東京建物株式会社は、世界最先端の植物工場で国内外から注目を集めるスタートアップ・株式会社プランテックスおよび料理人支援やレストランプロデュースをはじめとした食文化産業の領域においてユニークな取組みを行う株式会社ケイオスと連携し、「食」に関わる社会課題解決のための実証実験・社会実装の場として、「TOKYO FOOD LAB(トーキョーフードラボ)」(以下「本施設」)を東京・京橋に開設する。


取組みの背景と目的

現在、人類は世界的な人口増・気候変動に伴う食糧危機、水不足、海洋マイクロプラスチック等の食の安全性等、食に関わる世界共通の様々な社会課題に直面している。その状況に対応するべく、「植物工場」「代替肉・培養肉」「昆虫食」等の食の生産方式におけるイノベーション=フードテック等のテクノロジー・サイエンスの社会実装研究が世界中で広がっている。

一方、シェフ等による食の調理・クリエイティブの分野でも、美味しい料理を作るだけではなく、社会課題の解決にも取組みが広がっているが、それらの活動を一体的に進める事例はまだ多くない。同施設は、テクノロジー・サイエンスによる新しい食の生産方式の取組みと、日本や世界で活躍するシェフや様々な専門家等による新しい調理方法や食の楽しみ方等のクリエイティブな取組みを融合することにより、世界の食をアップデートし、世界共通の社会課題の解決や、SDGs に対応したまちづくりの実現およびイノベーション・エコシステムの形成を目指すという。


「TOKYO FOOD LAB」の概要

同施設には、1階はプランテックスが運営する世界トップレベルの高い生産性を誇る植物工場兼研究施設「PLANTORY tokyo(プラントリー トウキョウ)」、2階にはケイオスが運営する食にまつわる知見を共有・体験できるイノベーティブコミュニティ拠点「U (ユー)」にて構成される。(取組みの詳細は後述参照)

 http://www.tokyofoodlab.jp/


世界最先端の植物工場「PLANTORY tokyo(プラントリー トウキョウ)」

プランテックスは、2019年8月1日に世界最先端の植物工場兼研究施設「PLANTORY tokyo」を「TOKYO FOOD LAB」内にオープンした。ここに実装される新設備では、従来の植物工場方式と比較して5倍を超える世界トップレベルの高い生産性が特長。

FAO(国際連合食糧農業機関)によると、2050年には人口が90億人を超え、世界の食料が不足すると予測されており、現在の1.7 倍の食料生産が必要だと言われている。そこでプランテックスは独自のAI 技術と閉鎖型装置を活用して、光・空気・養液を均一かつ最適に管理・制御することに成功し、高い生産性を実現した。

また、生産性だけでなく味や栄養価のコントロールにも取組んでおり、今後世界をリードする新たな植物工場を展開し、人類の食料・栄養問題解決に貢献していくという。

<世界唯一のプランテックスの技術力>

プランテックスは、一般的な植物工場が管理している、温度、湿度、CO2 濃度などの「状態変数」だけでなく、光合成速度、光子吸収速度、CO2 吸収速度、吸水速度など、植物の成長速度に関係する「速度変数」で成長制御をしている。それを実現する植物成長制御クラウドシステム「SAIBAIX」を従来の植物工場に導入したところ、植物の収穫重量が2倍に増加した。またハードウェアでは、「光・空気・養液」を20以上のパラメータに分け、それらを個別に制御できる世界初の閉鎖型植物生産機「Culture Machine」の開発に成功している。

この「SAIBAIX」と「Culture Machine」を連動させた「PLANTX Platform」で、従来の植物工場方式と比較して5倍の収穫重量(面積生産性が5 倍)を実現(プランテックス比)。

今後は、味や植物に含まれる成分などを制御するパラメータの研究を一層進めていく。成分レシピをコントロールすることで、「ビタミンが多く含まれるレタス」というように用途に応じた栽培が可能になるという。


