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【記者会見レポート】三井不動産、「東京ミッドタウン日比谷」内のビジネス創造拠点「BASE Q」においてサービス提供開始~イントレプレナーを育成・日本の大手企業の新規事業創造へ~

大企業のブランドネームだけではイノベーションは起きない。

「この場では何でもアリです。」ーーそのように力強く語る、三井不動産株式会社 代表取締役 副社長執行役員 北原義一氏の挨拶から、記者会見は始まった。

三井不動産株式会社は、「東京ミッドタウン日比谷」(2018年 3 月 29 日グランドオープン)内 6 階のビジネス創造拠点「BASE Q」において、2018 年 5 月 15 日より、サービスを順次提供開始していく。「BASE Q」は、新たな価値の創出と社会課題の解決を目指す人々が集うビジネス創造拠点として、オープンイノベーション支援プログラムの運営拠点となるコミュニティスペース「Q LOUNGE」のほか、450 人規模のイベントスペース「Q HALL」、「Q KITCHEN」や「Q STUDIO」など、さまざまな設備を備え、最先端のテクノロジーやイノベーションのアイディアが集う各種イベントを開催していく予定だ。

「縦社会の官僚構造はイノベーションに邪魔である。その考えをもって、大企業のイノベーションを起こしていきたい。そのためには三井不動産の経営資源だけでは足りない。異業種を含めた外部の血をどんどん投入していきたい。それがBASE Qだ。」このように熱く語る北原氏の姿が印象的だった。

また、北原氏は次のように話を続け、挨拶を締めくくった。「個の到来。個人の消費者主権・ユーザーオリエンテッドの現代において、個人がビックデータサイエンスの奴隷に成り下がってはいけない。多様性の時代と言われているが、元来、人は多様であった。それにもかかわらず現在、大企業のサラリーマンは多様性を押し込められている。今後は、より人々の多様性を大きく顕在化させる世の中が出現していくと考えている。そのような時代のトレンドにおいて規格大量生産、すなわちプロダクトアウト型の組織は早晩陳腐化していくだろう。我々含め世の中の大半の会社が例外ではない。変わらないということが最大のリスクなのだ」

▲三井不動産株式会社 代表取締役 副社長執行役員 北原義一氏


日本の大手企業のオープンイノベーションを支援する「イノベーション・ビルディングプログラム」

▲三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 事業グループ 統括 光村圭一郎氏

北原氏の挨拶に続き、三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 事業グループ 統括 光村氏が登壇した。2018年6月18日からは、三井不動産株式会社、株式会社電通、EY Japan の 3 社が連携し、日本の大手企業に対し、ベンチャー企業等と連携したビジネス創造活動を支援する「イノベーション・ビルディングプログラム」を提供していく。同プログラムは、日本の大手企業に対し、新たな事業領域の開拓や既存本業の付加価値向上を実現する手法として注目されている、オープンイノベーションを支援するプログラムだ。

「一番変わらなければいけないのは大手企業だ。必要なリソースがあるにも関わらず活用されていない。ここ数年、大企業が道をふさいでしまうことでイノベーションが進まない、そんな状況を目の当たりにしており、強い危機感を持っている。」と光村氏は語り、さらに次のように続けた。「一方、大手企業がイノベーションを実践しようとしたとき、それをすべて自身で実践していくのは難しい。さまざまなつながりを活かして、イノベーションを起こしていくのはもはや必然である。その活動を支援するのがこのプログラムだ。」 

「イノベーション・ビルディングプログラム」が注力するポイントは2つ。1つ目は「ビジネス創出」という結果である。単なる勉強や形だけのマッチングではなくビジネスとしてしっかり結果を出していく。2つ目は「イントレプレナー育成」。「ビジネスを生み出す」上で生まれてくる「優れたイントレプレナー」を社会に送り出していくことにコミットする。


イントレプレナーにスポットを

光村氏は、優れたイントレプレナーに必要な要素は、「ビジョン」・「ダイバーシティ」・「コミットメント」の3つであると話す。

一つ目の「ビジョン」。これはすなわち、個人のキャリアや、自社に閉ざされた価値観ではなく、社会・未来に対しての意思を持つことだ。二つ目の「ダイバーシティ」。大きなビジョンを持つためにも吸収していかなければいけない。吸収し、どんどん新しいビジョンを形にしていくことが大切だ。そのためには自分自身のアイデアを多面的にフィードバックしてもらう必要がある。

3つ目の「コミットメント」。未来を創るアイデアを単にアイデアに終わらせてはいけない。これをビジネスに昇華させる意思・仕組みが必要であり、この3点をイントレプレナーに提供していくのがBASEQ「イノベーション・ビルディングプログラム」だ。


~BASE Q「イノベーション・ビルディングプログラム」~

①伴走コンサルタント:オープンイノベーション経験者がBASE Qに常駐する。

イントレプレナーの戦略整理と社外パートナーとのマッチング、協業・共創支援といったイノベーションのプロセスすべてを抑える。伴走するコンサルタントは誰もが事業創造、もしくは起業の経験を持ち、その上で、支援実績を持つ多彩なメンバーをそろえている。

②「Q SCHOOL」:体系的に整理をした20の講座も用意。毎週スクールの講義が実践されていく予定だ。

③「コミュニティ」/「Q LOUNGE」の活用:パートナーとのミーティングや共同スペースとして利用可能な、クリエイティブな場も用意している。アーリーステージ以降のスタートアップも利用できる場となっており、連携がその場でできる方針だ。

④イベント/「Q HALL」:450人規模のイベントスペース「Q HALL」も積極的に活用していく。イノベーション・テクノロジーを中心にアート・リベラルアーツさまざまなイベントを開催予定だ。直近開催が決まっているのは落合陽一さんら多数の有識者がAI時代を読み解く5日間 「朝日新聞DIALOG AI FORUM 2018」や、eiicon主催の「Japan Open Innovation Fes 2018 inSUMMAR」等。

今回のプログラムの利用には、1年単位の法人契約が必要となる(イノベーション推進部門が対象)。6月18日開始に向け、5月15日より募集を開始した。三井不動産株式会社、株式会社電通、EY Japan の3社がメインとなり、その他、eiiconを含むオープンイノベーションに本気で取り組む複数のパートナー・事業と協働し、展開していく予定だ。「本気の事業会社にぜひ手を挙げてほしい」と光村氏は語り、会を締めくくった。