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【IBM Digital Makers Lab. 新組織発足!】 IoT、AR・VR、Analytics、生体センサー ――国内外の先端技術とIBMのテクノロジーを掛け合わせたソリューションにより実現する世界とは?

【IBM Digital Makers Lab. 新組織発足!】 IoT、AR・VR、Analytics、生体センサー ――国内外の先端技術とIBMのテクノロジーを掛け合わせたソリューションにより実現する世界とは?

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デジタル変革に挑むあらゆる企業に対して、アイデアの創出から、PoC(概念実証)・顧客実証実験までをアジャイルに繰り返し、イノベーション創出を支援している「IBM イノベーション&インキュベーション ラボ(i3 Lab.)」。

――この4月、同組織内に“先端技術によるイノベーション創出”を目的とするチームが立ち上がった。その名は、「Digital Makers Lab.」(以下、DML)。IBMの枠組みにとらわれない柔軟な組織体となっている。IBMの強みであるAI・クラウドと、社内外・国内外の先端技術を組み合わせて、これまでにないソリューションを生み出していく。                

DMLのリーダー・嶋田氏は、これまで世界40カ国を回り、デジタルテクノロジーやイノベーションの最先端を知る。また、柴山氏と松永氏は技術的なバックグラウンドで、IoT、AR、VR、ドローンなどを駆使する。

音声認識・画像認識などのAIに強みをもつIBM Watoson、デジタル変革を加速させるIBM CloudといったIBMの強みと、国内外の先端テクノロジーを掛け合わすことで、実現される世界とは。

スタートして数カ月ながら、既にいくつかの先端テクノロジーを取り入れたソリューションを開発中の彼らに、立ち上げの背景や目指す姿を伺った。

■日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス IBM イノベーション&インキュベーション ラボ(i3 Lab.)  Digital Makers Lab.

【写真左】 Associate Partner & Innovation Director & Leader of Digital Makers Lab., i3 Lab. 嶋田敬一郎氏

新卒で松下電器(現:パナソニック)に入社。5年勤務した後、日本ルーセントテクノロジーの技術営業、サイバードのコンテンツ事業を経て、独立して起業7年。世界中のテックカンファレンスで講演を行う。その後、電通で国内外の新規事業開発を手掛け、2017年にIBMに入社し、Digital Makers Lab.を立ち上げる。

【写真中央】 Technical Specialist & Head of Product & Development, Digital Makers Lab., i3 Lab. 柴山裕樹氏

新卒でIBMに入社。大学では画像解析系の研究室に所属。学生時代に自身でアプリ開発も行う。入社後は、一貫して金融系SEとして、大規模開発のチームマネジメントを手掛ける。その傍らで、社内外のハッカソンイベントで優勝した経験も持つ。2018年4月、Digital Makers Lab.立ち上げにあたり異動。

【写真右】 Technical Specialist & Head of Product & Development, Digital Makers Lab., i3 Lab.  松永岳人氏

新卒でIBMに入社。大学院時代に、現在の産総研AIセンターに勤務。入社後はクラウドなど技術に特化した技術部隊に所属し金融系や流通系の開発案件をリード。社外では世界的なデータサイエンティストコンペティションKaggleにて上位に入賞した実績を持つ。2018年4月、Digital Makers Lab.立ち上げにあたり異動。

世界を見てきたリーダーと、“ギーク”な2人が挑むイノベーション

――Digital Makers Lab.(DML)は2018年4月に発足し、既に具体的な活動を進めていらっしゃるそうですね。まずは、立ち上げの経緯について教えてください。

嶋田氏 : IBMは、規模が大きく高価なソリューションを展開し、多くのお客様とお取引をいただいています。しかし、これからは自社だけではなく様々な企業の先端テクノロジーを組み合わせ、これまでにないソリューションを生み出し、既存のお客様の潜在的な新しいニーズを開拓していくことが不可欠です。DMLは、そんな明確なビジョンでスタートしました。

――そこに着眼した背景とは?

嶋田氏 : 自分で起業していた頃、世界27カ国のテックカンファレンスで150講演くらいしておりまして。そこで様々なアクセラレータやインキュベータと接して、様々な企業の強みや技術を取り込む重要性を認識していました。そこで、このチームを組成しました。このチームなら柔軟に世界のテクノロジーを取り込んでいけると確信しています。

松永氏 : 今、AIやAR,VRといったテクノロジーが進歩している中で、お客様から「こんなことをやりたい」と言われてから取り掛かるのでは遅い。一般的なSIは、お客様のニーズを実現することがミッションですが、そういうやり方からは最先端は生まれないですよね。それに対してDMLは、お客様のニーズに先んじて、新しいことを柔軟にやっていくチーム。だから、柴山さんと私というギークな2人が選ばれたと思っています。

IBMの強みに先端テクノロジーを柔軟に掛け合わせ、まだ世の中にないソリューションを生み出す

――今、どんなことに取り組んでいこうとしているのでしょうか?

嶋田氏 : お客様が未だ認識していない課題に対するソリューションを、先回りして創ることですね。松永がお話ししたように、お客様から言われて提案するようではもう遅いですからね。

――どんな風にして先回りしているのでしょうか?

嶋田氏 : これまで40カ国ほどを回って様々な技術や企業を見てきた中で、「これはまだ世界に存在しない」という観点で見ています。またIBMの各領域のキーマンに直接、「顧客の課題・潜在的ニーズを満たせそうか」といった内容で日々ディスカッションもしています。

――具体的なトピックとしては?

