株式会社フジタ
総合建設業・フジタが、自然・社会・街・建設の"みらい"を共創パートナーと切り拓く。「FUJITA Open Innovation」始動!

自社特徴

<100年超の実績を持ち、総合建設業を展開>

1910年に創業し、100年を超える実績と信頼を積み上げてきた当社は、大和ハウスグループの一員として国内建設事業を軸に海外事業や都市再生事業を展開しています。当社が目指しているのは、人の心を豊かにする未来の社会・街づくりに向けた、快適で豊かな“高環境づくり”。そんな未来を切り拓いていくために、自前主義から脱却し、共創パートナーと事業アイデアや新しい技術を磨いていこうと考えています。そのための取り組みが、「FUJITA Open Innovation」なのです。

<ビジネス実装力と技術、海外に強み>

当社は、国内外で年間平均約300カ所の建設現場を手がけているだけではなく、市街地の再開発など街づくりのノウハウも有しています。さらに、長年当社が培ってきた技術を集積した「フジタ技術センター」(神奈川県厚木市)の協力体制も整えており、共創パートナー企業と共に、ビジネスを実装させる“場”や“知見”が数多くあります。また、当社は海外事業にも注力しており、中国・メキシコにおいては日系ゼネコントップクラスのシェア保有。全世界に広がるネットワークを活かすことも可能です。

提供リソース

  • ①建設現場におけるビジネス実装力

    ・国内外の建設現場(年間平均約300カ所)
    ・建設技術のノウハウ
    ・土地開発の経験・ノウハウ
    (街づくりノウハウ:市街地再開発事業、土地区画整理事業、不動産投資事業等でのPoC等の提案)
  • ②研究開発

    ・技術センター(共同研究・共同開発)
    ・保有特許(519件、2018年度末)
  • ③国内外ネットワーク

    ・国内外の拠点(国内18ヵ所、海外16カ所)
    ※中国・メキシコにおいては日系ゼネコントップクラスのシェア保有
    ・大和ハウスグループのネットワーク
    ・多様な業種の顧客チャネル(自動車産業、物流、医療・医薬等)

    ④その他

    ・資金援助
    ・出資検討

実績

■四足歩行型ロボットを活用し、建設現場における生産性向上を目指す
ソフトバンク株式会社・ソフトバンクロボティクス株式会社との3社で、建設業界が抱える労働力不足の課題を解決すべく、四足歩行型ロボット「Spot」を活用し、建設現場における巡回や進捗管理、安全点検等の業務での生産性向上・業務効率化に向けた取り組みを実施。

■建設の技術・ノウハウを活用し、ワンランク上の居住空間を創造、健康的で心地よい生活環境を提供
住宅設備機器メーカーの株式会社長府製作所との共同で、静かで風が気にならない寝室用パネルエアコン「眠リッチ」を開発し、販売を開始。寝室で風や音、ストレスを感じたくないというニーズの高まりに対して、赤外線を利用した放射冷暖房システムを採用し、健康的で“高”環境な空間を提供。

  • 寝室用パネルエアコン「眠リッチ」を株式会社長府製作所と共創し、発売開始
  • 新たな技術・アイデアの共創を、よりスピーディーに実現するスキーム
  • イノベーションを共創し、エクスポネンシャルな成長を共に実現しましょう

一緒に何をしたいか

以下の3つのテーマで共創パートナーを募り、オープンイノベーションによって“高環境づくり”を実現します

【募集テーマ】

①すべてがリンクする未来の都市開発

IoTによるコネクテッドな都市機能を実現。モビリティ・暮らし・医療・環境等あらゆる領域のデータを横断的に連携した、全ての人にとって革新的で豊かな街づくり
例)
・IoTの活用:健康で豊かな暮らしを実現するためにセンサー・デバイス等を組み込んだインフラ、建設物の整備
・エコロジー:エネルギーの地産地消や利用の最適化、廃棄物回収の効率化等において、環境にやさしい街づくり
・シェアリング:空き家スペースの有効活用や、買い物難民を救うシェアリングサービス など

