TOMORUBA

事業を活性化させる情報を共有する
コミュニティに参加しませんか?

AUBA
  1. Tomorubaトップ
  2. ニュース
  3. 【連載/4コマ漫画コラム(54)】 新規事業を進めるためのルールとの向き合い方
【連載/4コマ漫画コラム(54)】 新規事業を進めるためのルールとの向き合い方

【連載/4コマ漫画コラム(54)】 新規事業を進めるためのルールとの向き合い方

  • 810
  • 807
2人がチェック!

ルールがあるからダメ、と諦めたら

新規事業を前に進めようとすると色々な壁にぶつかります。予算の壁、組織の壁……そしてルールの壁。何かしようとすると、「それはこのルールがあるからダメなのじゃない?」とか「それって先日出た社内通達ルールに反していない?」とかいらぬおせっかいをしてくる人がいたり、ルールを盾に協力をしないロジックを組む人がいたりして中々前に進めません。

「ルールがあるからダメかあ」と諦めるのは簡単ですが、新規事業は「諦めないでなんとか足掻いて前に進む」しかありません。「できないかも」「諦めても仕方がないかも」と思えてしまうことばかりが発生するので、簡単に諦めてしまうと、どんどんネタを捨てるだけの毎日になってしまいます。そして何も生まれない日々が続いてしまいます。

マンガに書いた3つの種類のルールごとにお話ししましょう。

①破っても無視しても何も起こらないルール

「そんなルールってあるのかよ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は多くのルール(と呼ばれているもの)はこの類です。

どうやって見極めるかというと、「自分で考えること」です。「なんでこのルールがあるのだろ?」「このルールを破ると何が悪いのだろう?」と。そして、「悪いことでないじゃん」と思ったら、実際に「無視してやっちゃう実験」を行ってみます。すると、あら不思議。何も起こらないことが多いのです。

もしかしたら管理系の部署から「XXルールを守ってください」という注意くらいはくるかもしれませんが、それもしばらく無視しておきましょう。どうしてもしつこく注意がくるようなら「どうしてこのルールがあるのですか?」と聞いてみると、大抵は「昔からそうなっている」という類の答しか返ってきません。それって理由にもなっていなくて単なる思考停止です。どこまで無視するとどうなるかの実験を継続しましょう。思考停止の仲間にならないために。

②仲間になってもらってルールを一緒に変える

新規事業は「新規」なので、ルール自体も「新規」であることが求められることがよくあります。例えば、品質保証のルール。既存事業で培われた歴史をベースに品質保証のルールが構築されています。そのルールをそのまま新規事業に当てはめようとすると無理がでてくることが頻繁に起こります。

そこで、(例えば)「品質保証のことが良く分からないので、今回のこの新規事業のための品質保証ルールを一緒に考えて欲しいのだけど」というような感じで、既存事業の品質保証担当の方にお願いするのです。

たいていは、「いやいや、このルールは会社のルールだから、これに従ってもらわないと」という話から始まりますが、心を込めて何度も相談していると、「じゃあ、一緒に考えてみようか」と言ってくれる人が現れます。

③人間として悪いことをしない

超当たり前です。

でも、それができない人が不正行為やパワハラ・セクハラをしてしまいます。子供の時にはみんなテレビとかで「正義のヒーロー」にあこがれるもので「大人になったら不正行為をしてやろう」とか「大人になったらセクハラを楽しもう」なんて思う子供はいません。どこかで人間としておかしくなってしまったのでしょう。可哀そうで悲しいことです。

最近一般用語化したコンプライアンスは、ほぼこの「人間として悪いことをしない」ということで問題が防げることばかりです。会社でなくとも、社会に生きる普通の人はそういう倫理観・道徳観をベースに過ごしてさえすれば、犯罪を犯すことはありません。ルールがあるから犯罪を犯さないというのであれば、全ての人が六法全書とかをしっかり読み込まないと生活ができないことになります。そんなことはありません。

では、どうすれば倫理観が構築できるのか。とても難しい問題です。ただ、頻発するいわゆる「会社ぐるみの犯罪」を見ていて思うのは「個が確立していない」もしくは「個を失ってしまった」ことが原因だと思われます。悪いものでも長いものに巻かれるのが生きる道と、個の倫理観・道徳観を捨てるとおかしくなった全体(会社など)に加担することになってしまいます。だいぶレベルが違う話ですが、新規事業に必要なのは個のやる気とエネルギー。そして、個の倫理観・道徳観が必須です。

とは言っても……

「ルールってここに書かれていた3つの類しかない、というのには賛同できないな。どうしてもイヤでも従わざる得ないルールもあるでしょ。自分の倫理観とか道徳観に明確に反するものではないにしろあまり納得できない類で」ということを思われる人もいらっしゃるかもしれません。

でも、そう思うようなルールが障壁になった時に、今一度3つの類のどれかを考えてみてください。「どうしても」と思考がなってしまっていますが、本当に「どうしても」でしょうか?「こうすればできるかも(①か②)」と考えるのを捨てていませんか?しつこくしつこく考えて諦めずに足掻いて、道を見つけてください。

悪いことをしなければ大丈夫です。私もこうやって元気に生きていますので(^o^;)


■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。

▼これまでの4コマ漫画コラムがアーカイブされている特設ページも公開中!過去のコラムはこちらをご覧ください。

新規事業創出・オープンイノベーションを実践するならAUBA(アウバ)

AUBA

eiicon companyの保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、オープンイノベーション支援のプロフェッショナルが最適なプランをご提案します。

チェックする場合はログインしてください

コメント2件


シリーズ

瀬川秀樹先生連載/4コマ漫画コラム

どこかで聞いた事のある?!そんな事例を漫画コラム化にて紹介・解説!役立つ情報満載の瀬川秀樹先生連載コラム