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【Open Innovation Guide⑦】 ベンチャー企業がぶつかりやすい10の壁

【Open Innovation Guide⑦】 ベンチャー企業がぶつかりやすい10の壁

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eiiconは、2017年10月12日に”オープンイノベーションの手引き”というコンテンツを公開しました。これは、経済産業省「事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き(初版)」を元に、事業提携を成功させるための各種ノウハウをわかりやすくWEBコンテンツ化したものです。自身の課題感や状態に合わせて、検索・読み進めることが可能となっています。もともとの手引きも100ページ以上ある大作ですが、eiiconのコンテンツもボリュームがあるため、eiicon founder 中村が解説していきます。

◆ベンチャーがぶつかりやすい壁のメインは「大企業文化を知らない」点からくるトラップ

おはようございます。中村です。本日は「大企業サイド」ではなくベンチャー企業サイド。ベンチャー企業がぶつかりやすい10の壁について、eiiconの立場から見えてきた風景も含めて解説していきます。

https://eiicon.net/about/guidance/venture-task.html

10つの項目はコチラ。

①・②に関しては自社の成熟度に関する部分ですが、③~⑩は基本的に日本の大企業の「慣習」や「文化」を知らないことや想定しきれていなかったことから起きうる壁です。今日はその中から2つピックアップし、乗り越え方を含めて解説していきます。

◆大企業との連携開始の際には、書面の締結は必至

③の壁に、「社内文化の違い/ベンチャーへの与信~~“社内文化・仕事の進め方の違い”やベンチャー企業の“与信・情報不足”により、意思決定者同士の討議に至らない」というものがあります。

手引きでは、大企業サイドの仕組み構築で解決策がふたつ提示されていますが、ベンチャーサイドで回避できる施策としては、話が進んだ際、その場で盛り上がった際に必ず「書面の締結」に関する話題を切り出すことです。

この話題を出すことによって、大企業の担当者、すなわち相対している人が

①決裁を持っているか否か、

②決裁フローを把握しているか否か、

③決裁フローのスピード がわかります。これが第一歩です。

スタートアップ・ベンチャー企業側が、大企業出身者の場合はわりとスムーズにこれを実行されている様子を拝見します。しかし、そうでない場合は初回に「書面の締結」を持ち出さないことがよくあり、これがのちのち理由のわからない「連携予定の自然消滅」に繋がってしまうのです。

また口頭での合意だけで動き出してはいけません。合意後、話がひっくり返ってしまうことも実はよくあるというのが現実です。書面を締結するまでは動き出さないことをお勧めします。

大企業文化で、スタートアップサイドが見逃しがちな慣習のひとつが「異動」。年度末や半期のタイミングは非常に危険です。(つまり今ですね!)

これは、⑦の壁に、「担当者の変更/スピード減速~~連携中に社外連携プロジェクト責任者の変更が生じることで、推進のスピードが減速してしまう」という形で触れられています。

よい話が持ち上がり、進みそうになった時期が期の変わり目をまたぎそうであれば、必ず相手の異動可能性も確認しておきまししょう。

ちょっと今月連絡ないぞ……、あれ、急に温度感変わった?という異変を感じた方は今すぐその担当者に連絡をしてみましょう。

◆目先の事業提携に囚われてはいけない

あともう一つの大切なポイントは契約におけるスタンスです。

④の壁に「契約で重要なポイントが分からない~~契約で重要なポイントが分からず、自社に不利/ハイリスクな内容でも締結してしまいがち」というものが取り上げられています。

無知な場合は、やはり専門家に相談するべきです。相手の大企業側には、しっかりとした法務部門・知財部門が備わっていることが通常多くあります。大企業側と対等に話を進める上では、自身だけで解決しようとせず「プロに相談する」ことを取り入れていきましょう。下記が手引きでは「最低限知っておくべき窓口」として掲載されています。

一方で明らかに不利であることがわかっているのに締結してしまう、という事象の方が大変重症です。

これが起こる原因は双方にもちろんありますが、スタートアップ・ベンチャー企業側の理由として多いのは、日々サバイブしている現状からの「目先利益主義」が前に立ってしまっているというものです。

苦しい期間が続けば続くほど、目先利益主義は強くなります。ただ、締結する前に立ち返るべきは「会社としての魂を売ってしまっていないか」という点です。「そこだけは譲れない」というポイントはどんな状況下でも譲るべきではありません。一度書面で締結をしてしまうと、それは法的な拘束力を持ちます。言葉悪く言えば、「飼い殺し」前提の契約や、「アイデア剥奪」に近い契約も存在しているのが事実。双方が目先ではなく、本質的なビッグインパクトを生む共創マインドを持つことが大切ですが、それが適わない場合は、譲れない箇所は譲らないこと。

明らかに難しい内容の場合は、それ以上話をすすめず、潔く「さよなら」していくことも大切です。


先人たちが失敗し、苦労した経験をまとめた内容が詰まっている最高の教科書「オープンイノベーションの手引き」もぜひご一読ください。

●他詳細はこちらから オープンイノベーションの手引き https://eiicon.net/about/guidance/

解説/オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」Founder 中村 亜由子(nakamura ayuko)

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