②生産性・安全性に優れた建設業を実現する

ロボットやAIの活用や新たなデバイス開発等により、生産性・安全性を高めた革新的な建設業の創造
例)
・建設現場の見える化:IoTにより、資材・人に関する種類や数量、スケジュール等あらゆる情報を統合し、見える化
・省力化・省人化:ロボット等の無人施工技術等により、建設現場の省力化・省人化
・安全性向上:画像認識技術やセンシングにより、危険予測・回避し、現場の安全性向上  など

③技術とアイデアの実装により、持続可能な社会を創る

テクノロジーとビジネスアイデアでSDGsの実現に繋がる社会課題に立ち向かい、グローバルに持続可能な社会の創造
例)
・水資源:水質浄化技術や、安全な水の供給により、水資源利用の最適化
・クリーンエネルギー:手ごろで信頼できる、高効率で低環境負荷なエネルギーや再生可能エネルギーの供給を実現
・循環型社会:廃プラスチック等の産業廃棄物や食品廃棄物のリサイクルにより、循環型社会の実現 など

メッセージ

今回のオープンイノベーションの取り組みでは、「すべてがリンクする未来の都市開発」、「生産性・安全性に優れた建設業を実現する」、「技術とアイデアの実装により、持続可能な社会を創る」という3つの募集テーマを設定しています。

「すべてがリンクする未来の都市開発」については、IoTを基盤としたコネクテッドな都市機能の実現が考えられ、たとえば、住民の健康データ管理、廃棄物利用などのエコロジー対応、空き家や買い物難民解消のためのシェアリングシステムなど、新しい形のインフラを備えた街づくりに着手することも想定しています。

「生産性・安全性に優れた建設業を実現」に関して、建設業界では自動化や省力化の技術が十分に活用できていないことからロボットやAIの活用、新たなデバイス開発等によって、生産性・安全性を高めた革新的な建設業の実現を目指しています。例えば、IoT技術を活用した現場の生産管理情報の統合・見える化、データ解析等による生産性向上、重量物の取り扱いをサポートするような技術など様々な技術を含みます。

そして、「持続可能な社会を創る」という点に関しては、環境配慮型のコンパクトシティ形成など、社会課題解決による事業創造という意味もあります。そこで求められるのは、水質浄化技術により水資源利用の最適化を図ることや、廃棄物利用により循環型社会を推進すること、さらに高効率のクリーンエネルギー開発といった技術も含まれます。

以上のように、今回のオープンイノベーションについては社会課題の解決にも寄与できればと考えています。また、建設業界は、単に建物を作っているだけではなく、その維持管理、住民との街づくり、環境への配慮など、扱う範囲が非常に広範囲です。したがって、技術が適応できる機会も非常に多く、意外なところで御社の技術が活用できるかもしれません。はまる部分があれば、大きなビジネスのチャンスにもなりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

求めている条件

下記条件に合致している企業様は是非コンタクトください

●自然・社会・街・建設の新たなみらいを創るアイデア・技術・製品を持つ企業
●街づくり・シェアリング・スマートシティ/IoT・xR・ロボット・センシング/エネルギー・資源などの領域で強みを持つ企業

本掲載に関する責任者(オープンイノベーター)

担当課長

加藤 高之

人の心を豊かにする未来の社会・街づくりを実現するアイデア、技術、事業を共創しましょう。アイデアベースでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

所属部署

経営改革統括部 オーブンイノベーション推進部

ミッション

外部とのコラボレーションを通して
・新しい技術シーズの探索
・新技術の社内導入
・新規事業の創出

経歴

半導体メーカーにてエンジニア・知的財産業務に携わった後、2015年に当社に入社。技術センター知的財産部を経て、2017年から経営改革統括部 オープンイノベーション推進部に配属。部署のメンバーと共にミッション達成に向けて日々、トライ&エラーで挑戦してします。

