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【イベントレポート】 「ニッポンイノベーター塾 ミートアップイベント#2」〜オープンイノベーターを繋ぎ、新たな産業の創出を目指す3つの企業が登壇!

人材育成や組織改革のコンサルティング事業を通して、イノベーションの創出を支援する株式会社ワークハピネス。先月8月21日、そんな同社が開講した「ニッポンイノベーター塾」によるミートアップイベントの第二弾が開催されました。

今回の登壇者は、リクルートホールディングスにて地方創生プロジェクトマネジャーを務める花形氏、プロトスターの栗島氏、そしてeiicon founderの中村という3名。「異業種連合によるオープンイノベーションで、社会課題を解決する新事業の創出を目指す」というニッポンイノベーター塾の理念に呼応するかのように、いずれの登壇者も、“新たな事業・産業を生み出したい”という志を持ったオープンイノベーターたちの架け橋となるべく、前例のない場づくりや施策に取り組む方々が集結しました。

さらに第一弾イベントの評判を受け、参加希望者は前回を上回る88名に。会場も前回からさらに広いフロアへと変更がされ、当日は大手企業の新規事業担当者、スタートアップの起業家、起業準備中の個人、投資家など、多くの参加者の熱気に包まれました。

なお、主催者であるニッポンイノベーター塾  事業統括・鬼海翔氏(上写真)によると、9月13日には『前例なきキャリアへの挑戦』と題したミートアップイベントの実施も決定済みとのこと。すでに参加希望者からの問合せも相次いでいるそうで、回を重ねるごとに同塾とイベントへの注目度は高まっています。

※「ニッポンイノベーター塾」関連ページ https://eiicon.net/companies/186


Innovators Voice(1) eiicon・中村

▲eiicon founder 中村 亜由子

最初に登壇したのはeiicon founderの中村亜由子。オープンイノベーションにまつわる今の国内市場のフェーズについて、「イノベーションに対する危機感を持つ企業が増加し、アクセラレータプログラムなどの取り組みを開始するケースも増えています。一方で、PDCAを回し体系化できている企業は国内ではごく少数」と解説。

特にオープンイノベーションに取り組み始めた多くの企業が抱える課題として、「共創すべきパートナーに出会えない」「オープンイノベーションに対する取り組みに関して、対外的に発信するスキームを構築せずにスタートを切ってしまう」といったケースが多いことを、国が発表しているデータなどを交えながら紹介しました。

こうした問題を回避し、オープンイノベーションを成功に導くための解決策として、企業として共創に取り組む理由や目的の明文化と発信、共創したいパートナー像=ターゲットの明確化といった事前準備の重要性を説明。「(eiiconは)事業会社のサーチマッチングアシスタントとして、直接コミュニケーションが可能になるプラットフォームとして成長していきたい。そして、共創パートナーとの出合いの機会を提供し、企業が自立的にオープンイノベーションを実現できる世界をつくっていきたいと思います」と、今後への意欲を語りました。


Innovators Voice(2) リクルート・花形氏

株式会社リクルートホールディングス 財団・ギャラリー推進室室長 兼 地方創生プロジェクトマネジャー 花形 照美 氏

2016年4月、株式会社リクルートホールディングスは「地方創生プロジェクト」をスタートさせました。そのプロジェクトマネジャーを務める花形氏は、「立ち上げの契機となったのは3.11の東日本大震災です」と説明。震災当時、コーポレート人事とCSRを担当業務としていた花形氏は、会社を挙げてボランティア活動を企画・運営。自身もボランティアに参加する中で、被災地で地域産業の復興しようと立ち上がった30代〜40代の地元経営者や、遠方から東北の地に入り、地域の中で新たな取り組みを始めようと志す人々の姿を目の当たりにし、大きな衝撃を受けたと言います。

さらにその後も、リクルートグループとして復興計画に関する様々なプロジェクトが行われる中で、地域ごとに復興の度合いに大きな差があることを実感。そこで地方が変わろうとする意欲を支援すべく、自ら地方創生プロジェクトを起案したと説明しました。

そんな花形氏が考える地方創生の定義について、「地域の中に子どもたちが憧れるような、あるいは、これなら食べていけると思えるような仕事をどれだけ新たに作り出せるか? ということを、私の中でのゴールに据えている」と語り、地域の一次産業の振興をメインテーマに、現在2~3カ所の自治体や地域の生産者と協力し、実証実験を開始しているそうです。

現在、同プロジェクトが特に注力しているのが、リクルートグループが培ってきた成長ノウハウ=「高速・高頻度のPDCAサイクル」を地域に取り込むことと、次世代の育成に向けた新しいお金の使い方を自治体と一緒に学び、考えること。その実現に向けて、「ふるさと納税」の制度を活用した取り組み事例なども紹介しました。

