AI(人工知能)の技術開発・ソリューション提供を手掛ける株式会社アラヤは、第三者割当増資により、総額約4.5億円の追加資金調達を実施したことを発表した。これにより今回のシリーズの資金調達額は、2019年7月22日発表分の約5.5億円に加え、総額約10億円となった。


エッジAI事業を手がけるアラヤとは?

通常、AIを動かすには大きな計算リソースが必要になるため、多くの場合クラウド上で行われている。しかし、クラウド経由での通信は時間がかかり、また通信環境に左右されるため、たとえば瞬時の判断が求められる自動車の自動運転などでは支障となるリスクがある。そのため、自動車など現場のデバイス(エッジデバイス)上でAIを動かすことが求められている。ただ、AIの演算量は膨大で、エッジデバイス上の小さなチップに載せることは困難だ。

この課題に対し、アラヤは精度はほぼそのままに、AIを1/4~1/16にまで圧縮・演算量を削減することのできる独自の特許技術を持つ。これにより、自動車・ドローン・スマートフォンなどでAIを動かすことが可能となる。また、AIの圧縮を自動化するアプリケーションの開発も進めているという。

現在の多くのAIでは、人が行っていた作業の手順を機械に教える必要がある。アラヤでは、深層強化学習を活用し、人が教えなくても、ロボットやドローンなどが状況を自ら判断し、与えられたタスクを遂行する(「自律的」に動く)ことができるような技術・プロダクトの開発を進めている。この技術と「エッジAI」により、これまで作業の自動化が難しかった分野についても、自動化を導入することを目指す。

▲アラヤの目指す自律AI


第三者割当増資の引受先

今回の第三者割当増資の引受先となったのは以下の企業だ。

● スパークス・グループ株式会社が運営する「未来創生2号ファンド」

● SMBCベンチャーキャピタル株式会社が運営する「SMBCベンチャーキャピタル5号投資事業有限責任組合」

● 住友商事マシネックス株式会社

なお、アラヤは住友商事マシネックス株式会社と資本業務提携を締結したことも同時に発表した。製造業を中心に、AIを利用したデジタル化の推進をともに担っていくという。


<住友商事マシネックス株式会社 代表取締役社長 佐橋 明三氏のコメント>

「この度のアラヤとの資本業務提携により、両社がぞれぞれの強みを活かし、取引先の皆さまに新たな価値を提供できるものと確信しております。産業界に存在する様々な課題に対応し、解決に貢献する事が弊社の会社使命と考えております。アラヤの先進的なAI技術を駆使し、産業インフラの高度化、安定化に、住友商事グループのネットワークを最大限に活用し貢献して参りたいと思います」


資金調達の目的

調達した資金は、主に「ディープラーニング」や「エッジAI」「自律AI」など、最先端のAI技術の開発強化、それらを活用したプロダクトの開発、および海外展開の推進に活用する。これらの事業拡大に向け、エンジニア・ビジネスディベロップメント、さらに財務・管理体制の強化のためCFOも募集する。また、2019年9月30日には港区赤坂へオフィスを移転し、オフィス面積を従来の2倍以上に拡張。より多くのエンジニア・スタッフの採用による開発・営業体制の強化をするための準備を整えたという。


※関連リンク:プレスリリース

(eiicon編集部)