食のイノベーティブコミュニティ拠点「U(ユー)」

ケイオスは、2019年9月3日に食のイノベーティブコミュニティ拠点「U」を「TOKYO FOOD LAB」内にオープンする。八重洲・日本橋・京橋エリアは、これまで日本の交通のハブであり、東京駅に近接する地理的環境から、企業の本社や東京支店等が集積するビジネス街として発展してきた。その歴史と伝統を継承しつつ、ビジネスパーソンだけではなく、そこにくらす人、訪れる人を含めた、新たなコミュニティを大切にしていく。それにより、ビジネスが芽生え、人が訪れ、交わりながら、くらす人の生活も豊かになるという、街としての新しい価値が育つ場を創出する。

「U」は食に携わる地域の人々、街を訪れる多様な人々と繋がり、「世界の食をアップデートする」をテーマに、世界共通の社会課題解決のために、新しい調理方法や食の楽しみ方などに関する知見を共有し、体験できる「場」となるという。


東京建物の取組みについて

・八重洲・日本橋・京橋地区における東京建物のまちづくりについて

企業の活動がグローバル化する中、国際都市間競争はますます激しくなっており、その中でも、企業の事業成長を促すイノベーション・エコシステムの存在とその広がりが企業立地の決定要因として注目されている。東京建物は、八重洲・日本橋・京橋地区におけるイノベーション・エコシステムの形成に向けて、2017年7月より多様な働き方に対応するためシェアオフィス「プラスアワーズ」を展開、2018年4月にはスタートアップ集積の拠点として「X-Bridge Tokyo」を、2018年12月には持続可能な都市・社会づくりのためのオープンイノベーション拠点として「City Lab TOKYO」を、そして「食のコンテンツ」を通じたコミュニケーションの創出を促すシェアキッチンスペースとして2019 年2月に「Kitchen Studio SUIBA」を開設・運営してきた。

今般、「食の未来」に着目し、食に関わる社会課題解決のための具体的な実証実験・社会実装の場として開設する「TOKYO FOOD LAB」と連携することで、そのエコシステムを更に充実させていく。

▲八重洲・日本橋・京橋地区 ※白の吹き出しは東京建物が手掛ける施設


<スタートアップへの支援・提携について>

オープンイノベーション促進などの観点から、東京建物はスタートアップへの支援・提携も積極的に行っている。前述のスタートアップ集積拠点「X-Bridge Tokyo」では、XTech 株式会社と共同でスタートアップの成長支援・事業連携を行っているほか、2018年11月には国内最大級のスペースの時間貸しと宿泊のプラットフォームを運営する株式会社スペースマーケットと資本業務提携を実施、2019年4月には「City Lab TOKYO」にてサステイナビリティ特化型ベンチャー6 社と、サステイナブルな社会の創造とベンチャービジネスの成長の実現を目指すベンチャーコミュニティ 「City Lab Ventures」を発足している。


「八重洲・日本橋・京橋エリア」と食文化について

かつて日本橋と江戸橋の間の日本橋川沿いには「魚河岸」という魚市場が、「京橋」が架かっていた京橋川沿いには「大根河岸(だいこんがし)」という青物市場があり、1935年の築地市場の開場まで実に約300年間、江戸・東京の人々の食生活を支え続けた。長い歴史の中で、新しいもの好きで初物に目がなかった江戸っ子の欲求や、大正や昭和の時代には周辺地域のレストランや料亭の厳しいリクエストに応えるなど、食品流通の最先端を切り開いてきた歴史がある。それらの街の歴史を背景に、八重洲・日本橋・京橋エリアには歴史ある老舗・名店から新進気鋭のお店まで、世界各国や全国各地の郷土料理まで、様々なお店が数多く集積し、懐かしさと新しさが混在する多種多様な界隈性のある場所となっている。同時に、食関連の老舗企業やフードテック等のスタートアップも数多く拠点を構えている場所でもある。


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(eiicon編集部)