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【ICTスタートアップリーグ特集 #31:矢風】0→1の事業立ち上げにイノベーションを起こす。矢風が提供するノーコード開発プラットフォーム『quiver』の革新性とは?

【ICTスタートアップリーグ特集 #31:矢風】0→1の事業立ち上げにイノベーションを起こす。矢風が提供するノーコード開発プラットフォーム『quiver』の革新性とは?

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2023年度から始動した、総務省によるスタートアップ支援事業を契機とした官民一体の取り組み『ICTスタートアップリーグ』。これは、総務省とスタートアップに知見のある有識者、企業、団体などの民間が一体となり、ICT分野におけるスタートアップの起業と成長に必要な「支援」と「共創の場」を提供するプログラムだ。

このプログラムでは総務省事業による研究開発費の支援や伴走支援に加え、メディアとも連携を行い、スタートアップを応援する人を増やすことで、事業の成長加速と地域活性にもつなげるエコシステムとしても展開していく。

そこでTOMORUBAでは、ICTスタートアップリーグの採択スタートアップにフォーカスした特集記事を掲載している。今回は、「ノーコードの生産性」と「プロコーディングの柔軟性」 が融合した自由度の高いノーコード開発プラットフォーム『quiver』を提供している株式会社矢風を取り上げる。『quiver』の特徴・強みや今後の事業の展望について、現役のプログラマーでもある代表取締役の高井氏に話を聞いた。

▲株式会社矢風 代表取締役・テクニカルクリエイター 高井昭彦 氏

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<スタートアップ解説員の「ココに注目!」>

■写真右/鈴木光平(株式会社eiicon TOMORUBA編集部)

・2023年10月に設立された矢風は、スタートアップのシステム開発・支援に特化したプロフェッショナル集団。現役プログラマーでもある高井氏が代表を務めています。

・同社が提供する『quiver』は、「ノーコードの生産性」と「プロコーディングの柔軟性」 が融合した100%自由なノーコード開発プラットフォーム。高度なサービス開発が可能でありながら限りなくハードルが低くなるように設計されています。

・代表・高井氏は、文系出身で0→1プロジェクトへの憧れからエンジニアを志望し、27歳から独学でプログラミングを開始。スタートアップのエンジニアを経て、フリーランスエンジニアとなり、その間にG'sアカデミーでLaravel講師も経験。「0→1プロジェクトのシステム開発」が自身の生涯のテーマと決めており、自由な発想でサービスをリリースするための支援ツールとして『quiver』を提供しています。

既存のノーコードツールが抱えていた大きな課題

ーーまずはノーコード開発プラットフォーム『quiver』を開発・提供した経緯についてお聞かせください。

高井氏 : スタートアップのサービス開発を支援したいと思ったからです。私はこれまで、0→1事業のシステム開発に特化したベンダーとして、様々なスタートアップを支援してきました。その中で、スタートアップのプロダクト開発には大きな課題があることに気づいたのです。

それは、少ないリソースで前例のないプロダクトを作らなければならないということ。これまでにないサービスを作るだけでもハードルが高いのに、それを開発できるだけの経験豊富なエンジニアも採用しなければなりません。

結局、経験が浅いエンジニアを集めて開発を始めるも、学習にコストと時間がかかり、プロダクトを作りきれずに解散する会社を多く見てきました。そのような現状を変えるためにノーコード開発プラットフォーム『quiver』の開発に着手したのです。

▲『quiver』の特徴は、「最大10倍の生産性」と「制約のない拡張性」。生成AIを組み合わせ、生産性を限界まで高めている。また、『quiver』は「矢筒」や「機敏に動く」といった意味を持つ言葉。アイデアを素早く形できる最良のツールを提供するという想いが込められている。

ーー『quiver』と既存のノーコードツールはどのような違いがあるのでしょうか。

高井氏 : 私たちが提供する『quiver』は、カスタマイズを前提にしているため、独創的なサービスも作れるのが大きな特徴です。一方で既存のノーコードツールは、予め用意された機能しか作れないものが多く、独創的なプロダクトを作るのが難しい。

カスタマイズを前提にしているというのは、コードを公開しているということです。そのため、簡単な機能はノーコードツールを使いながら、独自の機能はエンジニアが手を加えられます。これまでのノーコードツールのほとんどは、コードを公開していないためにカスタマイズができなかったのです。