企業情報

企業名
株式会社フジタ
事業内容
1.建設工事の請負、企画、設計、監理およびコンサルティング業務
2.宇宙開発、海洋開発、地域開発、都市開発、資源開発および環境整備等に関する調査、企画、設計、監理およびコンサルティング業務
3.不動産の売買、交換、賃貸、管理およびこれらの代理もしくは仲介に関す る業務ならびに不動産の鑑定評価
4.金融商品取引法に基づく第二種金融商品取引業、投資助言・代理業および投資運用業
5.不動産特定共同事業法に基づく事業
6.宅地の造成および分譲ならびに住宅の建設および分譲に関する業務
7.土壌汚染の状況調査および除去等に関する業務
8.建物、構築物およびその設備の保守および管理に関する事業
9.宿泊施設、スポーツ施設、レクリエーション施設、健康・医療施設、教育施設、飲食店等の保有、経営およびコンサルティング業務ならびに旅行代理店業
10.工業所有権、著作権等の無体財産権、ノウハウその他ソフトウエアの企画開発、取得、賃貸および販売ならびに情報処理サービス業
11.コンピュータ機器、エレクトロニクス機器等の開発、販売および賃貸ならびに保守および管理に関する事業
12.情報通信システムに係る企画開発および販売等に関する事業
13.マルチメディアの研究開発に関する事業
14.建設用資材、機器および機械装置の製造、加工、販売および賃貸
15.住環境設備機器の研究、開発、製造、販売、賃貸、保守および管理ならびに輸出入に関する事業
16.労働者派遣事業
17.金銭の貸付その他の金融業務
18.前各号に付随する一切の事業
所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目25番2号
設立年月日
2002
外資区分
非外資
代表者名
奥村 洋治
企業URL
https://www.fujita.co.jp
従業員数
501名以上
資本金
10億円以上
上場区分
非上場

役員3名に直撃――未来の都市開発を進める、フジタのオープンイノベーション構想とは?



株式会社フジタは、創業100年超の歴史を持つ総合建設業だ。現在は大和ハウスグループの一員として、グループの総合力を活かしながら、人、街、暮らしにかかわる価値創造を広く展開している。国内建設事業を中核としながら、海外での建設実績も多く、また、街づくりや環境創造についても多くの実績を持つ。


そのフジタが今回、「自然、社会、街、そして建設のみらいを共に拓く」をコンセプトにした【FUJITA Open Innovation】という取り組みを始動させ、新たな価値創造を目指すパートナーを募集している。実際に、ロボットメーカーや住宅設備機器メーカーとの共創を推進させている同社は、オープンイノベーションによって未来を切り拓く、その一歩を踏み出し始めていると言えるだろう。さらに、上記したコンセプトのように、同社のオープンイノベーション戦略はコア事業である建設だけにとどまらず、社会や街づくりにもそのアンテナは向いている。


――そこで、フジタがパートナー企業を募る背景・理由から、提供できるアセット、どのようなビジョンを共有していきたいのかについて、オープンイノベーションを推進している役員陣3名にお話をうかがった。



<写真左→右>

株式会社フジタ 執行役員 技術センター所長 組田良則氏

株式会社フジタ 上席執行役員・経営改革統括部長 / 藤田(中国)建設工程有限公司董事長 君島誠司氏

株式会社フジタ 常務理事・オープンイノベーション推進部担当 エンジニアリング営業部担当 小林勝已氏

■「自前主義の限界」を、パートナー企業と共に突破する

――創業から100年を超える歴史を歩んできた御社が、今回、オープンイノベーションに取り組むに至った背景を教えてください。


君島氏 : ご承知のように、現在の日本社会における最大の問題は少子高齢化にともなう人口減少です。これは、建設業界にも2つの点で大きなインパクトを与えています。


1点目が、「需要の減少による市場のシュリンク」です。こちらは足元ではまだ大きく顕在化はしていませんが、近い将来に現れてくると思われます。これに関して、弊社は従前より街づくりを重要業務分野としていますが、単に建物を作るだけではなく、IoTを活用することで暮らしの効率性や環境保全性などの点で価値の高い街づくりの必要があると考えています。


