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ポーラ・オルビスグループ×豊田高専×DUMSCO | 熱中症リスク判定AI技術の社会実証試験へ、建設現場での有用性検証を計画

ポーラ・オルビスグループ×豊田高専×DUMSCO | 熱中症リスク判定AI技術の社会実証試験へ、建設現場での有用性検証を計画

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株式会社ポーラ・オルビスホールディングスのマルチプルインテリジェンスリサーチセンターは、グループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社とともに、豊田工業高等専門学校(以下 豊田高専)、株式会社DUMSCOと連携し、「顔画像から熱中症リスクを判定するAI技術」の有用性を建設現場で検証するための取り組みを開始した。2023年の夏に社会実証試験を行う計画で、共に試験を行う建設事業者を募集中だという。

顔画像による「熱中症リスク判定AI」を用いて建設現場での課題解決へ

ポーラ・オルビスグループでは、人や社会のwell-beingに広く貢献することを目指している。グループの研究を担うポーラ化成工業では、顔は心身の状態を映す鏡であるとの考えから、顔画像から心身の健康状態を推測する技術(※1)を構築するなど、顔解析の可能性を広げてきた。

そのような中、豊田高専が顔画像によるユニークな熱中症リスク判定AIの研究発表で受賞したことをきっかけに、将来的な事業連携も視野に入れて同校と議論を開始。議論を進める中で、顔をかざすだけという簡便性が建設現場においてメリットが大きいと考えたという。

建設現場向けのシステム開発を得意とする株式会社DUMSCOの協力もうけ、豊田高専の「熱中症リスク判定AI」を基盤技術として、年々深刻さを増す「建設現場での熱中症」の課題に取り組むことに合意したそうだ。まずは、今夏、有用性を検証する実証試験を行う考えだという。

実証試験イメージ

熱中症は、本人も周囲も気づかないうちに進行してしまうことが多く、人の目や主観だけでは気付きにくいことが問題だ。「熱中症リスク判定AI」は、カメラ型デバイスに顔をかざすだけで熱中症の発症リスクを客観的に検出できる。

機械の目も借りて未然に危険を察知することで、管理者が予防的に対処しやすくなるだけでなく、現場作業員の健康意識向上も期待できる。実証試験では建設現場の休憩所入り口など、作業員の導線上に専用のカメラ型デバイスを設置し、朝礼前や昼休憩前に使用してもらい、現場のニーズとの合致や有用性を検証したい考えだ(図1)。


熱中症リスク判定AIの受賞について(豊田工業高等専門学校)

第3回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2022(DCON2022)において、豊田工業高等専門学校の「熱中症リスクの判定AI」に対し企業賞が授与された。本コンテストは、ディープラーニングによる課題解決策を事業案として提出する一次審査、プロトタイプを製作し技術面での実用性を審査する二次審査を経て本選出場チームが決定されるなど、厳正に審査される。将来のものづくりを担う高専生を育てることを目指した大会だ。本技術をもとにしたカメラ型デバイス(図2)用いて、この度の社会実証試験を行う。


建設現場を取り巻く熱中症課題について

暑さと重労働が組み合わさると、熱中症が発症しやすくなることは想像に難くない。実際に、環境省による業種別統計報告では、建設業での発症数が最も多いことが分かっている(図3)。気候変動の影響で「建設現場での熱中症」は今後ますます深刻になると予想され、大きな社会課題であるといえる。

建設作業で熱中症が発症しやすい要因として、建築現場では夏場に日差しを遮るものが無い中での重い資材の運搬や全身運動など、身体的負荷の大きい作業が続くことが考えられる。現場監督者や作業員同士の声掛けなど未然防止の努力がなされているが、熱中症は本人や周りの人が気付かないまま症状が進行するケースが多いことに加え、大規模現場での作業員一人ひとりの健康把握の難しさや、日雇い勤務といった流動的な労働形態などにより、きめ細やかな対応が難しい面もあった。

そこで、人間の目の他に危険を予知できる仕組みが建設現場にあれば、熱中症を未然に防ぐ行動を促すことができると考えたそうだ。本プロジェクトで開発しているカメラ型デバイスは顔をかざすだけで熱中症リスクを判定できることから、建設現場環境で力を発揮すると期待される。


関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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コメント3件

  • 須原

    須原

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