eiicon

【コラム】社内新規事業プログラムの実践“中”事例(1)〜パーソルグループ「0to1」

【コラム執筆者 プロフィール】 長島威年(ながしま たけとし)

2006年、株式会社パーソルキャリア(旧インテリジェンス)に新卒入社。営業、転職サイトDODAの求人広告ライター/ディレクター、編集、CRMマーケティングを経験。2014年に組織開発/人材開発へ。2016年にパーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)に出向・転籍。2017年より新規事業プログラム「0to1(ゼロトゥワン)」を担当。


本記事の位置づけ

新規事業担当者としては経験が少ないですが、以下2点を願い全5回の記事を書きます。

・新規事業担当者のみなさまに少しでも役立つ情報を伝えたい

・アントレプレナー、イントラプレナー、投資家のみなさまと新規事業創出について様々な仕組みをより良くするための議論・意見交換をしたい

今や書籍やWebでは「社内新規事業の成功・失敗ノウハウ」のようなものは溢れているので、一般的なフレームワークというよりは、まさに現在進行形で実践中の内容をメインに生の情報をお伝えしていきたいと思います。新規事業の成功率が1000分の3(センミツ)と言われる中、正解がない取り組みですので、議論・意見交換の材料になれば嬉しいです。


新規事業プログラム「0to1(ゼロトゥワン)」

パーソルグループはグループ会社95社(国内53社、海外42社)、グループ拠点数は508拠点(国内437拠点、海外71拠点 ※数字はいずれも2016年10月1日時点)。新規事業プログラム「0to1(ゼロトゥワン)」はそんなグループ会社の全社員を対象に行っているプログラムです。最終選考通過案件には初期投資額が与えられます。

これまでにも、市場価値から本当のキャリアパスを見いだすアプリ『MIIDAS』、リファラルリクルーティング(社員紹介)に特化した転職・求人情報サービス『MyRefer』まさにこのサイトを運営しているオープンイノベーションプラットフォーム『eiicon』を生み出しています。


毎年1回のイベント型で実施

プログラムは約9ヶ月に渡り実施されます。大きな流れは以下図をご参照ください。

さらに、支援プログラムの主な内容は下記となります。

また、2017年度に特に改善した点は「起案者に対する審査結果の丁寧なフィードバック」と「事後ガイドの作成」。前者に関しては、1組あたり10行以上のコメントを入れてメール返信。後者に関してはこれまで手薄だったこともあり、実際に過去最終起案通過をした社員と関連する法務・経理/売上管理・広報・経営企画にヒアリングをしながら作成しています。

どこまでサポートするのかは議論があると思いますが、チャレンジャーを応援するという観点では、通過したら終わりではなく、サービスリリースまでサポートするのが事務局の役割だと思っています。


「安定と挑戦」をセットで出来るのが強み

社内新規事業プログラムにおけるジレンマは数えきれないくらいあります。実際、社内外からさまざまな人からヒアリングをしたところ、ゆうに100個を超えるジレンマが出てきました(笑)。既存事業とのカニバリ、審査員、審査基準、開催頻度、投資金額・タイミング、事業計画の立て方、社内決裁スピード、権限、管轄部署、などなど枚挙にいとまがありません。

しかし、改善はしていく前提ではありますが、「ないものを嘆く」より「あるものを享受する」ことも大切だと思います。個人的意見とはなりますが、何より大きなポイントは「新規事業に失敗してもゴハンが食べられる」ということだと感じています。

これはコインの表裏一体のように、良い面と悪い面が両方あります。不退転の決意としてのコミットメントが弱まるという側面もあると思います。ただ一方、失敗しても大丈夫だという安定があるからこそできる挑戦もあると思うのです。大企業では制約が多いことも事実ですが、その制約を逆に活用するぐらいの気概があると企業と個人にとってwin-winになると思いますし、事務局としてそういう世界観に近づけていきたいと思っています。

第2回は「社内起業プログラムの担当者悩みポイント」を寄稿予定です。