もう1点のインパクトが、「働き手の急減」です。こちらはすでに現場の人手不足という形で顕在化しており、外国人労働者の受け入れ推進などの対応策も多少進んではいますが、それでは間に合わない状況です。


弊社の現場でも、50歳以上の従業員の数が多く、35歳から50歳くらいまでの人が極端に少ない、いびつな年齢構成になっており将来にわたり働き手の減少が見込まれます。それに対応するため、イノベーティブな生産性向上が求められます。これに関しては、後でまた触れますが、すでにロボットを導入した実証実験なども行っており、より推進していきたいと考えています。


――大きくは、この2点の問題に対してオープンイノベーションにより解決を図っていきたいことが背景事情としてあります。


組田氏 : 現場の生産性に関していいますと、自動化や省力化の技術が世の中では非常に進んでいるのに、建設業界ではそれを活用できていません。そのため、たとえば製造業の工場などと比べると大きく遅れをとっています。その点で、自前主義の限界が明らかになっているので、ぜひ外部の知見をお借りしたいということです。


――オープンイノベーションに取り組む社内の体制はどうなっているのでしょうか。


小林氏 : 実は以前から、オープンイノベーションという言葉こそ使っていませんでしたが、外部との共同研究を実施してきた歴史はあります。子会社を通じて海外から新しい技術を採り入れたり、新事業に応用したりしてきました。それを本社で組織立っててやっていこうということで、2年前にオープンイノベーション推進部ができたのです。現在の部署のメンバーは、海外駐在員を含めて約10名です。


君島氏 : 社内の体制的な話ですと、全社的な機構改革により経営改革統括部という部門が設けられ、その下に経営企画部、経営改革推進部、オープンイノベーション推進部、ダイバーシティ推進部など、9つの部署がまとめられました。これらの各部署は社長直轄で動いており、またひとつの経営改革統括部の部署であるため、関係部署への稟議なども非常に素早く通すことができるようになり、共創事業においても意志決定と対応の迅速化が実現しました。

■パートナー企業を募る、3つの共創テーマとは

――これまでにオープンイノベーションとして進められた共創や事業化の事例にはどんなものがあるのでしょうか。


組田氏 : ソフトバンクさん、ソフトバンクロボティクスさんと共同で、ボストン・ダイナミクス社の四足歩行ロボット「Spot」を建築現場で活用する実証実験を進めているところです。建築現場にロボットを導入する際に問題となるのが、現場は平らではなく多くの段差があるので、移動の難しさにあると言えます。その点Spotは、人間の足で移動できるところなら、ほぼどこでも移動できるので建築現場向きです。


建築現場の巡回点検、安全チェック、出来高・工程確認といった用途で活用することを検討しており、これが実現すれば職員が現場に出向く頻度を減らすことができます。


▲ボストン・ダイナミクス社の四足歩行ロボット「Spot」


小林氏 : もうひとつ、「眠リッチ」という寝室用パネルエアコンがあります。これは簡単にいうと、非常に薄型のパネルエアコンであり、赤外線を利用した放射冷暖房システムを採用したことで、静かで風が気にならないため快適に眠り続けることができるものです。


こちらは、弊社の技術センターが考案したアイデアをもとに、山口県にある長府製作所という住宅設備機器メーカーと共同で開発しました。この6月から発売を開始しています。


▲「眠リッチ」は、赤外線の効果により、体の冷やしすぎや熱しすぎを防止し、睡眠中の身体に負担をかけない温度管理ができる。

――今回の共創パートナー募集にあたっては、提供リソースとして資金提供あるいは出資も挙げられていますが、これらの事例はありますか?


