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【イベントレポート】中部地区のオープンイノベーション最先端!中部ニュービジネス協議会(CNB)主催『ニュービジネスフェア2018』が開催!

【イベントレポート】中部地区のオープンイノベーション最先端!中部ニュービジネス協議会(CNB)主催『ニュービジネスフェア2018』が開催!

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中部地区の中小企業から大企業まで幅広い企業が結集し、地域経済・社会の発展に先進的な役割を果たすことを目的とした中部ニュービジネス協議会(略称CNB)主催の「ニュービジネスフェア2018」が11月1日(木)に名古屋のミッドランドスクエアにて行われた。 

会場には約220社の方々が参列した本イベントは主に二部構成となっており、一部は「CNBベンチャー大賞2018」の一次選考を通過したスタートアップ5社によるピッチの審査と結果発表、二部はeiicon事業責任者/founder 中村による講演と、サントリーホールディングス株式会社 鈴木氏を招いたパネルディスカッションが実施された。

スタートアップ5社によるピッチ

◆株式会社オプティマインド 代表取締役社長 松下 健氏

独自のAI技術により宅配便等の最適配送ルートを計算し、配送の効率化やドライバーの労働改善に貢献する。配送実績ルートは自社の地図データにフィードバックして学習させ、オプティマインド社の技術を使う全てのユーザーが共有できる。

◆グランドグリーン株式会社 代表取締役 丹羽 優喜氏

タバコ属植物があらゆる植物と接ぎ木が可能なことを発見し、様々な植物を自由に接ぎ木できる革新的な技術を開発し、遺伝子組み換え技術を使わずに新たな作物品種を短期間で品種改良することを可能にした。

◆株式会社テクムズ 代表取締役 鈴木 孝昌氏

画像認識AI技術を使い、店舗内のカメラでお客様の属性・行動・導線・興味等を把握して品揃え・陳列・提案などに反映する。工業分野では傷・色・取付位置などの目視検査を画像認識で全自動化して品質安定やコスト低減に貢献。

◆株式会社U-MaP 代表取締役CEO 西谷 健治氏

窒化アルミニウムのひげ状結晶をフィラーとして樹脂等に添加充填した放熱材料により、パワーエレクトロニクスの半導体デバイスなどの熱問題を解決。従来の粒上フィラーより少量の充填で熱伝導率は向上し、柔軟性・加工性も優れる。

◆株式会社三重ロボット外装技術研究所 代表取締役 森 大介氏

人との協働ロボットの普及に伴い、人とロボットの接触時の安全確保が必須となる。三重ロボット外装技術研究所社の特許技術である接触検知機能を持つ意匠性の高いソフトカバーを外装とすることで、産業ロボットや介護ロボットが人と安全に共存することができる。

最優秀賞に輝いたのは株式会社U-MaP社

各社のピッチを受けて会場に参加した方々の投票による審査の結果、CNBベンチャー大賞2018最優秀賞に輝いたのは株式会社U-MaP社。

尚、今回入賞した5社中3社が名古屋大学発ベンチャーとなっており、学発ベンチャー企業による活躍が目立った結果となった点でも非常に興味深い内容であった。

●最優秀賞 …… 株式会社U-MaP

●中部経済産業局長賞 …… グランドグリーン株式会社

●名古屋商工会議所会頭賞 …… 株式会社オプティマインド

●優秀賞 …… 株式会社テクムズ/株式会社三重ロボット外装技術研究所

オープンイノベーションとは何か?どうして注目されているのか?

続いてはeiicon事業責任者/founderの中村による『オープンイノベーションの必要性と実践方法について』というテーマでの講演がスタート。

◆パーソルキャリア株式会社 eiicon事業責任者/founder 中村 亜由子

近年は市場・製品のサイクル短命化していることにより新規事業創出のスピードアップの必要性がある点、既存市場の破壊&新市場創造の流れから新たな価値を生み出す必要性がある点、日本国内企業の特徴等からオープンイノベーションが注目されるようになった背景の説明に始まり、日本国内におけるオープンイノベーションの現状と課題についての講義へと続く。

そこから実際にオープンイノベーションを実践するにあたっての注意点(阻害要因)やその解決策を「5つの壁」として紹介し、成功している企業の事例を交えて伝えられた。

オープンイノベーションの最前線を走るサントリーホールディングス社によるパネルディスカッション

講演に続いて、サントリーホールディングス株式会社 鈴木氏も登壇し、『オープンイノベーションを事業戦略に活かす~「人々の生活文化を潤い豊かに」未来を共に描く ベンチャー共創プロジェクト~』というテーマで対談が実施された。

サントリー社がオープンイノベーションに取り組んだ背景~ファーストステップ

eiicon 中村 : 早速ですが、サントリーさんがオープンイノベーションに乗り出した背景は?

サントリー 鈴木氏 : 長期的な目標に対して、オーガニックな成長曲線だけでは目標に到達しえないという所から、新規事業領域にチャレンジしており、その中でオープンイノベーションという手法に着手した形となります。一方で、私個人としては、サントリーがこの十数年間、海外展開を除くと新規事業にほとんど挑戦していない点に問題意識を持っていました。2000年以降では壁面緑化事業だけなのです。大昔は養鰻やリゾート施設など色んな事業に挑戦しており、そこから蓄積されたノウハウが、様々な形で活かされたのでは、と推測しています。

eiicon 中村 : 現状、チームで実践している手法はどんなものがありますか?

