困ったときは頼んじゃう

「地域活性」や「地方創生」はとても大事で大きな課題で、様々な視点やアプローチがあり、沢山の活動が行われている領域です。そして本当に沢山の専門家の方々がいます。

私は専門家ではありません。本当にわずかにこの領域に携わった経験がある程度です。今回のお題をいただいた時は「どうしようかなあ」と正直困ってしまいました。

ウンウン考えているうちに、その「わずかな経験」の一つである「山梨県小菅村で行った新規事業創出研修」での知り合いである森さんに「リアルな経験をベースに『地方企業が取り組むオープンイノベーションのコツ』に関係するコメントくれない?」と頼んでみたらいいきっかけをいただけるのではないか、と思いつきました。

で、頼んじゃいました。

で、原稿をもらっちゃいました(^o^)。


森さんからいただいた原稿

■地域で新規事業を起こすには

2014年に人口720人の山梨県小菅村に移住し、地方創生の新規事業や地域中小企業の経営支援を仕事としている、森弘行と申します。

5年間小菅村で仕事をしてきて学んだことは、地域で新規事業を起こすには、地域の人の理解を得ながら、都市部の人間を巻き込んでいくことだと考えます。

そのためにやっていくことの1つ目は地域の資源課題と都市のニーズを結びつけることです。サテライトオフィスは地方の空き家という地域課題と、都市の働き方改革というニーズの2つを組み合わせた好事例です。

そのために地域の人に自分が「地域のことを考え、何を目指しているか」を伝え続けることがもっとも重要なことだと考えます。その上で地域で活動しながらも、都市に出て行き新しいモノゴトにふれること、都市のニーズにアンテナを立てておくことも大切だと思います。

2つ目にやっていくことは地域の強みを発信し続けることです。全国に1,741もある自治体の中で、自分の地域を都市の人に知ってもらわなければ、都市部の人間を巻き込むことはできません。小菅村の強みは東京から二時間という「近さ」と、720人という少ない人口だからこそできる「スピード感」ある事業の立ち上げが強みだとPRしています。

▲日本初の自治体とレンタルキャンピングカーと業務提携事業。地域の資源と都市のニーズを結びつけた事例です。

http://www.vill.kosuge.yamanashi.jp/tourism/news/2017/03/post-63.php


龍馬の時代に比べれば

森さん、ありがとうございます!

もちろん、地方ならではの「地方企業だけで協力しあって作り上げていく新規事業」もありますが、東京一極集中という現実になっている日本では、都市部(特に東京)を活用できるようにすることが、「できることを増やし」「立ち上げるスピードを上げる」ために大事であることは否めないでしょう。

様々な「(事業の)出会い系」「アイデアソン」「ビジネスコンテスト」「事業創出の勉強会」などのイベントの数も東京が抜きんでています。そういうところに積極的に参加すると、「様々な動向」を把握できたり、「紹介ハブ」の方に出会えたりします。

そして、ネットを用いて「こういうことをやっている会社はないかな?」と調べたら、とにかく連絡を取って会いに行きましょう。(もちろんeiicon活用もオススメです!)

「でもなあ、やっぱり都会は遠いからなあ」と思ってしまうかもしれません。

そういう時は、オープンイノベーションの先駆者であり大家である坂本龍馬を思い浮かべましょう。

龍馬は「とにかく会って」を実践し、多くのことを成し遂げました。当時は、たった1時間の面談のために何日もかけて歩いたり、走ったり、帆船で海を渡ったりしなければなりませんでした。それに比べれば、現代の移動は本当に簡単です。それなりの時間やコストをかけても「会う価値」は絶対にあります。それがオープンイノベーションの必須要件です。


発信できる宝は?

「自分の良さは自分ではなかなか分からない」のと同じように、「地域の魅力・強み(宝)」もなかなか分かりづらいものです。

意外なことも「宝」になります。「人が少ない」や「山間部なので日照時間が少ない」や「現代でもこんなやり方・作り方をしている」というような一見マイナス面のようなことも「どんな新規事業をやるか」によっては「宝化」できます。

森さんのように「地域外からやってきた人」は「その地域の宝」に気がつきやすい。「外からやってきた人」と「長くその地域にいる人」で「(地域の)宝さがし」のブレスト・ワークショップをやってみるのもいい手段です。

また、その地域出身の方で、今は都市部に住んでいる人に集まってもらって「宝さがし」をやってみるのも効果的です。離れているからこそ気がつくのです。その場合、その地域で行おうとすると中々スケジュールが合わなかったりするので、今住んでいる都市部で「会」を催すといいでしょう。

そういう「会」を行うと、「地域の宝さがし」もできますが、それに加えて、社会人になってから身につけたそれぞれの専門性を知る機会にもなり、「地域で起こす新規事業」の強力な協力者になってもらえるかもしれません。


「新規事業創出立ち上げの基礎」は必要

地域だろうが都市部だろうが、新規事業を立ち上げるためにはある程度の「新規事業創出立ち上げの基礎」は理解していないといけません。どこからどう考えて、何をすればいいのかが皆目分からないと、いくら「新規事業を立ち上げたい」と意気込んでも埒があきません。

小菅村では、私が二泊三日の合宿で「新規事業創出」の講義・演習を行いました。

森さんのすごいところは、それで終わらすに「こういう講義やアドバイスができるメンターを小菅村でも増やしたい」と考え、そのためのプログラムまで立ち上げたことです。これにも私は(多少ですが)協力しました。

………おっと、最後はなんとなく自分の宣伝になってしまったような………

とにかく、森さん、ありがとうございました!


■漫画・コラム/瀬川 秀樹

32年半リコーで勤めた後、新規事業のコンサルティングや若手育成などを行うCreable(クリエイブル)を設立。新エネルギーや技術開発を推進する国立研究開発法人「NEDO」などでメンターやゲストスピーカーを務めるなど、オープンイノベーションの先駆的存在として知られる。