小林氏 : 以前は、共同開発やライセンス購入のような形でのパートナーシップがほとんどで、資金援助や出資などでより深く相手企業にコミットしていく方向を採り入れはじめたのは、ここ最近のこと。ですが、まだ発表できる段階までには至っていませんが、現在進行中の案件があります。

――では、今回、パートナー企業と共に事業創造を目指すのはどのような領域になり、どのような技術を求めているのでしょうか。


小林氏 : 3点ありまして、1つ目が「すべてがリンクする未来の都市開発」、2つ目が「生産性・安全性に優れた建設業を実現する」、そして3つ目が「技術とアイデアの実装により、持続可能な社会を創る」ということになっています。


まず1つ目の「すべてがリンクする未来の都市開発」ですが、これはIoTを基盤としたコネクテッドな都市機能の実現が考えられます。たとえば、住民の健康データ管理、廃棄物利用などのエコロジー対応、空き家や買い物難民解消のためのシェアリングシステムなど、新しい形のインフラを備えた街づくりです。


私たちは以前、千葉県の津田沼駅前で35ヘクタールに及ぶ大規模な都市開発「奏の杜プロジェクト」を遂行しました。そのときも、技術センターにも参画してもらい当時のさまざまな最先端技術を実装した街づくりをしようということで、センシング技術等を用いて街全体のセキュリティシステムの計画・導入などを行いました。そういった実績を踏まえて、さらに高度で効率的な街づくりを進めたいということです。


――2つ目の「生産性・安全性に優れた建設業を実現する」は、Spotのようなロボットの導入でしょうか。


組田氏 : それも1つですが、ほかにもいろいろ想定しています。たとえば、センシングやAIを使って、現場の工程管理、資材管理などの生産管理情報を統合して「見える化」し、データ解析やストラテジーの構築を通じて生産性向上を図ることも考えられます。また、建築現場の仕事はどうしても重いモノを持つ必要があり、それが女性や高齢者の活用を妨げているので、それをサポートするような技術も望まれています。


さらに個人的には、屋内での高精度な位置認識技術があればぜひ教えていただきたいと思っています。建築や土木の屋外現場では、GPSやドローンの活用によってかなり高精度な位置認識が可能となっていますが、屋内はビーコンを使ってもせいぜい10数センチ程度の精度でしか位置認識ができません。


しかし、たとえば屋内で図面通りに部材の施工がなされているかをロボットに確認させるような際には、ミリ単位での確認精度が必要です。そのような技術をお持ちの企業さんにはぜひお声をかけていただきたいですね。


君島氏 : 3つ目の「持続可能な社会を創る」という点に関しては、環境配慮型のコンパクトシティ形成など、社会課題解決による事業創造という意味もあります。そこで求められるのは、水質浄化技術により水資源利用の最適化を図ることや、廃棄物利用により循環型社会を推進すること、さらに高効率のクリーンエネルギー開発といった技術も含まれます。


また最近は、異常気象が日常化していますが、たとえば短時間の集中豪雨などを予測し、それによって生じる可能性があるインフラのトラブルを防止するようなセンシング技術や解析技術もニーズが高いと思っています。


■街づくりやグローバルビジネスにも強みを持つフジタ

――先ほど資金提供のお話がありました。それ以外に、御社から共創パートナーに提供できるアセット、あるいは、パートナー企業からみたときに御社と共創することで得られるメリットにはどのようなものがあるでしょうか。


小林氏 : まずは、創業以来100年以上にわたって積み上げてきた、建築、土木分野の技術ノウハウがあります。厚木の技術センターには、建築・土木はもちろん、先ほど申し上げた自然災害や水資源、クリーンエネルギー、産業廃棄物・食品廃棄物のリサイクルなど、さまざまな研究も可能な環境や設備もご用意しています。


次に、単なる建物の建設にとどまらない土地開発や街づくり事業への取り組み、その実績とノウハウがあります。最近だと先にお話した津田沼の「奏の杜プロジェクト」があり、未来の社会を見据えて街の景観から暮らしまでもが様変わりするような大規模な事例があります。このように、ひとつの「街」そのものをイチから開発する市街地再開発事業、土地区画整理事業、不動産投資事業などがあり、それらに関連した実験や実装が可能なことは、弊社の強みだと考えています。


