株式会社ニコン(以下、ニコン)と、その子会社Nikon Instruments Inc.は、製薬企業、バイオベンチャー企業の創薬研究を支援する「創薬支援サービス」や、製品のデモンストレーションを行う「Nikon BioImaging Lab」を米国ボストンに開設、2019年7月より営業を開始すると発表した。ユーザーニーズにあわせ、ニコンの持つライブセルイメージング技術や画像解析技術を用い、効率的な医薬品創出に貢献していくという。


■ラボ設立の背景

創薬研究では、患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から誘導した細胞を含め、さまざまな細胞を用いて、病気のメカニズムや薬の作用機序(※1)を解明する研究が行われている。新薬候補となる化合物の安全性や効果などを正確に評価することは、有用性の高い化合物を探索、創出するために非常に重要だ。

※1:作用機序とは、薬剤が効果を発揮するためのメカニズムのこと

ニコンが培ってきたライブセルイメージング技術は、生きた細胞の機能や状態変化を可視化し、画像情報とする技術だ。この技術を使用して情報を数値化し、解析することは、創薬研究に用いられる各種細胞を均質的、安定的に製造する工程の立ち上げ、運用などに有用だと考えられる。加えて、候補薬に対する生細胞の経時変化を観察することで、より細かな情報を評価に活かすことができる。

今回、製薬企業やバイオベンチャー企業のバイオクラスターであるボストンに「Nikon BioImaging Lab」を開設した。同ラボでは、ユーザーごとのニーズにあわせ、創薬の基礎研究や候補薬を探索するスクリーニング、細胞の培養条件の最適化などを幅広くサポートする「創薬支援サービス」を行っていく。

ニコンは、ライブセルイメージング技術を活用した細胞培養観察装置「BioStation CT」や、細胞の製造プロセス全体を統合的に管理する「細胞品質・培養プロセス評価システム」などの提供を通じ、創薬研究の加速化や再生医療の実用化に貢献していくという。


■ラボの特徴

1. カスタマイズによる創薬アッセイの構築

ライブセルイメージング技術を用い、均質で安定的な細胞の製造工程立ち上げや、運用管理から創薬アッセイまで、適切な評価方法を構築、提供。また、細胞の特徴を数値化し、細胞評価のための解析アルゴリズムの構築を行う。ユーザーの要望、用途にあわせ、アッセイに用いる細胞の培養や創薬アッセイの受託も可能。

2. 定型的な創薬アッセイの実施

さまざまな細胞の特性にあわせ、最適な創薬アッセイを構築する。ユーザーにかわり、当施設で定型的な創薬アッセイを実施し、効率的な創薬研究をサポートする。

3. 細胞の画像取得や画像解析の実施

ニコンの観察機器を用い、各細胞にあわせた適切な観察条件の設定を行うことで、細胞の特徴を適切にとらえた画像を取得したいというニーズにこたえる。また、細胞の特徴を画像データとしてとらえ、評価用途に適した解析アルゴリズムの構築などを行う。

4. 製品デモンストレーション

創薬研究に有用な、ニコンのさまざまな機器を設置。製品に触れていただく機会を提供する。


<「Nikon BioImaging Lab」 概要>

所在地:21 Erie St, Cambridge, MA 02139, U.S.A.

※主な設置資材:細胞培養観察装置「BioStation CT」、細胞観察装置「BioStudio-T」、研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」、培養倒立顕微鏡「ECLIPSE Ts2」など

※施設の見学およびデモンストレーションは、事前予約制


※関連リンク:プレスリリース

(eiicon編集部)