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【イベントレポート】オープンイノベーションコンソーシアム(OIC)が『IROHANI Seminar 2018』を開催!

【イベントレポート】オープンイノベーションコンソーシアム(OIC)が『IROHANI Seminar 2018』を開催!

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大企業のオープンイノベーションを支援するスタートアップ5社(Creww/ビザスク/リンカーズ/Aniwo/アスタミューゼ)によって運営されているOPEN INNOVATION CONSORTIUM(OIC)が、2019年2月7日に大規模なイベント『IROHANI ACCELERATOR TOKYO 2019』を開催することを決定。

そのイベントに先立って、『IROHANI Seminar 2018』が11月14日(水)にdock-Toranomon(東京都港区)にて開催された。

OICを運営する各企業が2018年の活動を通して見えてきたイノベーションについて、事例と振り返りを交えながらイノベーションの「いろはに」が語られる内容となっている。

<OPEN INNOVATION CONSORTIUMとは>

日本企業が更にイノベーションを創出して世界にプレゼンスを発揮していくために、オープンイノベーションを支援する企業・団体を一元的に集約し、強固な協力体制を構築することが必要であると考え、これまでにオープンイノベーション支援の実績を持つCreww株式会社・株式会社ビザスク・リンカーズ株式会社の3社が発起人となり、本コンソーシアムの設立に至る。現在はアスタミューゼ株式会社、Aniwo株式会社を加えた5社で運営。 

参加企業にとって必要なイノベーション創出のための情報・アイデアを提供し、イノベーション創出の実践や情報共有の場となることで、日本におけるイノベーション創出を加速させることを目的としている。

オープニング ~コンソーシアム2018を振り返って~

イベントは株式会社ビザスク 宮川氏による開催の挨拶からスタート。OICの設立までの経緯や2018年の取り組みの紹介、『IROHANI ACCELERATOR TOKYO 2019』が開催されるに至った背景などが説明された。

①オープンイノベーション担当者発信の社内推進のいろは

◆Creww株式会社 末継氏

「スタートアップコミュニティ」として始まったCrewwは、数々の大企業のアクセラレータープログラムを運営し、スタートアップの成長を後押ししている。3,800社のスタートアップが登録しており、「Crewwコラボ」によってこれまで実施されたアクセラレータープログラムは114、これまで約459のコラボレーションが創出されたという。(※2018年11月時点)

末継氏からは「オープンイノベーション担当者が社内を巻き込んでいく方法」をテーマに、「ジブン」(ミッション・覚悟)を起点として、「ウエ」(上司)・「ウチ」(仲間・同僚)・「ソト」(他部署・外部企業)へと巻き込む範囲を広げていく(=味方をつくる)方法について語られた。

②外部人材を活用した事業創出のいろは

◆株式会社ビザスク 宮川氏

ビザスクが運営する「スポットコンサル」のサービスは、現役の役職者を中心とした約7万5,000名のデータベースに登録しているアドバイザーに相談することができ、新規事業の仮説検証やニッチな製品・技術のニーズを探るための調査などに利用されている。クロスボーダー案件にも対応し、北米・ASEANを含む30カ国以上で既にマッチングを成立させている。(※2018年11月時点)

宮川氏からは「外部人材の活用」をテーマに、「新規事業開発室」・「R&D」・「ボトムアップ」といったオープンイノベーション推進者が所属する組織別のニーズや課題と、それに対する新規事業創出に必要な人材へのアプローチ方法について、これまでビザスクが支援してきた企業の事例を基にして語られた。

③技術探索成功のいろは

◆リンカーズ株式会社 重枝氏

中小企業の技術を大企業のニーズにマッチングする、日本最大級のものづくり系マッチングサービス「Linkers」を運営するリンカーズ。サービスの核となるのが、全国の産業支援機関に所属する「コーディネーター」の存在。地場産業や企業に精通した彼らの力により、関係者しか知りえない非公開の情報を収集することが可能となり、従来開発パートナー探しに費やしていた時間・労力・コストを大幅に削減できる。