さらに、国内外で年平均300件ほどの現場を抱えているため、国内外でのさまざまなレベルでの実証実験の機会が非常に多く得られることも挙げられます。


▲千葉県習志野市JR津田沼駅南口に位置する35ヘクタール(東京ドーム7.5個分)もの土地が舞台となった「奏の杜プロジェクト」 ※画像はプロジェクト座談会ページより抜粋


組田氏 : 私たちの技術センターでは、IT、AIやロボットの専門研究者はいないのですが、建築・土木の研究者が以前から業務の一環としてIT研究にも取り組んでいます。


まだパソコンがない時代に、マイコンを使った自動計測を作るといったことにはじまり、IT活用の研究を連綿と続けてきました。そのため、外部企業との共創でも「これを作っておいて」と丸投げするようなことはなく、一緒になって研究・開発していく文化が根付いています。これも共創を進める上では大切なポイントではないかと考えています。


▲1960年に創設された藤田組技術研究所から数十年にわたって知と技術を集積させてきた「フジタ技術センター」(神奈川県厚木市)

――海外の現場にもつないでいただけるということですが、どのようなエリアに進出なさっているのでしょうか。


君島氏 : 海外拠点は世界16箇所にあります。中国、タイ、マレーシアなどの東南アジア、インド、メキシコ、そしてアフリカなどです。とくに中国とメキシコでは、日系のゼネコンの中で弊社がトップシェアを誇っており、現地に深く根付いたビジネスをしている点が強みです。ちなみに、弊社の売上高に占める海外事業比率は約20%で、ゼネコン各社の中でも高い水準となっています。


ますますグローバル化が進む時代において、「フジタの海外チャネルを使いながら、自社のアイデアやテクノロジーの実証実験に取り組んでみたい」という企業の方々、さらに、SDGsの実現が大きな注目を集める中で「世界を舞台に社会課題解決に挑戦してみたい」という企業の方々にとって、大きなチャンスをご提供できる可能性も存分にあるでしょう。


▲フジタ 海外事業紹介Webサイトより

――最後に、共創を検討なさる企業の皆さんへのメッセージをお願いします。


小林氏 : 私はシリコンバレーにもよくいって、あちらのベンチャー企業の情報収集をして共創の可能性も探っていますが、そこで感じるのは、米国のベンチャーは短期的な視野での資金調達とエグジットを求める姿勢が強いことです。ですが、私たちは建設や街づくりという長期的な視野に立った事業を行っているため、長期的な視点での価値の共創ができる企業と、深くコミットできればと考えています。


君島氏 : 日本の少子高齢化は、ある意味で世界の最先端を走っています。中国やタイ、マレーシアなども、これから日本と同じような高齢化社会を迎えます。したがって、日本の社会課題を解決する技術や事業を開発できれば、それは後に続く諸国で生じる同様の課題も解決できる可能性が高いでしょう。そのような価値の高い挑戦を私たちと一緒になさってくださる企業のかたをお待ちしています。


組田氏 : 建設業界は、単に建物を作っているだけではなく、その維持管理、住民との街づくり、環境への配慮など、扱う範囲が非常に広範囲です。したがって、技術が適応できる機会も非常に多く、意外なところでお持ちの技術が活用できるかもしれません。はまる部分があれば、大きなビジネスのチャンスにもなりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

■取材後記


近年の建設業界の人手不足は新聞などでもたびたび報じられているが、それは東京オリンピック前の一時的な現象というより、日本社会の構造的な問題である。その問題に対してはさまざまな面でのイノベーションによる解決が求められていることを、強く実感させられる取材であった。


市場規模と波及効果の大きい業界だけに、フジタとの共創を通じて革新的な事業創造が実現できれば、それは共創パートナーにとっても大きなメリットをもたらしてくれるだろう。


(編集:眞田幸剛、取材・文:椎原よしき、撮影:齊木恵太)

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