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【連載/4コマ漫画コラム(35)】 事業を生み出せる人になるために、30代のうちにしておきたい7つのこと


《まずは『実は』》

今回のお題に入る前に、「それを言ったらおしまいよ」的なことを書いてしまいます。

そもそも、事業を生み出している人の多くは20代までに起業しています。そして、様々な経験をして、更なる新たな事業を生み出し続けます。

日本の大企業では、「若手」と言った場合、下手をすると40才前後の人達を指します。シリコンバレーなどでは「既に終わっている」年代です。やるのだったら早い方がいいに決まっています。そして、いつでも「始めればいい」ので、「30代のうちの準備」なんて関係ないのです。

おしまい!

……としてもいいのですが、今回は主に大企業などに勤めながら「そのうち絶対新規事業を興すぞ!」と「絶対」という強い気持ちを持っている方へのメッセージです。

(「そのうち」とだけ思っていると、ずうっと「そのうち」で、気がつくと定年です。)


1.世界の大きさを保ち、広げる

まずは、超当たり前のことから。

会社に入って数年~十年くらい経つと、それなりに仕事もできるようになり、会社での日々の仕事そのものが人生の中心のような気がしてきて、「最近本を読んでいないなあ」「会社以外の人と飲んでいないなあ」とかになってしまっていて、どんどんと世界が狭まってしまいがちです。

「本・映画・色々な人」に出会い続けるのが大事です。その際、本で言うと、今はアマゾンなどのネットで買ってしまうことが多いのですが、ネット購入だと「これを買おう」と思ったものにしか目が行きません。たまには本屋に行ってウロウロしてみましょう。思わぬ「セレンディピティ」が必ずあって、世界が広がります。映画もネット配信だとなかなか「思わぬ映画」に出会えません。予告編はそのためにも大事です。映画館に行くか、予告編が入っているDVDを見ましょう(で予告編をスキップせずに)。


2.毎日、企てる

「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られないように(チコちゃんに)、毎日、あれこれ無駄に思えるほど頻繁に「企て」ましょう。ちょっとしたことでいいのです。いつもの電車の改札口で左手で定期券をかざすようにして体をひねって体幹を鍛えるようにしてみるとか、THETA(全天球カメラ)を拳銃のようにサッと取り出せるベルトにつけるホルダーを作ってみるとか(実際に私は作りました<下写真>)、水槽のコケの掃除に100円ショップでお好み焼き用の金属ヘラを買ってきて使ってみるとか、同じ車両の中で何パーセントの人がスマホをいじっているかの統計を一週間取ってみるとか。

「企て」の癖は「事業を生み出す」ための必須要件です。

また、「企て」より前にやることですが、「物事を天邪鬼的に考える」のも大事です。「当たり前」とテレビやニュースや会社で言われていることが「ほんとかな?違うのじゃない?」と考える癖をつけましょう。ネタは山ほどあります。その視点が行く行くは事業の種になります。


3.空気を読まずに発言する

30代ともなると、会社のしきたりや空気感が身に沁みついて、会議などでの発言も控えがちです。「若気の至り」のような無意識での発言はなかなかできなくなっているので、意識して「とにかく発言」するようにしましょう。「変なコト言ってしまったらどうするのだ」とかは考えなくて大丈夫です。

むしろ「変なコト」を言うくらいの方が「こいつ、ちょっと変わっているな」という印象となり、何か「新たなコト」が起こるときに声がかかるようになります。同じ部門の会議だけでなく、上司などと同席する他部門との打ち合わせなどが特にチャンスです。部門を越えて知ってもらえるようになります。


4.勝手に未来を議論する

2であれこれ作った「企て」も、自分の心の中に留めていては、それほどいいアイデアには発展しません。一番いいのは、アイデアを他の人に紹介して、議論することです。

それもまだまだ生煮えの状態の「企て」ですから、「まっとうな批判をしてくれる人」というよりは、面白がってくれたり、なんとなく気持ちが通じる仲間と議論するのがいいでしょう。とりあえず、同年代でもいいし、ちょっと年上でも話したくなるような雰囲気を持った人をつかまえて「ちょっと話を聞いてくれません?」と時間をもらうことから始めましょう。

そうこうしているうちに「会社の未来」や「新しい事業」を議論できる仲間ができてきます。そうしたら、できるだけ定期的に「(業務としてではないけれど)勝手に会社や事業の未来を議論する会」を行いましょう。就業時間でできなければ飲み会を兼ねてでもいいです。この仲間が、その後何年か経って本当に新規事業を立ち上げる時に強力なネットワークになります。

また、会社によっては、「会社の未来を創る」というような社内の部門横断の委員会などが行われるので、こういう活動に積極的に参加しましょう。放課後活動として、社外でやっているアイデアワークショップイベントみたいなところに顔を出すのもいいでしょう。「忙しいから無理」なんていっていると、「忙しいまま」「何も起こらずに」会社人生は終わります。


5.やって怒られてみる

「企て」ても何もやらなければ、「言うだけの外野からの評論家」になるだけです。最悪なのは、他の人が提案するアイデアについて、「それは私も考えたことがある」というセリフを癖のようにいう人です(多い……)。

そうならないためには、とにかく小さな一歩でよいので何かやってみましょう。ちょっとしたプロトタイプを作ったり、ユーザーの声を聞きに外出したり、という類です。その際、小さなことなので、いちいち上司に許可を取る必要はありません。ただ、心づもりとして、「こりゃ何か怒られるかな」とは思っておきましょう。そうやって心の準備ができていたら、実際に上司から怒られたり小言を言われても「やっぱり怒られたわい」で済みます。そしてめげずに常に「企て」→「やる」を続けましょう。


《そして「あちらから」やってくる》

冒頭に書いたように「事業を興す」のはいつでもできます。ただ、せっかく会社に勤めているので、会社のリソースを活用した大きな事業を興せる可能性があります。そういうチャンスが、ここまで書いたようなことをやっていると、「あちらから」やってきます。(正確には「やってくる可能性が他の社員よりかなり高くなります」)。

そして……


6.考えずに飛び込む

のです。社内ベンチャー公募や、新規事業立ち上げのメンバー募集など、何か「これかも」と思ったら、すぐ手を挙げて飛び込んでしまいましょう。ここまでやってきた「企て」や「議論」のおかげで、一見「突然のチャンス」に見えても、実は心の奥深くでは充分準備ができているので、自分の直観で即決しましょう。


7.自分のもの(なのでお好きなように)

色々それらしいことを書きましたが、結局は自分の人生。上司とかコラムを書いているオジサンの言うことなんか聞かずに自分の道を行くことです。

以上、タイトルになりやすい「7つ」に無理やりしてみました(^o^;)。



■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。

瀬川秀樹先生連載/4コマ漫画コラム