東洋大学 電気電子情報工学科 加藤 正平 教授

更新日:2018/07/11
  • 解凍品質が良好で解凍速度が速く、省エネルギーな解凍装置を研究開発しています。高電圧を引加し、冷凍品の表面全域にイオン風を発生させ、表面の熱交換を効果的に行う新しい原理です。形状を問わず一度に多くの冷凍品を解凍可能、中まで解凍することが迅速にできる、マイクロ波加熱解凍装置と比較して高価な部品が不要なため安価、などの特徴があります。肉・魚・野菜・加工食品など様々な冷凍品に適用可能です。本技術の実用化・活用に意欲がある企業を歓迎します。

    【簡略図】

    20161115094155.png

    【背景】
     食品産業において、食品の冷凍・解凍は様々な場面で利用されています。解凍プロセスの多くは自然解凍が採用されていますが、業務用の食品工場などでは、生産性や商品の価値を高めるため、より早く、高品質に解凍したいとの現場のニーズがあります。そのニーズに対応するため、マイクロ波加熱などを応用した解凍製品の普及が進んでいます。
    本研究では、高電圧引加によるイオン風による熱交換効率化という考え方を元に、冷凍品をより多く、迅速に、安価で、解凍品質が高い状態で解凍できる新しい解凍装置の実現を目指して研究開発を進めています。本技術の実用化・活用に関心がある企業を歓迎します。

    【技術内容】
    手順は下記のとおりです。
    1)電極を対象の冷凍品と離し、高電圧をかけます。
    2)すると、電極の放電電流が冷凍品付近に引加されていきます。
    3)放電電流は、電流が小さい場合、ほぼ静電界の電気力線に沿って流れます。そして、下図のように、電流の分布は一部に集中することなく空間的に広がり、対向側にも広がっていきます。  電気力線は、電流が大きくなると冷凍品のとがった部分などで局所的に発熱が集中するものですが、本技術のように電流が小さければ、ほぼ均一な温度分布となります。
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    このように放電電流が流れると、空間内でイオン風と呼ばれる現象が発生します。イオン風は、高電界や放電の発生に伴って、酸素や窒素などの空気中の中性粒子が電界方向に駆動し、風が吹くことを指します。一般的にはIT機器のデバイスの冷却などに用いられる現象です。

    下図は、電圧(横軸)とイオン風の風速(縦軸)を電極と冷凍品の距離でプロットしています。風が流れていることが分かります。
     20161115094307.png
    人間は、気温が低い中で、強い風を浴びるとより寒く感じます。つまり、風により熱交換が促進されているといえます。今回のケースでは、通常は冷凍品よりも周囲の大気温度の方が高いため、イオン風によって大気の温度が効率よく冷凍品に伝わる(熱交換が促進される)ことで、冷凍品の解凍速度が高まる原理です。

    下記は解凍装置の写真です。
     20161115094342.png
    下記は鳥賊に適用した例ですが、自然解凍(0kv)と比較し、高電圧引加時(18kv)では早く解凍できています。
     20161115094455.png【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
    1)冷凍品の表面全域にイオン風を発生できます。そのため、本冷凍装置では、1つの棚に複数の段を並べ、段の上に冷凍品を載せていき、一度に大量に解凍できます。また、少しすき間があれば、冷凍品を重ねていても一度に処理できます。
    2)パッケージの種類・状況によっては、パッケージを付けたまま解凍可能です。
    3)放電現象によりオゾンが発生するため、解凍庫内で細菌の増殖を抑制し、変色防止や酸化防止等の保存コントロールが可能です。
    4)自然解凍(流水解凍を含む)の手法と比較し、解凍品質が良く、早く解凍できます。
    5)マイクロ波加熱解凍装置と比較し、高価な部品が不要のため安価です。また、深部まで早く解凍できることがマイクロ波加熱技術と比較した本技術の大きな特徴であり、サイズが大きく厚みがある解凍品にはより適しています。
    6)装置のサイズは幅1m程度と小型のため、設置場所の自由度が高いです。
    7)高電圧の利用にあたって、安全性は確保しています。また、作業者の公的資格は不要です。
    8)放電電流の電流量は抑えているため、省エネルギーです。

    【連携企業のイメージ】
    例えば下記の企業と連携可能です。
    1)食品の解凍装置を開発・販売しているメーカー
    2)食品工場向け装置の販売を行っている商社
    3)食品工場・食品店舗等を保有する食品メーカー
    4)他、本技術の活用を希望する企業

    【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
    ・食品工場や食品を扱う店舗などで設置可能です。
    ・肉、魚、野菜、加工品など様々な冷凍品に適用可能です。

    【技術・ノウハウの活用の流れ】
    本技術の活用や製品開発に興味がある方はお気軽にお問合せください。
    データを交えて原理説明などご紹介させていただきます。

    【専門用語の解説】
    (イオン風)
    高電圧電界中において、酸素や窒素などの空気中の中性粒子が電界方向に駆動されることによって発生する現象です。他研究では、シイタケの乾燥効果促進の事例などもあります。電磁気学では古く知られた原理ですが、イオン風を食品解凍に応用する発想の研究は今までありませんでした。

本掲載に関する責任者(オープンイノベーター)

オープンイノベーション推進ポータル

厳しい国際競争に勝ち抜くため、企業の研究開発戦略の手法として、産学連携・産産連携など外部の技術/ノウハウを有効に活用する「オープンイノベーション」が注目されています。 斬新な製品開発、付加価値の高い要素技術の確立、技術課題の効率的な解決、研究開発コスト削減など、オープンイノベーションは大きなメリットをもたらします。

ミッション

企業が外部機関を有効に活用する「オープンイノベーション戦略」を推進するための情報プラットフォームとなるべく立ち上げました。以下の指針に基づき、大学・企業の技術/ノウハウ/開放特許を結集

企業情報

企業名
株式会社キャンパスクリエイト
事業内容
「お客様の課題解決をオープンイノベーションで実践する広域TLO」をスローガンに様々なサービスを提供しています。
・産学官連携
・国際連携
・包括コンサルティング
・人材ソリューション
・シニア技術者の技術支援サービス
・ビジネスパートナー募集

他にも産業振興・地域振興のプロジェクト運営、自社での研究開発・製造・販売など様々な業務を行っています。
事業スキーム
当社のサービスは大きく2つの事業スキームから成り立っています。
・技術移転マネジメント事業
企業様のニーズに応じた産学連携のコーディネートを行っています。また、大学の技術を知的財産化し企業様へライセンスする活動や、大学発ベンチャーの立上げ支援などを行っています。

・ソリューション事業
企業様のニーズに応じて、マーケティング支援や公的支援事業の活用支援、人材支援など様々なソリューションを提供しています。

・広域的な連携体制
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当社は国立大学法人電気通信大学から技術移転に関する業務委託を受け、発明の権利化を共同で行いながら、技術移転活動を行っています。

・オープンイノベーション推進ポータル
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 マッチングイベントなどの企画運営
 産学連携や地域の振興に繋がるイベントを企画しています。
 産業振興・地域振興
所在地
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設立年月日
1999
外資区分
非外資
代表者名
安田 耕平
企業URL
https://www.campuscreate.com/
従業員数
10人〜100人未満
平均年齢
38
資本金
3千万円〜1億円未満
上場区分
非上場
株主
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主要顧客
メーカーの研究開発部門、新規事業部門 等

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