嶋田氏 : AR、IoT、ジオフェンス、Analyticsですね。各国の先端技術を常にサーチ・ストックしているので、それにIBM Watsonの音声認識・画像認識といったAIなど組み合わせることで、まだ見ぬソリューションの具現化に取り組んでいます。

――なるほど。

嶋田氏 : 実際に開発するにあたって意識していることは4つあります。1つは、今までに存在しないもの。世界初・地域初、業界初のいずれか。2つ目は、クライアントが付くかどうか。3つ目は、特許性があるかどうか。実際に取れるかどうかは別として、評価されるかということですね。そして4つ目は、IBM発、日本発、DML発として海外のイベントに出せるかどうかです。

デモ段階で、顧客や社内から高く評価を得る

――開発中のソリューションについて、お話しいただける範囲でお聞かせください。

松永氏 : ひとつは、旅行業界。海外旅行に行く時、若い人たちは細かな計画を立てずに行くことが多いです。でも、いざ行ってみると周囲に何があるのか分からないですよね。そこで今開発しているのは、位置情報やAIを駆使し、現在地の周辺でタイムリーに必要とされる情報を提供するソリューションです。

柴山氏 : 私は、IoTのセンサーを小売業に活用するソリューションを開発しています。小売業では、ECサイトで顧客データを分析する仕組みが整ってきています。そこで実際の店舗でも顧客行動データの分析ができるよう、センサーを活用した取り組みを進めています。IoTセンサーはポーランドのスタートアップが開発したものですね。

嶋田氏 : IBMグループの中だけではなく、先端技術を持つ会社を協業して進めている事例ですね。

――先端技術と、IBMのテクノロジーを掛け合わせた取り組みは、他にも実施されているのでしょうか?

松永氏 : ARグラスとIBM Watsonを活用したソリューションが、間もなくデモに移るところです。フィールドエンジニアや整備士の人たちは、今は何か問題があると膨大なドキュメントを読んで該当箇所を見つけています。大変な労力を要するんですよね。それを、Vuzix社のARグラスとIBM Watsonを組み合わせることで、ARグラスで修理箇所を認識しながら、口頭で発した状況をWatsonが分析し、即座に関連するドキュメントを提示できるようになります。これは、IBMならではのソリューションですね。

――社内や顧客の反応はどうですか?

嶋田氏 : 好評です。セクターリーダーからは「このソリューションであれば、こんなクライアントに提案できるよ」と具体的なイメージを持ってもらっています。実際にお客様からも「こんなのは見たことない。すぐに使いたい。いつから使える?」と好感触です。

――まだチームが発足して数カ月ですよね?これだけ事例があるのも、社内にそこまで評判が広がっているのもすごいですね。

「先端テクノロジーでイノベーション創出をしたい」と思ったら、一番に声を掛けて欲しい

――今後DMLで取り組んでいきたいこと、実現したい世界について聞かせてください。

嶋田氏 : AIやアナリティクスなど当社の強みを活かしていくには、データのインプットが重要な要素だと思っています。様々なデータを取得できるIoTなどのテクノロジーはもちろん、ゆくゆくは生体センサーも組み合わせていきたいですね。人体からデータを取るという仕掛けから、人と寄り添えるようなソリューションを生み出せると、本物の“ラボ”になれるのではないか。そのデータを分析して、最適なアウトプットが出せるようになれば、テクノロジーによって新たな未来を創り、IBMは一歩抜きんでることができると思っています。

柴山氏 : 世の中の動きやガジェットが、DMLの中に詰まっていて、デジタル変革を望むパートナーとディスカッションすることで、まだ見ぬソリューションを実現できるようなチームにしたいと思っています。テクノロジーの組み合わせ、会社の組み合わせ、活かし方はいくらでもあると思うので、気軽に声を掛けてもらいたいですね。

松永氏 : 生み出したソリューションを、スピード感を持って世界などに大規模展開することですね。大企業を顧客にもつため、スケーラビリティはIBMの強み。新しいモノを生み出しても、一般的な企業では規模感含め世界に展開していくのは大変難しい。しかしIBMはそのケイパビリティがあります。

――最後に、デジタルイノベーション創出に挑む企業に向けてメッセージをお願いします。

嶋田氏 : イノベーションには4つの「I」のグラデーションがあると思っています。まずは「Imagination」(想像・創意)があり、次に「Invention」(発明)が生まれ、そして「Innovation」(革新)が起こり、最後に「Infrastructure」(インフラ)になる。DMLはこの4つの「I」をすべてカバーして、ビジネスモデルまで一緒につくっていきます。新しい発想や技術だけではなく、事業化してスケールさせていくための相談など、イノベーションについて悩んでいることがあればぜひ声を掛けてください。一緒に、イノベーションを楽しみましょう。

取材後記

技術力だけではなく、各市場に求められる課題や潜在的なニーズをキャッチできる組織、世界に向けたスケーラビリティ支援などの強みをもつIBM。

組織を立ち上げ数か月で、次々と先端テクノロジーを掛け合わせ、社内外からも評価をもらう「Digital Makers Lab.」。

デジタル変革を目指す企業にとって、彼らがスピーディーに生み出していくイノベーション、またそれにより実現する世界観は、目の離せないものになりそうだ。

※IBMが支援するデジタルイノベーション創出について 詳細はこちらから

(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:加藤武俊)

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