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【コラム】 地方自治体・地方企業が着手するオープンイノベーション

先日、eiiconでは「地方創生へ!自治体が機能し企業が活性化する 自治体のオープンイノベーション支援とは」と題したイベントを開催。福岡市、埼玉県横瀬町、横浜市といった地方自治体に加え、福岡のスタートアップ・スカイディスクも登壇し、トークセッションを繰り広げました。(※その模様はイベントレポートとして、近日中にeiicon labにて掲載予定です) 

東京を中心とした大企業やスタートアップだけではなく、各地方でも積極的にオープンイノベーションに取り組む事例が出てきています。そこで現在、注目が寄せられている地方自治体や地方企業の「共創」への取り組みについて見ていきたいと思います。


神戸市「500 Startups Kobe Accelerator」

神戸市は、神戸経済の持続的発展のため、イノベーションを生み出すエコシステムの形成を目指しています。そのため、2015年度から、スタートアップを集積・育成する取り組みに着手。神戸に起業家を定着させることが目的ではなく、優秀で若い世代の起業家を呼び込み、神戸から世界に羽ばたく人の流れをつくり出そうとしています。これまで、シリコンバレー派遣プログラムや、神戸スタートアップオフィスを拠点にしたアクセラレーションプログラムを実施してきました。

さらに、2016年には神戸市と500 Startupsがパートナーシップを結び、起業家育成プログラム「500 KOBE Pre-Accelerator」を開催。2017年には、二期目となる「500 KOBE ACCELERATOR」を実施し、国内144チーム、海外72チームの合計216チームがエントリー。書類審査・面談などを通過して参加したスタートアップは21チーム(国内16チーム、海外5チーム)。シリコンバレーでの支援経験が豊富な500 Startupsの起業経験者による1対1形式の個別指導など、メンタリングを実施。10月6日には神戸で、10月10日には東京にてDemoDayが開催されました。


中京テレビ「CHUKYO-TV INNOVATION PROGRAM」

ソフト・ハード両面において、東海エリアトップクラスのノウハウを有する「中京テレビ」。昨年、eiicon labでも取材を行いましたが、同社では「テレビ自体の概念が大きく変化している」といった問題意識からオープンイノベーションに注目し、サムライインキュベートと共にアクセラレータープログラムに着手(https://eiicon.net/articles/346)。「CHUKYO-TV INNOVATION PROGRAM」と名付けられたこのプログラムは「ユーザー体験に革命を起こすテレビの未来」というテーマを設定し、放送に関する技術やノウハウといったアセットを提供。

昨年11月から募集がスタートし、2月にはパロニム株式会社、株式会社Voicy、レイ・フロンティア株式会社、株式会社CAMPFIRE、株式会社アイデアクラウドといったスタートアップ5社を採択したと発表しました。今後、3か月間のメンタリング期間を設け、新規事業等の創出を目指していきます。なお、DemoDayは5月上旬頃に開催予定です。


燕市「TSUBAME HACK!」

新潟県燕市では、多種多様な視点を取り入れた新しいアイデアやイノベーションを創出するための魅力的なコミュニティーづくりを目的とした「TSUBAME HACK!」というイベントを運営。学生・エンジニア・クリエイターなど、多種多様な人々がアイデアを出し合うイベントを適宜開催している。

昨年実施された「TSUBAME HACK!」では、“テクノロジーを使って人間の生活を豊かにする 燕ならではの製品”や、“使い手と作り手がともにつくる『モノづくり』とは”といったテーマで開催。さらに今年2月には「TSUBAME HACK!×神子島製作所」と題し、”神子島製作所の製品開発に向けたアイデアソン“が実施されました。


以上は一例に過ぎませんが、地方でオープンイノベーションに取り組む事例は着実に増えてきています。その背景にあるのが、地方自治体や地方企業が持つ強い危機意識や問題意識。少子高齢化や人口減といった大きな社会課題に直面する地方にとって、オープンイノベーションがその解決の糸口の一つになっているといえるでしょう。