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国立大学法人 電気通信大学 情報理工学研究科 木寺 正平 准教授

更新日:2017/08/31
  • 道路・橋・トンネル等のインフラの老朽化は国土強靭化戦略と密接に関連する喫緊の課題であり、老朽化状態を点検する非破壊検査技術が注目されています。本研究では、特にコンクリート等の構造部材の内部状態を高精度かつ効率良くメンテナンス点検するための技術として、UWBレーダにRPM(Range Points Migration)法という独自技術を組合せた非破壊検査法を研究しています。本研究を活用した製品開発に意欲がある企業を歓迎いたします。

    【簡略図】
    20141118134128.png【背景】
    道路・橋梁・トンネル等のインフラの老朽化は国土強靭化戦略と密接に関連する喫緊の課題であり、老朽化状態を点検する非破壊検査技術が注目されています。インフラ老朽化は、中央自動車道笹子トンネル天井崩落事故を代表に大規模事故に繋がることがあります。点検には膨大な費用と作業が掛かるため、地域の自治体や管理者は限られた予算や人材で適切な維持管理を行う必要があります。
     20141118134227.png(中央自動車道笹子トンネル天井崩落事故)
    本研究では、特にコンクリート等構造物内部の点検について、高精度かつ効率良くメンテナンスできる非破壊検査技術を研究しています。
    本研究の実用化・普及に意欲がある企業を歓迎いたします。

    【技術内容】
    超広帯域のUWB帯を使用したレーダ計測技術を研究しています。
    一般的なレーダと比較し、UWBパルスでは距離分解能が数cm~数mmと高いことが特徴です。例えば3GHz帯を使用した場合には距離分解能は5cmです。
    20141118134408.pngレーダを用いた画像化技術では、従来手法として「合成開口レーダ(SAR)」という手法が用いられていました。本研究では新たに「RPM法(Range Points Migration)」という手法を研究しています。比帯域が100%のモノサイクルパルスを用いた場合、その中心波長に対して、精度が1/100波長と高精度化し、分解能が1/10と高分解能化し、計算の超高速処理を実現しています。
     20141118134440.pngRPM法は内部画像化に適した手法です。下記は、縦軸が対象物の深さ方向、X軸がレーダのセンサ部を走査させた方向です(いずれも単位は波長、3GHz中心だと10cm程度)。左図の受信データを得た場合に、従来のSAR法では虚像(False Image)が発生する上に対象物(target1~3)境界面も乱れていますが、RPM法を内部画像化用途に拡張すると虚像が発生せず境界面に沿って可視化できます。そのため高精度に内部状態を点検することが可能です。
    20141118134605.png【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
    コンクリート等を対象とした非破壊検査技術として主に下記の技術が実用化あるいは研究開発が進められています。

    1)フェーズドアレイ超音波探傷法
    多数の超音波発振子を線上または面状に配置し、それぞれの発振子を調節することにより、超音波を特定の深さと位置に収束させ、この収束位置を上下左右にスキャンして画像処理することにより、構造物内部の断面図を得ることができ、傷・亀裂の形状・大きさを判別します。同一欠陥を多数の位置や方向から検出できるため、検出精度が高いことも特徴であり、放射線を使用しないため人体への安全性が高く法規制も無いため手軽に利用可能です。

    ただしコンクリート構造物に対しては、超音波の減衰やコンクリート中の小石による乱反射への影響が大きく、画像処理による補正が重要となります。また、一箇所ごとに接触させて検査する必要があるため手間が掛かります。

    2)中性子線透過法
    鉄やコンクリートなどに対しての透過率が大きいことを利用した非破壊検査法です。
    透過率の差を利用してコンクリート中の鉄や水分が存在する箇所のイメージングが可能です。実用化には小型中性資源のビーム強度の増強と検出感度の向上が課題です。
    また、屋外で使用する場合は、放射線遮蔽や管理区域の設定が必要です。

    3)赤外線サーモグラフィ法
    コンクリート表面には剥離・ひび割れ・空洞があると、その部分だけ他の箇所と温度が異なるため、赤外線カメラはその温度差を検知できるので、コンクリート表面の非破壊検査が可能です。しかし、コンクリート外部からの赤外線は検知できません。

    本技術では、UWBレーダの特徴として非接触かつ広範囲かつコンクリートへの透過性があり(内部まで点検でき)、かつRPM法を用いることで非常に高速かつ高精度な処理を実現しています。メンテナンス性に優れています。

