、CVRを上げるためにUIの改善が必要なんです。UIは実店舗で言えば店頭のような役割なのに、世の中には改善されていないサイトがとても多いんですよね。実際の店舗だったら、お客さんの反応を見ながら毎日改善されるのに。

——たしかに。実際に、その「改善」はどのような方法で行うのでしょうか。

グロースハッカーによるUIの提案とA/Bテストです。Kaizen Platformには約5000人のグロースハッカーと呼ばれる外部のクリエイターがおり、プラットフォーム上でデザインやコピーなどの提案を行います。そんなグロースハッカーたちは、UI改善のプロフェッショナルではあるのですが、お客さまの商品やサービスのことは知らない。ですが、それが改善には必要だと思っています。見慣れている人がつくるとユーザー視点が薄れてしまいますし、極端な話、商品を初めて見た人の意見の方が鋭いということも往々にしてありますよね。みんな自分たちの商品を良くしようと思って頑張っていても、結果としてユーザー視点から離れてしまう。その仕組み自体も改善したかったんです。

ノウハウをオープン化することで、エコシステムが拡大する。

——2016年2月に、外部企業とのパートナーシップ制度の提供を開始したのはなぜでしょうか。

「グロースハックパートナープログラム」では、今まで培ってきたグロースハックのノウハウや実績をオープン化してパートナーに共有しています。それこそオープンイノベーションに近いものですが、僕らが土台を提供して、それをもっと多くの企業に活用してもらいたかった。Kaizen Platformは、改善する人と、改善したい人が集まる場所にしたいと思っているんです。

——しかし、貴重なノウハウをオープンにすることに対して抵抗はありませんでしたか。

いえ、全然。なぜかと言えば、真似ができるものは、遅かれ早かれ真似されてしまいますから。ノウハウよりも考え方の方が重要です。僕らはグロースハックを普及させて、エコシステムを構築したいと考えているので、ノウハウは隠すよりも公開した方が絶対にいい。そもそも僕らのビジネスはすごく手間がかかるので、真似をするサービスは全然現れてきませんね(笑)。

ビジョンよりも課題を共有できるパートナーを見つけるべき。

——まさにオープンイノベーション的な思考ですね。そもそも、須藤さんがオープンイノベーションを意識することはありますか。

あえて意識することはありませんでしたが、たしかにオープンイノベーション的な仕事をしてきたんだと思いますね。僕らがやりたかったサイトの改善という仕事は、今までに存在しない仕事でした。グロースハッカーを集めて、パートナーにノウハウを共有して、僕らがオープンイノベーションすることによって、不利益を被る人がまったくいなかった。今までにない仕事だから、やるべき姿でやればいいと考えてやってきました。

——結果として、オープンイノベーションになっていた、と。eiiconというサービスについてはどう思いますか。

アドバイスというわけでもないのですが、課題を共有してマッチングできるサービスになるといいですよね。協業先を探す場合、最初から解決策が明確に見えているケースは少ないと思いますから、それよりも課題が明確になっていて、一緒に解決できるパートナーと出会える場になれば可能性はあると思います。僕らもパートナーを選ぶ際には、ビジョンよりも課題を共有できる会社を選ぶようにしました。

——最後に、オープンイノベーションについて須藤さんが感じていることを教えてください。

オープンイノベーションにはコミュニティが非常に重要だと思います。僕らのサービスの場合、競合企業のお客さん同士が集まって、一緒にグロースハックの勉強会をしていることもありますし、そういうところに行くと、みんなすごく真剣なんですよね。ノウハウの開示の話ともつながりますが、ライバルが出てきたとしても、連携した方がエコシステムは拡大すると思います。オープンにすることは、結果的には広い範囲での発展につながっていくのだと考えています。

取材後記

Kaizen Platformが取り組む外部企業とのパートナーシップ制度=「グロースハックパートナープログラム」。このプログラムでは、ノウハウや実績をオープン化する事を重視しているとCEO・須藤氏は語ってくれた。情報をオープンにすることにより、グロースハックという仕組みをエコシステム化することがその目的だという。情報を共有し、プレイヤー同士が連携することで、そのエコシステムは強化される。つまり、プレイヤーが「競う」のではなく「手を組む」。——それを実践することにより仕組みを進化させる戦略は、オープンイノベーションに取り組む企業にとって見習うべき点が多いだろう。

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