唯一、コードを公開しているノーコードツールは、アプリに特化していますが、私たちの『quiver』はWebファースト。加えて、コード量を最小限に抑える技術を採用することで、カスタマイズしやすくしているのも差別化ポイントです。

ーー既存のノーコードツールは、なぜコードを公開していないのでしょうか。

高井氏 : いくつか理由はあると思いますが、最大の理由はコードをダウンロードされてしまうと、サービスを解約されてしまうからだと思います。コードさえ手元にあれば、サービスを継続する必要はありません。それを恐れてコードを公開できない会社が多いのです。

私たちはツールの提供だけに終わるのではなく、システム開発の体験そのものを変革します。プロトタイプはリードタイム0で提供し、すぐに動くものでの検証をスタート。一週間単位で、相談・検証・修正を繰り返します。また、必要に応じて、開発リソースの提供・教育も行います。

より良いプロダクト開発を目指して、“クライアントとのチーム化する”ことまでをスコープとしており、このような手厚いサポートがセットになっていることに価値を感じ、長く付き合っていただけると考えています。

ノーコードツール時代に求められるエンジニア像とは

ーー『quiver』が想定するターゲットについてお聞かせください。

高井氏 : 企業価値を高めるようなシステムを必要とするなら、どなたでも。スタートアップだけでなく、DX課題があるような一般企業を含め、新規事業の推進チームなど、より良いプロダクト開発に必ず貢献します。

システム開発は「作ってみないとピンとこない、作ってみたらダメだった」、という不幸なケースが多くみられます。事実、調査 (*一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会 - JUAS)によれば、システム開発の80%が失敗しています。

『quiver』は検証しながら開発を進められるので、ずれのない価値あるシステムを確実に提供可能です。

ーー簡単な機能をノーコードツールで作れるようになると、エンジニアの役割はどう変わるのでしょうか。

高井氏 : 簡単な機能はノーコードツールで開発しながら、これまでにない新しい機能や独創的なサービスを作るのがエンジニアの役割になっていくはずです。私はそれが本来のエンジニアがやるべき仕事、エンジニアの真髄だと思っています。

ノーコードやAIを含む自動化テクノロジーは、エンジニアにとって望ましいものです。ルーチンワークを自動化することで、“未来を作る”ような創造的な業務にフォーカスできるので。

人とテクノロジーの力を融合できるサービスを目指して

ーーノーコードツールが当たり前になることで、事業の立ち上げがどのように変わるのか聞かせてください。

高井氏 : 開発の負担が減るため、いかにユーザーに求められるサービスにできるかや、コンセプト作りや新しい機能を考えることが重要になっていきます。たとえばYouTubeのような動画配信サービスも、動画をあげて共有するだけなら高度な技術は必要はありません。

一方で、ユーザーがストレスなく動画を配信したり、効果的に広告を配信するには高い技術が求められます。そのようなサービスの細部をいかに作り込めるかが、今後は重要になってくると思います。

ーー最後に、『quiver』の将来像についても聞かせてください。

高井氏 : 現在は私たちが用意した機能を提供していますが、将来的には生成AIを使い、AIがコーディングしてくれるようなサービスを目指しています。AIだけで完璧なコーディングができるわけではありませんが、AIが生成したコードを人間がアップデートすることで、効率的にサービスを開発できるはずです。そのため、AIがエンジニアにとって代わるのではなく、人とテクノロジーがうまく融合できるようなサービスを目指したいと思います。

取材後記

経験豊富なエンジニアの採用はスタートアップにとって死活問題だ。どんなに素晴らしいアイデアがあろうとも、それを実現できるだけの開発リソースを賄えなければスタート地点にも立てないだろう。矢風が提供する『quiver』は、そのようなスタートアップにとって救世主になり得るサービスと言えるかもしれない。

※ICTスタートアップリーグの特集ページはコチラをご覧ください。

(編集:眞田幸剛、文:鈴木光平、撮影:加藤武俊)

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  • 奥田文祥

    奥田文祥

    • 神戸おくだ社労士事務所
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  • 眞田 幸剛

    眞田 幸剛

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2023年度から始動した、総務省によるスタートアップ支援事業を契機とした官民一体の取り組み『ICTスタートアップリーグ』。これは、総務省とスタートアップに知見のある有識者、企業、団体などの民間が一体となり、ICT分野におけるスタートアップの起業と成長に必要な「支援」と「競争の場」を提供するプログラムです。TOMORUBAではICTスタートアップリーグに参加しているスタートアップ各社の事業や取り組みを特集していきます。