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オープンイノベーションの加速を目指す〜文部科学省「平成29年版科学技術白書」を発表

「平成29年科学技術白書」で、大々的にオープンイノベーションにフォーカス

eiicon labでは先日、オープンイノベーション推進のための「手引き」を発表した経済産業省に取材を行い、その背景や概要を伺った(※)。経済産業省によるオープンイノベーションへの取り組みは主に産業界へのアプローチが色濃いが、一方で、文部科学省においては「産学官連携」といった面からオープンイノベーションへのアプローチがされている。

この6月には文部科学省から発表された「平成29年版科学技術白書」には「オープンイノベーションの加速~産学官共創によるイノベーションの持続的な創出に向けて~」というタイトルが付けられており、大々的にオープンイノベーションをフォーカスしている。

※eiicon lab掲載記事 : 【特集インタビュー】経済産業省が大企業とベンチャー企業の協業促進における「手引き」を公開!その理由とは? https://eiicon.net/articles/223 


オープンイノベーションの現状と問題点

「平成29年版科学技術白書」では、オープンイノベーションの現状を以下の3点のように分析している。

●産学官連携は金額・件数ともに増加し、その形態も変化。一方、現在も我が国の共同研究の大部分は小規模で、大学等への民間からの投資も諸外国に比べて少ない。また、大学における特許保有件数、実施等件数は増加するものの、保有件数の伸びの方が大きく、知財収入は年変動が大きい

●大学等発ベンチャーの新規設立数は近年低迷傾向。上場企業数は少しずつ増えているが、大きく成功したベンチャーは僅か

●博士号を持つような高度専門人材の不足、研究人材の流動性の低さ、起業者割合の低さなどにより、オープンイノベーションを担う人材が不足

上記のような分析を行った上で、「1件あたりの共同研究規模は小さく、組織対組織の産学官連携は本格化していない」、「ベンチャーエコシステムが必ずしも確立していない」、「オープンイノベーションを担う人材が不足」という問題点を指摘している。


オープンイノベーションを加速させる上で産学官に求められる役割

このように挙げられた諸問題に対して、「平成29年版科学技術白書」では、産学官各セクターで連携しながら人材を育成する必要性を示している。それらに加え、「各セクターに求められる行動」をまとめており、政府に対しては積極的に取り組む機関を後押しするための制度改革を、大学・研究開発法人に対しては経営改革と一体となったオープンイノベーション促進のマネジメント強化を、さらに産業界には民間投資3倍増の目標達成をそれぞれ挙げている。

より詳細な分析結果や提言はおよそ50ページにわたって「平成29年版科学技術白書」に掲載されている。文部科学省のホームページから閲覧・ダウンロードできるため、参考にしたい方は是非以下のURLからアクセスしてほしい。

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa201701/1379096.htm


◎eiiconには、オープンイノベーションのヒントとなる文書・資料をまとめた「eiicon lab Library」ページを設けています。こちらもぜひご一読ください。

https://eiicon.net/about/lab-library/lib_oi_download.html