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東京メトロ | アクセラ審査会をレポート!つながりで東京を熱くする“共創”プランとして採択された3社とは?

東京メトロ | アクセラ審査会をレポート!つながりで東京を熱くする“共創”プランとして採択された3社とは?

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2018年10月、東京メトロは第3期となるアクセラレータープログラム「Tokyo Metro ACCELERATOR2018 ~共創[つながり]で東京は、熱くなる~」の募集を開始した。同プログラムは、「共感し、つながり、持続的に発展していく」ことを大きなコンセプトにしながら、Life・Work・Visitという3つのテーマを設定(下記参照)。単なる“場所貸し”のようなリソースの掛け合わせではなく、新たなアイデアを共創によって事業化することに注力したプログラムとなっている。

●テーマ1:LIFE 「こだわりと暮らしがつながる東京へ」

共通の価値観・生活スタイル・趣味をもつ人々がつながり、新たな暮らし方を創造していく。

●テーマ2:WORK 「個人が主役となり自分らしく働く東京へ」

企業に属す形だけでなく、同じ目的を持つ人々がつながり、支援し合い、社会に還元していく。

●テーマ3:VISIT 「訪れた人々がつながる東京へ」

東京の楽しみ方、過ごし方を見つけ、共有し、自分たちだけの東京をアップデートしていく。

▲経営企画本部 企業価値創造部長 佐藤晃氏<左から三番目>が率いる「Tokyo Metro ACCELERATOR2018」の事務局チームメンバー。(2018年9月撮影) ※事務局メンバーへの取材記事はコチラをご覧ください。

114件の応募から12件が選抜され、審査会に臨む。

「Tokyo Metro ACCELERATOR2018」は、およそ2ヵ月間の募集期間で114件の応募があり、書類・面談審査を通過して選ばれたのは、12社だ。2018年11月からは、東京メトロの選抜メンバーが「コーディネーター」として参加し、12社とチームを組成。審査会までのおよそ2ヵ月に渡り、提案プランを実現可能性の高いものへとブラッシュアップを続けた。

<プログラムスケジュール>

そして、2019年1月21日と23日の2日間に渡り、東京メトロ本社の役員会議室を舞台に、各チームのプレゼンテーションが繰り広げられた。なお、本プログラムは、東京メトロの経営層がコミットしている。常務取締役 経営企画本部長の古屋俊秀氏を中心に、合計6名の役員や部長が審査を手がけた。さらに各界で新規事業創出の実績を持つ方々が外部アドバイザーとして、各チームへのアドバイスを行った。

【審査委員長】

■常務取締役 経営企画本部長 古屋 俊秀氏

【審査員】

■取締役(経営企画本部企業価値創造部担当) 小坂彰洋氏

■取締役 鉄道本部 鉄道統括部長 小川孝行氏

■鉄道本部 需要創出・マーケティング部長 上田正人氏

■事業開発本部 流通・広告事業部長 古川守氏

■経営企画本部 企業価値創造部長 佐藤晃氏

【外部アドバイザー】

■GOB Incubation Partners株式会社 Co-Founder/代表取締役 山口高弘氏

■NPO法人カット・ジェーピー 代表 早田吉伸氏

■eiicon company代表/founder中村亜由子

■パーソルホールディングス株式会社 エグゼクティブデータストラテジスト 友澤大輔氏

▲審査員および外部アドバイザーが、12社の提案にじっくりと耳を傾けた。

採択されたのは、3社のプラン。

12社の提案に対して、審査員は「新規性」・「目的適合性」・「シナジー」・「実現可能性」・「収益性」という5つの軸で評価を行った。―そして、採択されたのは、エンジョイワークス、ボクシーズ、Wovn Technologiesだ。これら3社は、東京メトロと共に、実証実験に臨むこととなる。

一つずつ、詳しい提案内容を見ていこう。

株式会社エンジョイワークス 『クラウドファンディングで東京のまちづくりにイノベーションを』

エンジョイワークスは、鎌倉・逗子・葉山エリアでのまちづくりの実績がある。同社と東京メトロでまちづくりクラウドファンディングプラットフォーム「DIY Tokyo」を立ち上げ、居住に関係なく東京のまちを愛する人が、まちづくりに参加することで東京をもっと魅力的な都市にしていく提案を行った。

東京をDIYする「DIY Tokyo」は、誰でも気軽に参加できるクラウドファンディングの仕組みで、その街を愛する人が、投資だけではなく、企画段階からオープン後の運営まで一緒に関わっていくことが特徴である。

