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フードロス、孤食等を解決。未来の『酒』『食』『飲』を創造するサッポロビジネスコンテスト

フードロス、孤食等を解決。未来の『酒』『食』『飲』を創造するサッポロビジネスコンテスト

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サッポロホールディングス株式会社が行っているオープンイノベーションプログラム『サッポロビジネスコンテスト』。去る2019年2月16日・17日の2日間、事業プランニングフェーズに進むチームを採択する「アイデアブラッシュアップ」が、EBIS303にて開催された。

※eiicon関連記事 : サッポロビジネスコンテスト開催! | 次世代『酒・食・飲』の事業創造を目指す

本コンテストは、サッポログループ内公募による選抜メンバーと、スタートアップ企業が共創、新規事業創出を目指すものだ。メインテーマは、「社会課題を解決し、人々の生活に豊かさをもたらす、次世代『酒』『食』『飲』事業の創造」。原料調達から製造、物流などすべてのバリューチェーンで新事業の可能性を模索する。また、製品に限らず、食を楽しむ空間づくりなど、外食や不動産事業を持つサッポログループならではの強みを活かし、事業開発を目指す。

アイデアブラッシュアップにあたり、社内外の混成で10チームが創設された。そして、2日間のワークショップにて、事業アイデアを創出。2日目の終わりに事業審査会を行い、その場で事業プランニングフェーズに進む5チームが採択された。なお、採択された5チームは、外部メンターによるメンタリングを受けながら事業プランをブラッシュアップし、7月中旬に開催されるビジネスコンテストにて最終的な事業プランを発表する予定だ。

ここでは、2月17日に行われた事業審査会についてレポートする。

サッポログループ”初”の取り組み

審査会開会の挨拶を行ったのは、サッポロホールディングス株式会社 取締役 野瀬氏(下写真)。「恵比寿は、サッポログループの源流の一つとなる街。この街で、サッポログループ初の取り組みであるビジネスコンテストを開催していくことは、非常に価値のある取り組み。心おきなく提案して欲しい」と、これからプレゼンテーションを行う10チームにエールを送った。

<審査員(合計10名)>

【サッポロ審査員】

■サッポロホールディングス株式会社 代表取締役社長  尾賀真城氏

■サッポロホールディングス株式会社 取締役  野瀬裕之氏

■サッポロホールディングス株式会社 取締役  征矢真一氏

■サッポロホールディングス株式会社 取締役  福原真弓氏

■サッポロホールディングス株式会社 取締役  吉田郁也氏

【外部審査員】

■インキュベイトファンド 代表パートナー  村田祐介氏

■サムライインキュベート 執行役員 Enterprise Group  成瀬功一氏

■ニッセイ・キャピタル ベンチャーキャピタリスト  高尾壌司氏

■博報堂 兼 Pinkoi Japan/Ichi 取締役  飯沼健太郎氏

■HUDDLE 代表取締役 上河原圭二氏

▲ベンチャーキャピタリストなど、多くの事業をプロの視点で見てきた外部審査員たち

10チームによるアイデアプレゼンテーション

ここからは、サッポログループ内公募による選抜メンバーと、スタートアップ企業共創の10チームによるアイデアプレゼンテーションの概要について紹介していく。

(1)チーム「SAKURA」

『フードロスを減らして、地方創生・人材育成・日本活性化』をテーマにプレゼンテーションを行ったのは、チーム「SAKURA」。同チームが目指すゴールは、深刻な社会課題となっているフードロスを解決する街づくりだ。オフィスと住宅が近接する街の中で、ロスフードをシェア。「持続可能な食の住まい」で生活することで社会に貢献していくというアイデアとなっている。

(2)チーム「ヘルコール」

チーム「ヘルコール」が提案したのは、『晩酌好きなあなたへのパーソナルコンシェルジュサービス』だ。近年、健康診断結果の悪化が問題になっており、その結果、飲酒を控えるという状況がある。しかし、尿酸値、LDLコレステロール、中性脂肪の数値は、お酒というより、食事が原因であるということが分かっているという。そこで、健康診断で異常が出やすい50代の夫婦をメインターゲットとして、晩酌に合う健康的な献立をパーソナライズしてレコメンドするサービスを開発する。

(3)チーム「★★★(スリードット)」

「『食』を通じて『介護』を楽しく」するサービスを提案したのは、チーム「★★★(スリードット)」だ。同チームが着目したのは、介護現場で介護者と被介護者のコミュニケーション不足がもたらす深刻な弊害。その解決策として同チームは、被介護者に装着した脳波計から脳波を解析して感情を推定し、食に対する満足度を可視化するサービスを提案した。

(4)チーム「SAPPORO PASSPORT」

チーム「SAPPORO PASSPORT」は、『食品メーカーの余剰食材を活用した食を楽しむプラットフォーム』をプレゼンテーションした。年間フードロスは、実に642万トン。国民1人当たり50㎏が廃棄されていることになる。その約40%を占める外食産業や食品メーカーでの廃棄食材260トンが、この事業のターゲットとなっている。

