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【熊本発、植物肉スタートアップのDAIZ】 シリーズAで総額6.5億円の資金調達を実施、農林漁業成長産業化支援機構など5社から

【熊本発、植物肉スタートアップのDAIZ】 シリーズAで総額6.5億円の資金調達を実施、農林漁業成長産業化支援機構など5社から

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大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)を開発・製造するスタートアップDAIZ株式会社は、シリーズAラウンドで、次の5社を引受先とする第三者割当増資により、総額6.5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先となったのは、株式会社農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタル株式会社、岡三キャピタルパートナーズ株式会社、株式会社ニチレイフーズ、株式会社果実堂だ。これにより、累計調達額は12億円となる。

大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)とは?

国連の推計によると、2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測され、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こると考えられている。タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が見込まれる。こうした中、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場規模は世界で9兆円になるとも言われている(UBS調べ)。

DAIZはこうした背景をふまえ、独自の技術で植物肉の開発を進めている。従来の植物肉に使用されてきた主原料は「大豆搾油後の残渣物」であった。そのため、(1)味と食感に残る違和感、(2)大豆特有の青臭さや油臭さ、(3)肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残り、本格的な普及の妨げとなってきた。これらの課題を解決すべく、同社は植物肉原料(ミラクルチップ)の開発に着手し、成功したという。植物肉原料(ミラクルチップ)の特徴はこうだ。

【特徴1】 旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現

味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(※1)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させる。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)(※2)にかけ、膨化成形技術(特許申請準備中)により、肉のような弾力と食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉原料(ミラクルチップ)の製造に成功した。

※1: 落合式ハイプレッシャー法とは、大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、大豆の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)

※2: エクストルーダー(押出成形機)とは、食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。

【特徴2】 独自製法による価格競争力

旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成している。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力がある。

【特徴3】 大学との共同研究に裏付けされた技術

共同研究機関として下記の大学と連携している。

●九州大学(松井 利郎 教授):植物肉原料に含まれる旨味成分の評価

●京都大学(後藤 剛 准教授):植物肉原料の栄養素の吸収性評価

●佐賀大学(穴井 豊昭 教授):非遺伝子組み換え大豆からオレイン酸リッチ大豆の育種

資金調達の目的

同社は今回調達した資金をもとに、DAIZの植物肉原料(ミラクルチップ)の生産体制の拡大と研究開発(R&D)を強化する。調達した資金は、主に下記の使用用途を予定しているという。

●日本初となる植物肉原料生産ラインの拡張 (特許技術「落合式ハイプレッシャー法」を活用)

●本物の肉の味に近づけるためのR&D (「AIプロファイリング技術」の開発)

植物肉の研究開発と生産供給体制の確立を目指し、年内に植物肉原料(ミラクルチップ)3,000トン/年の生産キャパシティの確保を目標にするという。

今後の展開

DAIZは、植物肉原料(ミラクルチップ)を提供するサプライヤーとして、大手食品メーカーや小売・流通企業への販売に主軸を置く。今後は、国内だけでなくグローバル展開も見据えて拡販していくという。また、事業拡大を通じて、牛肉・豚肉・鶏肉に続く第四の肉として、「植物肉を食す」という食文化の創出・浸透を図り、植物肉市場の発展に貢献していくとのこと。

なお同社は、2021年に熊本県内に国内最大級の植物肉工場建設を計画しており、2020年内にシリーズBラウンドの資金調達を実施する計画だ。さらに、「植物肉で世界を目指すスタートアップ」として、東京証券取引所マザーズ市場への早期の株式公開を目指しているという。

※関連リンク:プレスリリース

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