多数の小口投資の割合が多く、金銭的なリターンだけではなく、主体的にまちづくりに参画したい人がほとんどとのこと。

まちづくりという共通の目的をもった強いコミュニティによって、東京が魅力ある都市として持続的に発展していくプランになっている。

ボクシーズ株式会社 『デジタル観光ツアーアプリを利用した、東京の新たな魅力の発見』

IoTサービスの開発やUI/UXコンサルティングを手がけるボクシーズは、GPSとIoTによる位置情報を活用した、ガイドなしで観光地を巡ることができるアプリ完結型のスタンプラリーツアーを提案。東京の魅力を再発見し、東京を楽しんでもらうためのお出かけ需要・利用機会を創出するというプランだ。

本プランの特徴は、個人でも企画者になれること。その企画者ならではの観光資源を発掘し、東京の魅力の再発見につなげることが可能なのである。またツアーはアプリ完結型であり、企画した個人に収益が入る仕組みになっているため、持続可能なコンテンツとして運営が可能となっている。

Wovn Technologies株式会社 『鉄道会社共通の多言語化システムを東京メトロとWOVN.ioから』

Wovn Technologiesは、ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」に強みを持つスタートアップだ。同社は、東京メトロのHP・アプリ・デジタルサイネージを高品質かつ迅速に多言語化することで、インバウンドのお客様に対して情報提供を充実させることを提案。災害時における外国人への情報提供なども、社会課題として急務であり、東京に集う人を、つなげ支える東京メトロの重要な役割でもある。さらに、積み上げたノウハウ・翻訳資産を知財(データベース)として内外に展開を目指すというプランだ。

2日間に渡って開催された審査会を振り返り、外部アドバイザーである山口氏は「東京メトロとスタートアップというコラボレーションによって、市場のゲームチェンジが見出せている提案が多かった。さらに、人々の行動を変革するようにスケール感のあるプランも多々あり、素晴らしい」とコメントした。

● GOB Incubation Partners株式会社 Co-Founder/代表取締役 山口高弘氏

19歳で不動産会社を起業し、3年後に事業売却。それ以外にも複数の事業を起業・売却を経験。その後、野村総合研究所に参画し、ビジネスイノベーション室長就任。2014年、GOB Incubation Partnersを創業。現在、起業支援インキュベータとして、世の中に対する「問い」を大切にし、問いを事業に変換し、送り出すためのインキュベーションを展開中。

一方、同じく外部アドバイザーの友澤氏は、「今回は、”共創 [つながり]”が大きなコンセプト。このコンセプトに寄り添うように、幅広い東京メトロのアセットを、地域・インバウンド・不動産建物などさまざまな視点で分解してつなぎ、提案に盛り込めていたと思う」と語った。

●パーソルホールディングス株式会社 エグゼクティブデータストラテジスト 友澤大輔氏

1995年 関西学院大学 法学部政治学科卒業。その後一貫して様々な企業にてデータを活用したマーケティングに従事。2018年10月 パーソルホールディングス株式会社にてCOO直轄のエグゼクティブデータストラテジストとしてジョイン。グループ横断でのデジタル変革とパーソルグループの様々な資産を活用した新規事業創発に従事。

新たな変化を生み出せるような提案が出揃った。

3期目となる「Tokyo Metro ACCELERATOR2018」の審査会が終了し、上記の通り3社の提案の採択が決まった。審査員長であり、本取組みの牽引役である東京メトロの常務取締役・古屋氏はどのような感触を得たのか、話を伺った。

開口一番、古屋氏は「(審査会が)とても楽しかったから、長時間だったけど疲れなかったよ」と笑顔で話す。そして、審査会全体の講評として古屋氏は、「スタートアップ各社の持ち味や力量と、東京メトロのコーディネーターの熱意や意欲が組み合わさり、単なる”場所貸し”ではない新たな”チェンジ”を生み出せるような協業プランが出揃った」と語った。

さらに、今回採択された提案については、それぞれ次にように評価した。

「Wovn Technologiesさんの多言語化の提案は、まさに我々の直面している課題に直結しています。喉から手が出るくらい、今すぐに事業化したいプランだと感じました。そして、ボクシーズさんの提案は、我々が知らない街の歩き方が見つかるプランで、大きな広がりがあると思います。また、エンジョイワークスさんの提案に関しては、我々が持っている視点とは違う、斬新なまちづくりのプラン。さらに、クラウドファンディングを活用するという点も新鮮でした」

そして古屋氏は最後に、今後への期待を込めて次のように語ってくれた。「実証実験フェーズはすぐにでもスタートし、課題を見つけて事業化できるか否かを早く判断したいと思います。また、今回採択されなかった提案に関しても、無くなったわけではなく、事業化できるかを模索していきたい。――そして、トライアンドエラーを繰り返しながらノウハウを蓄積し、2019年度以降も“共創”に挑戦していくつもりです」

(取材・文:眞田幸剛、撮影:加藤武俊)

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