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【連載/4コマ漫画コラム(21)】ビジネスコンテストへの挑み方① 戦略磨きと出会いのために


斜に構えずに&小金箔を目的とせず

「ビジネスコンテスト」や「ピッチコンテスト」と呼ばれる新規事業のプレゼン大会が花盛りです。本当にあちこちでしょっちゅうやられている印象です。ちなみに、最近よく使われる「ピッチ」という言葉は「pitch(野球などでの”投げる”)」で、営業トークなど短い言葉をお客様に「投げる」という意味で、短いプレゼンテーションのことです。

壇上で次から次に、ベンチャーやベンチャー設立前のチームなどが、自分たちがやろうとしているビジネスの説明を行って、アドバイザーや会場からコメントや質問をもらって、時にはその中から優秀なものなどが表彰されるのが「ビジネスコンテスト」、略して「ビジコン」。

大抵、参加は無料。アドバイスももらえるし、もしかしたら賞金までもらえたりするお得なイベントです。ただ、一方で、ビジネスコンテストで賞をもらうことだけを目的とすると、「どういうプレゼンをすれば受けるのか」という矮小なスキルだけを身に着けることになって、本来の「やりたいビジネスを加速するためのもの」にならない、という負の側面もよく指摘されています。ただ、何事もそうですが、批判するより活用する方がいい。「ビジネスコンテストなんてね」なんて斜に構えると一見カッコイイように見えますが、せっかくだからいい点を思いっきり活用しましょう。

まず、「活用する」ために、ビジコンに参加する目的をはっきりさせることが重要です。大きな目的は「やりたいビジネスを加速する」ことのはずです。賞金という小金を手に入れることや賞を取って箔をつけること(合わせて「小金箔」(^o^;))が「目的」になっちゃうのはよくありません。あくまで副産物。

ビジコンでアナタのビジネスを加速するのは「戦略を磨くこと」と「出会い」です。そのためにビジコンを活用しましょう。


戦略を磨くのにお得

多くのビジコンでは、発表会の前にメンター(アドバイザー)を各チームにつけて、プレゼン内容を良くするための時間を持ちます。メンターはそれなりに様々な経験をしてきた人たちです。個別に頼むと結構なお金がかかりますが、ビジコンに参加されるとタダでアドバイスを受けられます(お得!)。メンターは主催者側から謝礼をもらう場合が多いですが、はっきり言って、安くて割に合う金額ではありません。それでもメンターを引き受けるのは、「若い人たちを応援したい!」というかなり純粋な気持ちからです(本当ですよ。安いのも本当です……)

メンターと一緒に、戦略を磨きましょう。自分たちだけではなかなか気が付かない視点での指摘をしてくれたり、考え方を教えてくれたりします。もちろん、運が悪いと質の悪いメンターに当たってしまうこともあるようですが……。どういうメンターを選ぶのか、頼めるのか、がビジコンの主催者側の力量の表れだとも言えます。


出会いには小道具も

そして、「出会い」。相性がいいメンターに出会うと、ビジコンが終わってもずっと一緒にやる、ということも時々起こります。

また、ビジコンの場でのプレゼンを聞いて、興味を持ってくれるVC(ベンチャーキャピタル)とも出会うチャンスが広がります。そして、ベンチャーにありがちなメンバー不足を補う「仲間との出会い」も期待できます。

そういう出会いを作るためには、単にプレゼンを滞りなく時間内に終わらせればいいというものではありません。むしろ、勝負はプレゼンの後。ポスター展示や交流会/立食パーティがプレゼンや表彰の後の時間に設定されていることが多いので、そこが勝負の時間です。プレゼンだけやって、交流会/立食パーティは参加しない、という方が時々いますが、むちゃくちゃもったいない。ビジコンの価値の半分以上を失ってしまっていると断言できます。

そして、「プレゼンの時間に自分は発表したのだから、覚えてくれているはずだ」と思ってはいけません。沢山のプレゼンを聞いて、誰がどのテーマだったかなんてしっかり覚えている人は、まずいないと考えた方がいいです。そのために、大きな名札を自作して持っていきましょう。主催者がくれる名札は大抵小さくて、かつ、社名と名前くらいしか書いてありません。これでは「思い出してもらう」「話のきっかけをつくる」のに役に立ちません。

「社名と名前」に加えて「テーマ名」や「キャッチーな一言説明」を入れた大き目の名札を持参しましょう。そして、名刺も、ビジコン用の特別なものを作りましょう。

名刺の大きさだけれども、実質は自分の会社やテーマのミニカタログと言えるようなものを作りましょう。そして、自分の顔写真は必ず入れましょう。名刺用の印刷用紙(A4で10枚作れる)が売られているので(なんと100円ショップでも売っています。100枚の名刺分で100円なので、名刺一枚が1円!)、自分でパソコンで色々な情報を入れた名刺を作りましょう。これは非常に大事で、効果も抜群です。

加えて、簡単でもいいのでホームページも必ず作りましょう。ネット検索をして、ホームページにたどり着いて、連絡してくれる……なんてことは滅多に起こりませんが、ビジコンで知り合った人が、誰か他の人にアナタやアナタの会社を紹介したいときに、「このURLを見れば分かるよ」と紹介しやすいようにするためです。これがあるかないかで、その後の「出会い」の広がり具合は全く違ってきます。

「ビジコンに参加するのは色々やらなきゃいけないみたいで大変だな」と思われるかもしれません。そうです。はっきり言って、結構大変です。うまくやれば、その大変さを上回る「ビジネスの加速」が得られます。ただ、「ビジコンに参加したせいで、『忙しくて困った(busy 困)』」とかにならないように。


■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。

瀬川秀樹先生連載/4コマ漫画コラム