一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(以下、こゆ財団)は、株式会社ガイアックスの出資先であり、農業人材のシェアリングを推進する株式会社シェアグリと提携し、宮崎県新富町での農作業マッチング強化をスタートした。

シェアグリの提供するサービスは、農家が抱える短期雇用ニーズと、農業に興味を持つ人とをマッチングするもの。こゆ財団では今後、新富町の農業人材不足を解消するとともに、農業を通じた関係人口の創出・拡大、AI・IoT・ロボットなどのスマート農業のシェアリングにも取り組む。


特徴:短期雇用のニーズと農家の人手不足をマッチング

「シェアグリ」は、農業に特化したデイワークアプリとして、株式会社シェアグリが2019年7月16日にリリースしたサービス。農業体験をしたい人と、人手を必要とする農家をマッチングし、人手不足の解決につなげることを目的としていて、現在は千葉県や長野県など全国10県・累計50軒の農家の求人を取り扱っている。

農家が出す求人は、繁忙期の作業者を募集する「超短期求人」となっていて、利用者は農作業を楽しみながら給料を得ることができる。また、アプリを通じて農家との継続した関係が生まれ、関係人口創出にもつながる。

こゆ財団は今回の提携を機に、新富町の行政や農家、地域住民とシェアグリ利用者をつなぐコーディネーターとなる。また、提携の一環として株式会社シェアグリは宮崎県新富町内に2019年10月に拠点を開設し、マッチングを検証していく。

こゆ財団が主宰するスマート農業研究チーム「儲かる農業研究会」には若手農家や農業ベンチャーらが参画していて、現場への迅速なサービス導入や実験着手が可能。


背景:伸び悩む新規就農者数。既存人材の短期雇用ニーズとのマッチングにチャンス

総務省の資料によると、平成7年に256万人だった基幹的農業従事者数は、平成30年には145万人にまで大幅に減少している。また、基幹的農業従事者の年齢構成は、65歳以上が98.7万人(68%)なのに対し、40代以下が15.2万人(11%)と、高齢者に偏りが見られる。

この状況に対し、農林水産省「農林水産業・地域の活力創造本部」は、新規就農して定着する農業者を倍増し、2023年に40代以下の農業従事者を40万人に拡大するという目標を掲げ、さまざまな施策を行っている。しかしながら、実際は平成25年で31万1,000人、平成29年で32万6,000人と微増(4.8%増)にとどまっており、担い手不足の解消は容易ではない。

同様の課題を抱える新富町において、こゆ財団は短期雇用のニーズが町内の主婦層にあることを把握しており、繁忙期の農家とのマッチングの機会をうかがっていた。こゆ財団が主宰するスマート農業研究チーム「儲かる農業研究会」で地元農家にシェアグリのサービスを紹介したところ、ぜひ導入したいとの声が上がったことから、今回の提携にいたったという。

新富町ではスマート農業の先進地を目指し、AI、ロボットなどの研究開発や実証実験が盛んに行われている。こゆ財団では、ここで開発された先進技術の地元農家によるシェアリングも視野に入れている。


今後の展望:農業課題の解決にシェアリングエコノミーを活用

こゆ財団は、シェアグリとの提携を機に、人材不足に止まらない農業課題の解決にシェアリングエコノミーを活用するモデルの確立を目指す。具体的には以下のような事業の確立と拡大を見据えており、主体となって運営するベンチャーやスタートアップの誘致、人材の育成なども積極的に行うという。

また、シェアグリの活用によって生まれる関係人口のさらなる拡大にも取り組む。

*農業機械のシェアリング(トラクター、コンバインなど)

*作業者のカーシェアリング(軽トラック、軽ワゴンなど)

*農園のシェアリング(体験型観光のコンテンツとして)

*先進技術(AI・IoT・ロボットなど)のシェアリング

*クラウドファンディングの活用(新規就農支援など)


ふるさと納税寄附額を2年間で約5倍に伸ばした地域商社「こゆ財団」

2017年4月に宮崎県児湯郡新富町が旧観光協会を法人化して設立した地域商社。「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、1粒1,000円のライチに代表される農産物のブランディングを通じて『特産品販売』を行い、得られた利益で『人財育成』に投資している。ふるさと納税では、設立前の2016年度が4.3億円だった寄附額を、2017年度に9.3億円、2018年度には19億円まで伸ばすことに成功した。


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(eiicon編集部)