そして最後に、「自社の人たちだけ、同じジャンルの人たちとのコミュニケーションだけでは、新しい発想は生まれてきません。私自身もこういったイベントを通して、農業テックを志している方や新しいお金の使い方・投資の枠組みに興味がある方とぜひお話ししたいと思っています」と語り、締めくくりました。


Innovators Voice(3) プロトスター・栗島氏

プロトスター株式会社 代表取締役CCO 栗島 裕介 氏

「挑戦者支援インフラを創る」をミッションに掲げるプロトスター株式会社。そんな同社で栗島氏が立ち上げから手掛けてきたのが、新産業創出を目指すスタートアップのための起業家コミュニティ『StarBurst』です。これまでのキャリアの中で、数多くの起業家や投資家と接してきた栗島氏は、スタートアップを巡る環境的課題を痛感。「起業環境が閉鎖的になってしまい、情報に非対称性が生まれている。その結果、どこにいけば投資家を見つけられるのか、起業家の仲間に出会えるのか分からない状態にあると感じていた」と言います。

こうした課題解決に向けて、「『StarBurst』では起業家と投資家をひたすら繋ぎ続けています」とサービス内容をシンプルに説明。起業家向けのメンタリングや、NDAを結ぶことで他言無用の内容も相談し合えるCXO限定コミュニティの運用、さらには外部向けにDemodayの企画運営も行っていると言います。さらに、こうしたサービス内容以上に特徴的なのが、「産業構造・技術構造的にhard(困難)な領域で、新技術ではなく既存技術の応用モデルを軸に考える、エンジェル、シード、アーリー段階といった最初期の起業家」を支援対象としていること。

その意図について、栗島氏は自身が教育領域のVCに携わった経験で感じた、「hard領域の起業家ほど適切な支援者を見つけにくい」という構造的課題がベースにあるといいます。しかし、結果的にほとんど投資がなされておらず、挑戦者もほとんどいないからこそ、ブルーオーシャンが残っているのではないか? という逆説的な可能性を示唆。「教育・医療・農水産業・ロボットなど、大きくて古い産業に既存のITインフラを応用して新たな産業ソースができるのではないか、と仮説を立てて検証に取り組んでいます」と語ります。

さらに話の中では、『StarBurst』をはじめとした起業家支援のビジネス展開のスタートは、栗島氏自身が投資信託会社などでメイン業務と並行して手掛けてきた“サイドプロジェクト”だったと紹介。「サイドプロジェクトから派生するスタートアップは数多くあります。今日参加している方も、もしかしたら今日隣に座っている方との間でサイドプロジェクトが生まれてくるかもしれませんよ」と、あらゆる場所・出会い・経験が、イノベーションの可能性を秘めていることを伝えました。


取材後記

今回の登壇者は三者三様の取り組みによって、ビジネス領域や地域などの垣根を超えてイノベーターを結び、新たな産業や社会的価値の創出に挑む方々ばかりでした。オープンイノベーションを生み出す種は、人と人との出会いと、出会いがもたらす新たな体験にある――。今回のピッチを通して、そしてイベントの最後に行われた立食交流会での熱のこもった意見交換の光景を目の当たりにし、そんな感想を改めて抱いた次第です。

こうした交流の重要性を知るワークハピネス社では、イベント参加者の議論をさらに高めることができるように、通称「サーフボードルーム」と呼ばれる会議室なども開放。サーフボードをテーブルに見立てた遊び心あふれる空間は、すべての壁がホワイトボードとなっており、交流から生まれたアイデアや意見を書きだすことも可能です。塾生やイノベーターたちが活用している空間を、実際に利用できること。これも同イベントならではの魅力と言えるでしょう。

▲サーフボードルームなど、遊び心のある会議室。

▲書棚を押すとドアが開くという映画的な演出が施されているコワーキングスペースのエントランス。

(構成:眞田幸剛、取材・文:太田将吾、撮影:加藤武俊)


次回イベント情報

ニッポンイノベーター塾 ミートアップイベント Innovators Voice #4 前例なきキャリアへの挑戦

■日時:9月13日(水)19:30-21:30 ※開場は19:00

■場所:株式会社ワークハピネス本社 セミナールーム5階(東京都港区浜松町2-6-2 浜松町262ビル5階)

■費用:1,000円(立食交流会付き)

■登壇予定:フリーランス研究家 黒田氏、まごチャンネル 伊藤氏

※イベント詳細およびお申し込みについては、以下URLよりご確認ください。

http://peatix.com/event/289440