重枝氏からは「シーズアウト型」・「技術探索型」・「アイデア創出型」とったオープンイノベーションのパターンの中から、「技術探索型」をテーマに失敗事例や成功のポイントが語られた。

「上から目線で信頼関係の構築に失敗」・「いきなり価格の話をする」・「目的や相談内容が曖昧なまま進めてしまう」といった失敗事例が紹介され、「ニーズ理解」・「シーズ把握」・「ネットワーク量」が成功に必要な能力だと伝えられた。

④データドリブン・アイデアドリブンで発散する企画出しのいろは

◆アスタミューゼ株式会社 河崎氏

アスタミューゼは、技術革新を生み出す「知」にフォーカスした事業を展開している。世界にはイノベーティブな技術や事業アイデアが生み出され続けているが、それらを必要とする人に届かず、多くが埋もれてしまっている。そこでアスタミューゼは、世界80カ国のベンチャーの新事業・新技術・新製品と投資情報データを網羅的に整理し、そのデータベースを専門チームが分析することで、未来の成長産業を独自に定義。これらの情報を基に、新規事業創出やオープンイノベーションを支援している。

河崎氏からは「新規事業におけるテーマの選定方法」をテーマに語られ、「自社が強い領域・弱い領域」と「協業先に有望な事業者がいる・いない」による4象限マトリックスで整理し、フレームワークによってテーマ選定する方法が紹介された。

⑤自社アセットと技術シーズのコラボレーションのいろは

◆Aniwo株式会社 松山氏

年間1,000社のスタートアップが生まれるイスラエル(「石を投げればスタートアップに当たる」と表現されるほど)で日本人が設立したスタートアップであるAniwo。同社は、現地のスタートアップのビジネススライドを通じて起業家・投資家・一般ユーザーが交流できるプラットフォーム「Million Times」を運営している。

6,000社以上のデータベースと現地スタートアップエコシステムにおける人脈、50社以上の日本企業の支援の実績から、イスラエルの技術スタートアップと連携した新規事業、共同研究開発におけるパートナー探索からビジネスモデル構築、投資を含む契約締結までのプロセスを、テルアビブと東京の二拠点でサポートする。

松山氏からは「自社アセットと技術シーズ」をテーマに、オープンイノベーションを実施する際に注意すべき点を、イスラエルの企業と日本の企業の特徴を例に挙げながら語られた。

最後に ~2019年のOICの活動について~

イベントの最後には、アスタミューゼ株式会社 嶋崎氏からOICの来年の活動について語られた。

イノベーションを起こす上で、大きく下記5つのフェーズがある。

(1)課題探索(ニーズ)

(2)アイデア探索(シーズ)

(3)事業コンセプト策定

(4)事業立ち上げ(ヒト獲得・チエ獲得)

(5)事業拡大

本来の目的である「(5)事業拡大」を実現する手法の1つとしてオープンイノベーションがあり、そのサポートとしてセミナーやミートアップイベントも数多く開催されているが、ほとんどの企業が「(1)課題探索」・「(2)アイデア探索」がボトルネックとなって停滞しているケースが非常に多い点を指摘した。

2020年という最大のマーケットを目前としている中で、2019年もオープンイノベーションの入り口で躓いている状態では間に合わない。そこで、「いろはに」のフェーズからはいち早く抜け出し、実践のフェーズに進んでもらうことを目的として『IROHANI ACCELERATOR TOKYO 2019』を開催すると来場者に向けて力強くメッセージが伝えられた。

取材後記

オープンイノベーションに取り組む企業が増えるにつれ、オープンイノベーションを支援する事業会社も年々に増えてきており、その最前線を目の当たりにしている方々の視点で伝えられた本セミナーの知見は非常に意義のある内容であった。それと同時に、アスタミューゼ 嶋崎氏の言葉にもあったように、日本のオープンイノベーション市場における課題も徐々に浮き彫りになってきている。

OICの活動を通じて各企業が「いろはに」のフェーズから脱却し、創造されるオープンイノベーションが数・質共に拡大することで、2020年はもちろん、それ以降も継続的に日本全体のイノベーションが加速していくことを期待したい。

(取材・文:曽田将弘)

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