    【連携企業のイメージ】
    インフラ用保守設備や非破壊検査機の開発・製造・販売を行っている、本装置の事業化・普及に意欲がある企業を歓迎いたします。また、コンクリート構造物に限らず、UWBレーダの特性を生かした非破壊検査機や用途開発のニーズも歓迎いたします。
    レーダに関するノウハウは研究室にあるため、企業側にレーダの知見が無くても連携可能です。

    【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
    道路・橋梁・トンネル等のインフラの点検技術に活用可能です。コンクリート内部の亀裂や金属物、水分などを対象に、コンクリートと対象物の誘電率の違いを用いて可視化できます。代表例としてコンクリートを挙げていますが、他の材料にも適用は可能であり、様々な非破壊検査機としての用途が考えられます。非接触かつリアルタイムに検査できるため、例えば、トンネル内で作業員がUWBレーダ検査機を持って移動するだけで検査を進めていく、などの用途に応用可能です。 近年ではインフラ点検用にロボット技術が注目されていますが、ロボット用センサとしても活用可能です。
    また、UWBレーダは下記のとおり粉塵・暗闇・高濃度ガス・強い逆光等の劣悪環境下でも適用可能です。
     20141118134652.pngその透過性を生かして地中内の埋没物の探査、金属などの資源探査にも応用可能です。

    【技術・ノウハウの活用の流れ】
    本技術の活用にご興味があればお気軽にお問合せください。UWBレーダの装置デモや技術内容など詳しいご紹介をさせていただきます。

    【専門用語の解説】
    (UWB(ウルトラワイドバンド))
    無線通信の方式のひとつで、データを1GHz程度の極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行う手法です。それぞれの周波数帯に送信されるデータはノイズ程度の強さしかないため、同じ周波数帯を使う無線機器と混信することがなく、消費電力も少ないことが特徴です。位置測定、レーダ、無線通信の3つの機能を合わせ持っており、独特な無線応用技術です。

    (レーダ)
    電波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向を明らかにする装置です。遠くにある物との距離を電波によって計測し、図示することで航空機・船舶の位置把握や雨雲の雨量計測に、また物体の速度測定や障害物検知などのシステムに使われています。

本掲載に関する責任者(オープンイノベーター)

オープンイノベーション推進ポータル

厳しい国際競争に勝ち抜くため、企業の研究開発戦略の手法として、産学連携・産産連携など外部の技術/ノウハウを有効に活用する「オープンイノベーション」が注目されています。 斬新な製品開発、付加価値の高い要素技術の確立、技術課題の効率的な解決、研究開発コスト削減など、オープンイノベーションは大きなメリットをもたらします。

ミッション

企業が外部機関を有効に活用する「オープンイノベーション戦略」を推進するための情報プラットフォームとなるべく立ち上げました。以下の指針に基づき、大学・企業の技術/ノウハウ/開放特許を結集

企業情報

企業名
株式会社キャンパスクリエイト
事業内容
「お客様の課題解決をオープンイノベーションで実践する広域TLO」をスローガンに様々なサービスを提供しています。
・産学官連携
・国際連携
・包括コンサルティング
・人材ソリューション
・シニア技術者の技術支援サービス
・ビジネスパートナー募集

他にも産業振興・地域振興のプロジェクト運営、自社での研究開発・製造・販売など様々な業務を行っています。
事業スキーム
当社のサービスは大きく2つの事業スキームから成り立っています。
・技術移転マネジメント事業
企業様のニーズに応じた産学連携のコーディネートを行っています。また、大学の技術を知的財産化し企業様へライセンスする活動や、大学発ベンチャーの立上げ支援などを行っています。

・ソリューション事業
企業様のニーズに応じて、マーケティング支援や公的支援事業の活用支援、人材支援など様々なソリューションを提供しています。

・広域的な連携体制
国立大学法人電気通信大学を活動拠点としつつ、様々な大学・企業と提携しています。
当社は国立大学法人電気通信大学から技術移転に関する業務委託を受け、発明の権利化を共同で行いながら、技術移転活動を行っています。

・オープンイノベーション推進ポータル
「オープンイノベーション推進ポータル」を運営し、様々な大学のシーズ、大学発ベンチャーの製品、産学連携による研究開発成果など、先端技術をご紹介しています。
 マッチングイベントなどの企画運営
 産学連携や地域の振興に繋がるイベントを企画しています。
 産業振興・地域振興
所在地
〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1 国立大学法人電気通信大学産学官連携センター内
設立年月日
1999
外資区分
非外資
代表者名
企業URL
http://www.campuscreate.com/
従業員数
10人〜100人未満
平均年齢
上場区分
非上場
株主
主要顧客