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電気通信大学大学院情報システム学研究科 情報ネットワークシステム学専攻 森田啓義 教授

更新日:2017/08/31
  •  心電図データの不整脈検出を高い精度で得る場合、従来はリアルタイム性あるいは省メモリ性のどちらかを犠牲にしなくてはなりませんでした。しかし本技術はリアルタイム動作可能な反辞書確率モデルを用い、定常データに突発的に出現する異常信号を自動検出することによって、いずれの特性も保持しつつ、従来のものと同等の高精度なシステムを実現しました。携帯型心電図測定器への組み込みを目指しています。本技術の活用・実用化に意欲的な企業を歓迎します。

    [簡略図]
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    [背景]
     心電図データの自動解析は、患者の状態を把握するための重要なデータです。特に、不整脈検出は一過性ではないため、長時間データを取得する必要があります。  
    よって、患者の負担を削減するために携帯型心電図測定器を用いるニーズがありますが、膨大なデータを扱うにはデータ圧縮が必要です。しかし、従来の2次算出符号などによるデータ圧縮からの不整脈検出は、そのモデルに対してのしきい値の自動設定が難しく、リアルタイムな圧縮率変化からの不整脈検出は困難でした。
     
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     そこで、不整脈の検出に有効な反辞書符号化法を用い、学習系列とする正常脈に適した確率モデルを構築し、圧縮された学習系列の圧縮率がしきい値を超えたときに異常信号をリアルタイムで検出するシステムを開発しました。

    [技術内容]
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    1)学習系列の自動設定
     正常脈を学習系列とし、正常脈の圧縮に適した反辞書確率モデルを構築します。学習系列の範囲は導出式[OM04]から算出します。次に、M本の学習系列のそれぞれから生成された符号器を用いて、対応する学習系列を圧縮します。
     
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    2)しきい値と検出率
     各学習系列自身の圧縮率の最大値を超える最小値をしきい値とします(しきい値の未検出や誤検出を防ぐため)。
     
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     M組の学習系列・しきい値により、テストデータに対する検出を行い、検出結果(感度と特異度の和)が最も大きい組を検出用の学習系列・しきい値の組として設定します。

    [技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)]
    1)高い検出率
     実験結果より、提案手法は他の方法と同等の性能をもち、なおかつノイズなどを取り除く手法と組み合わせれば、周波数解析を行うKAKN06と同等以上の性能を達成していることがわかります。
     
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    感度=検出不整脈数/(検出不整脈数+未検出不整脈数)×100(%)(未検出尺度)
    特異度=検出正常脈数/(検出正常脈数+誤検出正常脈数)×100(%)(誤検出尺度)

    2)省メモリ性
     検出器は平均11キロバイトと省メモリであり符号化を含めても符号器は数メガバイトで実行可能です。

    3)リアルタイム性
     検出処理時間(Pentimu4 3.2Ghz)は一拍あたり0.8ミリ秒(正常脈1拍は0.7~1秒)なので十分にリアルタイム処理も可能となっています。

     なお、商用電源に対しても同様に実験を行った結果、異常電源波形(=電源スウェル)の検出率は感度・特異度ともに100%を達し、なおかつ計算上180kHzまで対応可能であることがわかっています。
     
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    [連携企業のイメージ]
     本技術の活用・実用化を希望する企業を歓迎します。電流値、電圧値の異常も検知可能ですので、例えば、以下に該当する企業へご提案可能です。
    1)生体計測器の研究開発を行っている企業
    2)工場の自動機器管理をされている製造業
    3)自動機器管理システムの研究開発を行っている企業
    4)防犯システムの開発を行っている企業

    [技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)]
    1)不整脈・異常電源波形(スウェル)の監視・リアルタイム検出
    機器から送られてくるデータを基に、不整脈や商用電源に対する局所的な異常・スゥエルの検知が可能です。

    2)機器の予防保全
     工場内における自動機器の故障・不具合による異常振動や異常信号を検出が可能です。また、電圧異常などをリアルタイムに検知するので、防犯システムに搭載し、侵入者対策や施設内の異常の検知へ用いることも可能です。

    3)脳波なども含めた生体信号の異常検出
     生体機器の無線センサから送られてくる生体信号の異常波形の検出が可能です。

    [技術・ノウハウの活用の流れ]
     試作品は既に開発済みです。お問い合わせ後、詳細にご説明させていただきます。
             
    [専門用語の解説]
    【符号化】
     情報を一定の規則に従ってデータに置き換えて記録すること。また、ある形式のデ
    ータを一定の規則に基づいて別の形式のデータに変換すること。データ圧縮や暗号化などもこれに含まれます。

    【特異度】
     医療検査において特異度が高いほど「陰性のものを正しく陰性と判定する可能性が高い」、あるいは「陰性のものを間違って陽性と判定する可能性が低い」を意味します。

本掲載に関する責任者(オープンイノベーター)

オープンイノベーション推進ポータル

厳しい国際競争に勝ち抜くため、企業の研究開発戦略の手法として、産学連携・産産連携など外部の技術/ノウハウを有効に活用する「オープンイノベーション」が注目されています。 斬新な製品開発、付加価値の高い要素技術の確立、技術課題の効率的な解決、研究開発コスト削減など、オープンイノベーションは大きなメリットをもたらします。

ミッション

企業が外部機関を有効に活用する「オープンイノベーション戦略」を推進するための情報プラットフォームとなるべく立ち上げました。以下の指針に基づき、大学・企業の技術/ノウハウ/開放特許を結集

企業情報

企業名
株式会社キャンパスクリエイト
事業内容
「お客様の課題解決をオープンイノベーションで実践する広域TLO」をスローガンに様々なサービスを提供しています。
・産学官連携
・国際連携
・包括コンサルティング
・人材ソリューション
・シニア技術者の技術支援サービス
・ビジネスパートナー募集

他にも産業振興・地域振興のプロジェクト運営、自社での研究開発・製造・販売など様々な業務を行っています。
事業スキーム
当社のサービスは大きく2つの事業スキームから成り立っています。
・技術移転マネジメント事業
企業様のニーズに応じた産学連携のコーディネートを行っています。また、大学の技術を知的財産化し企業様へライセンスする活動や、大学発ベンチャーの立上げ支援などを行っています。

・ソリューション事業
企業様のニーズに応じて、マーケティング支援や公的支援事業の活用支援、人材支援など様々なソリューションを提供しています。

・広域的な連携体制
国立大学法人電気通信大学を活動拠点としつつ、様々な大学・企業と提携しています。
当社は国立大学法人電気通信大学から技術移転に関する業務委託を受け、発明の権利化を共同で行いながら、技術移転活動を行っています。

・オープンイノベーション推進ポータル
「オープンイノベーション推進ポータル」を運営し、様々な大学のシーズ、大学発ベンチャーの製品、産学連携による研究開発成果など、先端技術をご紹介しています。
 マッチングイベントなどの企画運営
 産学連携や地域の振興に繋がるイベントを企画しています。
 産業振興・地域振興
所在地
〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1 国立大学法人電気通信大学産学官連携センター内
設立年月日
1999
外資区分
非外資
代表者名
企業URL
http://www.campuscreate.com/
従業員数
10人〜100人未満
平均年齢
上場区分
非上場
株主
主要顧客