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【イベントレポート】イノベーションプラットフォームをつくるNPO、ミラツクのミラツクフォーラム(東京版)にいってきました!

こんにちは。eiicon founderの中村です。NPO法人ミラツクのミラツクフォーラム(招待制のクローズドイベント)に参加して参りました!

■NPO法人ミラツクとは?

京都に本拠地を置く、イノベーションプラットフォームをつくるNPO。ソーシャルイノベーションを加速させるプラットフォーム構築や、企業、自治体と協働したイノベーションプラットフォーム構築を展開しています。 http://emerging-future.org/

■今回のフォーラムのテーマ

「企業内におけるイノベーター育成と事業創出」と 「都市の新たなライフスタイルを生み出すイノベーション」について。10/22(土)の午後、茅場町のプライベートサロンに、30人ほどの各会社を代表するイノベーターが集まりました。

■ 第一部「企業内におけるイノベーター育成と事業創出」

登壇者は、 株式会社リクルートホールディングス Media Technology Lab. 室長  麻生要一さん。 株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 担当部長 笹原優子さん。 ファシリテーターはミラツクの代表、西村勇也さん。


 

リクルート全体の新規事業開発責任者であり、社内起業したニジボックスのFOUNDERであり代表取締役社長 兼 CEO・麻生さんから、まずリクルート内の新規事業創出プログラムのお話。 

リクルートでは毎月(すなわち年12回!)新規事業案の審査会有。3万人の社員は24時間・いつでもどこからでもエントリーできます。翌月の審査会でジャッジがあるシステムで、審査会を通過すればその翌月に必ず20%兼務という形での異動が可能です。 

続いて、NTTドコモのイノベーション統括部 担当部長 笹原優子さん。 

39WORKS (新規事業創出プログラム)の活動についてのお話。はじめから、しっかり大きく生むことを求められることが多かったドコモの新規事業を、小さく生んで大きく育てる方針へ転換させているこのプログラム。ドコモ社員が手を挙げて承認されれば、24時間365日いつでも流れ参加できるように整備されていて、小さなアイディアからPDCAを回し、外部の方と共創するような仕組みを取り入れています。 

既存事業との重複、既存事業が考えていた構想との重複は日常茶飯事。それらと向き合い続けるお二人とも「未来のアタリマエをつくる」とおっしゃっていたのが印象的でした。 

西村さんからの質問の中で出てきた興味深いお話を二つ紹介します。 

『できる人を探す』ことの重要性 

イノベーターとなりうるエンジンを持っている人との出会いは貴重だというお話。圧倒的な行動量をさばける人は成功するというお話も。なんと3カ月〜4カ月のテストマーケティングの期間に最大400件程のトライアルを実施する社員もいるというお話でした。

 『原体験』というキーワード 

原体験に相当する体験が大切である、という一節も。実際にイノベーションを起こしたいと考えている地域に行って、ちょっとしたことを提案したら、驚くような変化が生まれた・・それで急に覚醒するパターンもあるそう。  

■ 第二部「都市の新たなライフスタイルを生み出すイノベーション」

登壇者は、
森ビル株式会社 タウンマネジメント事業部 アークヒルズ運営グループ チームリーダー   田中巌さん。
現スターバックスコーヒージャパン健康保険組合常務理事・元コミュニティアウトリーチ研究所 所主 巌真一宏さん。
株式会社文祥堂 CSR事業室室長代理  山川知則さん。
ファシリテーターはこちらもミラツクの代表、西村勇也さん。 

 

各社の攻めているイノベーションのお話から、「多くの人が混在する町」という空間をベースとしたイノベーションについて、質疑応答を通し、参加者一同で考えていくような第二部でした。 

気負った決意ではなく日々の積み重ねの重要性 
「イノベーションおこすぞ!」という話ではなく、「こういうのあった方がいいよね」という積み重ねが大切であるというお話。例えば、ヒルズブレックファーストはもう何年も森ビルが主催で実施しているイベント。http://hillsbreakfast.roppongihills.com/ 

こういった取り組みを通して、参加者同士のコミュニケーション一度発生すると、その後自発的にコミュニティ連携が生まれてきているという実例もあるそう。

 ジブンゴト化が大切
まちを舞台に空間づくり・場づくりを実践していくというお話の中で、中でも印象深かったのは「ジブンゴト化が大切」だというお話。森ビルの田中さんからは「ジブンゴト化」してもらう仕組みのひとつとして「様々な背景を持った人に自分の街を使いこなしてもらう接点を設けるというお話も。 

例えば何かを囲む(ペットや植物など)と初対面でも会話が弾むなど、作り手側からの様々なココロのこもった仕掛けや、設計者の創意工夫・意図を知る機会になりました。 

その土地に生活している人と、そこへ来る人が交わる事や、いろんな生活の局面の人たちが集まる空間の大切さが語られており、改めて、閉じた世界・空間だった日本のライフスタイル全般が、オープン化していく方向であるように感じました。 

まちづくりにおける文脈ではありましたが、「困った事があったら、その困っている事象を持つ人に対し、相手を尊重して向き合う事、ハートが大切」というお話は多くのステークホルダーが協調するオープンイノベーションでも同じ事が言えますよね。

■最後に。

リクルートの麻生さんがおっしゃっていた、興味深いお話のひとつに、「所謂世の中で上場しているベンチャー企業は、創業して上場するまで大体7年。その上場したタイミングでの平均の年商は7億円。営業利益はプラマイ0と言われている」というお話がありました。 

これが、世の中でエクセレントカンパニーと呼ばれる企業の数字だという事実です。しかし、今沢山の大企業の新規事業創出では、それ以上の数字を求められることが往々にしてある現状といえるでしょう。会社全体の売上が、数百億〜兆円を超える企業にとって、数億円の新規事業のインパクトはいかほどか?と問われれば、確かに会社として求める数字の規模が大きくなるのもうなずけます。 

では、インキュベーション(新規事業創出)は、イコール 単なる会社の売上ボトムアップ施策なのでしょうか? 

おそらく、そうではない、と大半の企業が考えているからこそ、今オープンイノベーションの熱は高まってきているのでしょう。会社の利益となり、新たな礎となる一歩となるインキュベーション。 

ただ、その数字や結果を考えるには、まだもう一段階大きな決断が必要なのかもしれません。性急な結果ではなく10年単位で考えていくことを前提条件とする。言うは易し、決断には勇気が必要だということも理解の上、この前提条件は必須になっていく未来を想像しています。 

■執筆者 eiicon founder 中村亜由子