5月10日に「渋谷ならではの最先端お土産(体験)」をテーマにアイデアピッチが開催される。選ばれたアイデアは渋谷川で実証実験まで行うことが特徴だ。

働く場所、遊ぶ場所、暮らす場所としての渋谷。様々な人や文化が集結し、一言ではくくれない渋谷。

「ちがいを ちからに 変える街」として渋谷から新たなカルチャーを発信していく。今回は、そんな渋谷ならではの魅力を「お土産(体験)」として生み出すまでのアイデアピッチだ。

産官学民が連携する新たな組織「渋谷未来デザイン」と、オープンイノベーションのプラットフォーム「eiicon」がコラボレーションし、渋谷川にて販売も含めた実証実験まで行う。

4月15日、そのプレイベントとして、渋谷をつくる3名の登壇者を招いてパネルディスカッションが開かれた。テーマは「渋谷未来構想 -これからの渋谷。渋谷の可能性とは?-」である。それぞれが考える渋谷の魅力とは?未来の渋谷とは?パネルディスカッションから迫っていきたい。

※応募締切は来週4月23日(火)まで。「渋谷×お土産!?アイデアピッチ」の詳細・応募はこちら


【登壇者紹介】

●本間洋行氏:渋谷区役所区民部 商工観光課長

●中馬和彦氏:KDDI株式会社 ライフデザイン事業企画本部 ビジネスインキュベーション推進部長 KDDI ∞ Labo長

●福士千一氏:東急不動産株式会社 渋谷プロジェクト推進本部グループリーダー 

なお、本イベントのモデレーターは、渋谷未来デザイン事務局次長長田新子氏、eiiconファウンダーの中村亜由子が務めた。

 

テーマ1:渋谷の都市としての魅力とは何か?

テーマ1は本間氏から論点が提供され、商工観光の見地から渋谷区の特徴が浮かび上がった。

本間氏: 東京都に1300万人ほど訪れている観光客の内、600万人程度は渋谷区に来ていると言われている。一方で夜間の滞在人口は減っているという調査もある。渋谷に訪れた人たちが区内を回遊して、楽しんで、さらには滞在してもらいたい。

長田氏は渋谷区全体として発信していける魅力があると考察していた。

長田氏:渋谷には代々木公園もあれば、代官山もある。街全体を回遊して、渋谷を大きい意味で捉えてもらいたい。


中馬氏は「一見すると課題だが、実はそれが魅力ではないか」という発想の転換を促し、議論を深めていく。

中馬氏:携帯電話会社として渋谷を調査していると、大都市というイメージほどにはトラフィックがないことが分かる。さらには個性が強いというイメージがあるのに、ひとつのイメージに縛られていない。渋谷を「ひとつに集約しない」という答えが見つけていきたい。


「渋谷の多様性はハード面にもある」。そのことを建物の観点から分析していたのは福士氏であった。

福士氏:渋谷は実はそんなに大きな建物はない。しかもビルがばらばらの向きを向いることが多い。建物からも渋谷の多様性は体感できる。


テーマ2:「未来都市 渋谷」が切り拓く未来とは何か?

ゲストから渋谷の魅力が分析されたところで、話題は「未来都市 渋谷」に移っていく。中馬氏からは5Gが普及した未来が披露された。

中馬氏: 5Gが普及するとスマホ、PCを超えて街中すべてが通信でき、すべての街や体験が個人にパーソナライズされる。デジタルテクノロジーで「自分だけの渋谷」が体験できるようになるという未来は、すぐそこまで来ているのだ。

通信で渋谷が繋がると、街並みも変わるのだろうか。街づくりの観点からは「グレーター渋谷」構想というものが注目を集めているそうだ。

福士氏:東急不動産株式会社はまちづくりの観点から、「グレーター渋谷」を掲げている。これは渋谷を中心として表参道や原宿などの近くの土地を、遊歩道や商業エリアを開発することで繋ぐ構想である。


渋谷の未来は渋谷の外にも繋がっているようだ。

長田氏:どの都市よりも早く発信していくことで、渋谷が世界に繋がる未来を期待している。

本間:渋谷は地方との交流も進めている。だから渋谷から地方へ輸出できるコンテンツは何なのか、渋谷らしさとは何かを考えることが増えた。「これぞ渋谷」と言えるコンテンツをつくりたい。


テーマ3:渋谷が世界に発信できるものは何か?

ディスカッションの最後には「渋谷から世界に発信できるもの」を深めるために、「世界から見た渋谷」について意見が交わされた。

長田氏:スクランブル交差点の映像が毎日世界中に日本の象徴として使われていると聞いたことがある。世界から見た渋谷は、アジアの人の雑踏の象徴になっているのではないか。


さらには「不完全さの美学」という中馬氏が発したコンセプトをきっかけに、渋谷が世界に発信できるものの輪郭が見えてきた。

中馬氏:人が渋谷に来て、自分の何かと組み合わさって完成していくのが渋谷ではないだろうか。世界中の人が、渋谷にラストワンピースを求めて行きたくなる場所になることを望んでいる。渋谷には「不完全さの美学」がある。

本間氏:本来は行政が主導して解決すべき領域にも、民間が動きはじめるという流れが渋谷にはある。これも不完全であるからこそ起きる動きだ。

福士氏:どんどんコラボして、アイデアのある人が来て、また他のアイデアを持っている人が引き寄せられてというスパイラルをつくっていきたい。その先には「エンターテインメントシティ渋谷」としての未来も広がっているはずだ。


パネルディスカッション後の長田氏によるアイデアピッチの詳細の説明、質疑応答や懇親会でも参加者の方からの意見が相次いだ。

参加者からも、実現に向けた具体的な質問ばかりであった。その熱は「渋谷には世界に発信できるものが確かにある」という期待に変わり、この日のプレイベントは幕を閉じた。


取材後記

渋谷という街は、一言では集約できない。「それぞれの違いを受け入れることが、渋谷ならではの魅力でもあるのでは」ということがパネルディスカッションでも話されていた。皆さんが考える、〝渋谷ならでは〟の魅力とは何だろうか?どのような形で届けられるだろうか。

そんなアイデアをお持ちの方は、渋谷をつくる人・企業からの強いバックアップがあるこの機会に、ぜひ応募していただきたい。

※「渋谷×お土産アイデアピッチ」についての詳細情報はこちらをご覧ください。応募締切は4月23日(火)です。

(構成:眞田幸剛、取材・文・撮影:佐野創太、松尾真由子)