サントリー 鈴木氏 : 今、ベンチャーコネクティングチームは4人体制でやっていますが、シリコンバレーのスタートアップとの共創を模索したのが始まりです。

私は、技術系のバックボーンを持つ人間として「シリコンバレーのスタートアップ」と対峙する立場でしたが、海外ベンチャーキャピタルファンにLP出資の形で連携することで、通常ではアクセスできない情報を収集でき、スタートアップとの連携を図ることができました。

しかし、このような連携は技術導入に留まっており、新たな事業を一緒に作り出すところまでは出来ませんでした。そのため共に事業を創るのであれば、事業基盤が大きな日本で、日本のスタートアップと共創・連携をしていこうという考えに至り、今は日本国内にも重点を置いています。

国内のベンチャー企業との共創・連携に取り組むにあたって、先ずは様々な先人たちに、アドバイスを請いました。多くの方とお話しをしましたが、結論「最初は面談の数をこなすべき!」と多く言われたのです。

「先ずはできるだけ多くのベンチャーと面談する事だ!」ということになり、どのように接点を持つべきか考えていたタイミングでeiiconと出会い利用を始めました。

宣伝のようになってしまうんですが(笑)事実そうでして、今年に入ってeiiconを活用開始してから本当に安定的に1週間に1~2社と面談を続けられていて、スタートアップと実際に会い、効率的にPoCを実施できています。

現在では多くのベンチャー企業と会っていますが、共創・連携にあたっての理論やルールは以前からいろいろ勉強していたものの、実際に体験してみると、改めて気づく事がたくさんありました。

まず面談の機会を増やすのはオープンイノベーションにおけるファーストステップだと思います。

スタートアップとのコミュニケーションでは「Win-Win」・「フェアな関係性」を

eiicon 中村 : スタートアップとたくさん出会っていく中で、自社や大企業との「ここが違う」と感じるポイントはありますか?

サントリー 鈴木氏 : 人数がまず違いますよね。だからこそ、一人一人の役割を敢えて定めずに「何でもやろう」と思えている心構えをしている人が多いし、そういう人やチームは柔軟な場合が多くスピードも速い印象です。

eiicon 中村 : スタートアップと会う中で意識していることはありますか?

サントリー 鈴木氏 : 選ばれる意識を持つことですね。技術系の仕事をしていると、購入したり、選んだりする立場であることが多いのですが、ここでは全く逆です。スタートアップさんに選んでもらうというスタンスをチーム内で徹底しており、選んでもらえるような実力をつけたいと思っています。

「スタートアップの技術を単に使いたい」ではなく、「成長するための課題は何か?その課題解決にサントリーで何かできるか?」、「その成長をする上でサントリーも成長できる要素があるのであれば一緒にやっていきましょう!」というコミュニケーションを、最初の面談の段階でとるようにしています。

eiicon 中村 : なるほど。「Win-Win」・「フェアな関係性」を心がけているんですね。

サントリー社の事例から読み解く判断基準・成功のポイント

eiicon 中村 : 具体的な共創事例はありますか?

サントリー 鈴木氏 : 今、子供に「キッチン学」のマンツーマンレッスンを行うサービスを展開しているHacksii様と共創を始めています。

子供と一緒に料理をつくり、料理の各工程において考える力の向上を目指す「ハクシノレシピ」の中で、グループ会社が展開している「本気野菜」を素材として提供する予定です。例えば、濃厚な旨味で調理に使ったら非常に美味しい「ボンリッシュ」というトマトがありますが、これを使って自分で料理を体験することで、野菜好きの子供が一人でも増えてくれると嬉しいし、私たちとしては「本気野菜」を指名買いしてくれるご家庭が増えることを期待しています。

eiicon 中村 : 正に先程の講演内のフレームワークの4領域でいうと②の部分ですね。

◆サントリーホールディングス株式会社 経営企画・財経本部 事業開発部 ベンチャーコネクティングチーム 課長 鈴木 雄一氏 (写真左)

設備エンジニアとしてビール工場での設備導入等のプロジェクトを担当した後、生産部門の企画部署を経て、研究所で研究戦略の立案・推進を担う。その後、サントリーホールディングス(株)にて、経営企画部と研究企画部を兼務し、新事業開発の戦略立案・推進と事業開発プロジェクトのリーダーを担う。

取材後記

本イベントには中部地区らしい「モノづくり」企業を中心とした大手からスタートアップまで多くの企業が参加しており、イベント最後のネットワーキングの時間も各社で積極的にコミュニケーションが交わされ、非常に活気に溢れていた。

先日、トヨタ社がソフトバンク社との提携を発表したことは記憶に新しいが、長らく日本の成長を支えてきたモノづくり・技術系の企業がより活性化し、「モノづくり大国・日本」が世界に向けて再度脚光を浴びる鍵として「オープンイノベーション」は必要不可欠であり、中部ニュービジネス協議会も積極的に「会員の新規事業の創出と活性化に貢献する」としている。

また、名古屋大学を中心とした学発ベンチャーが活躍している点も特徴的であり、「産学連携」のモデルケースとして全国に波及していく期待が持てる点においても、中部地区は注目すべきエリアと言えるだろう。

(取材・文:曽田将弘)

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