(5)チーム「ファイブ★フロー」

「みなさん、残したい味はありませんか?」と問いかけたのは、『Kuumo~食をつなぐ』というタイトルでプレゼンテーションを行ったチーム「ファイブ★フロー」。今、あらゆる業界で事業承継は課題になっているが、外食業界でもその傾向は顕著。そこで、店舗を丸ごと継承するのではなく、「メニュー(レシピとノウハウ)を資産化し、食文化を継承する」というビジネスを発表した。

(6)チーム「MINKA」

続いて発表を行ったのは、チーム「MINKA」。同チームは、『今すぐ飲みに行きたい人と、飲みに来てほしい飲食店とのマッチングサービス』を提案した。ふと飲みたい気分になったが、飲みに行く相手や面白い飲み会が見つからないなどの理由で、あきらめてしまう若者。そして、グルメサイトなどでは適切なマーケティングができず、集客に頭を悩ませる飲食店。同チームのアイデアは、双方の課題を解決するビジネスモデルとなっている。

(7)チーム「スターリー」

中高年の「孤食」を解決することをテーマに、「セカンドキャリアのジョブマッチングサービス『セカンドオファー』」のプレゼンテーションを行ったのは、チーム「スターリー」。このサービスにより、中高年を社会からの孤立や「孤食」を防ぐという仕組みだ。

(8)チーム「日本のおじさまを食生活からHAPPYに」

チーム「日本のおじさまを食生活からHAPPYに」が提案したのは、『超めんどくさがりでも続けられる自動バイタル測定&パーソナル食生活改善サービス』だ。このサービスを通して、健康状態のビッグデータを生み出し、様々な法人サービスの向上や、医療費の抑制につなげていく狙いだ。

(9)チーム「4U(フォーユー)」

続いてプレゼンテーションを行ったのは、チーム「4U(フォーユー)」。中華圏の訪日観光客が、旅の途中でスムーズに食事ができる『インバウンドの旅ナカサポート』を提案した。このサービスは、街を歩いて気になった飲食店の看板に、観光客がスマートフォンをかざすと、彼らの母国語でその店舗のメニューやキャンペーン情報、クーポンを得ることができるというものだ。

(10)チーム「聖域なきキッチン改革」

最後に提案を行ったのは、チーム「聖域なきキッチン改革」。現在、共働き世帯は増加しているものの、男性が料理(家事)を担う割合は、国際的に見ても極めて低い。その理由の1つとして同チームが挙げたのは、「キッチンの聖域化」、つまり何がどこにあるのか分からず、キッチンに入るハードルが高いというのだ。そこで、同チームは、『キッチン食材の管理・共有サービス「ボイスキッチン」』を考案、プレゼンテーションした。

採択された5チームとは?

ビジネスコンテストに進むチームの発表は、サッポロホールディングス株式会社 取締役 野瀬氏から行われた。採択されたのは、以下5チーム。それぞれのチームの代表者が、喜びの言葉とビジネスコンテストへの意気込みを述べた。

<採択チーム>

■チーム「ヘルコール」の『晩酌好きなあなたへのパーソナルコンシェルジュサービス』

meuron株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金澤 俊昌)



■チーム「SAPPORO PASSPORT」の『食品メーカーの余剰食材を活用した食を楽しむプラットフォーム』

株式会社REARS(本社:大阪府大阪市、代表取締役:後藤 靖佳)



■チーム「ファイブ★フロー」の『Kuumo~食をつなぐ』

株式会社イーフロー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:眞壁 幸一)



■チーム「日本のおじさまを食生活からHAPPYに」の『自動バイタル測定&パーソナル食生活改善』

ライフログテクノロジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:棚橋 繁行)



■チーム「聖域なきキッチン改革」の『キッチン食材の管理・共有サービス「ボイスキッチン」』

株式会社オトナル(本社:東京都中央区、代表取締役社長:八木 太亮)


野瀬氏は、「どのチームのアイデアも素晴らしく、審査は白熱した。今回採択された5チームは、事業化プロセスに向けた取り組みを7月まで進めていく。ハードルは上がるが、ぜひ実現に向けて取り組んで欲しい」と述べた。

最後に、サッポロホールディングス株式会社 代表取締役社長 尾賀氏が、総評と閉会の挨拶を行った。尾賀氏は、まず全チームに今回のアイデアブラッシュアップの参加に感謝の意を述べ、2日にわたったディスカッションとプレゼンテーションを労った。そして、「普段私たちがやっている仕事とは、まったく異なる観点でのアイデアがあり刺激を受けた。ぜひとも今回通過した5チームから事業化を実現させてほしい」と、期待を込めて締めくくった。

(構成:眞田幸剛、取材・文:佐藤瑞恵、撮影:古林洋平)

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