戦略策定~オープンディスカッションのサマリ
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マッチング段階では技術・人材面で事業会社の要求水準に達していない研究開発型ベン チャー企業が多い一方、外部の支援を得ながら高めていくことが重要
先行企業は、技術・人材のギャップを克服するため、事業会社が研究開発型ベンチャー 企業を育成するアクセラレーションプログラムやベンチャーファンドを活用
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多くの事業会社は研究開発型ベンチャー企業と事業や研究開発の領域が重複しており、 外部リソースの活用について社内からの抵抗を受けやすい
自前主義に陥らずに社外連携を促進するために、先行企業は、定量的な目標・指標や インセンティブを設定
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事業会社が研究開発型ベンチャー企業との連携を具体化させるためには、連携すべき領域 を明確化することが重要
連携領域を定めるための方法として、先行企業は、現場で実行できる段階まで領域を 詳細化、自社よりも外部が強みを持つ領域を明確化、連携の専門組織が社内で 一貫した発信を実施
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研究開発型ベンチャー企業は、中長期的な事業展開を見据えて連携すべき事業会社を選別 することが重要
先行企業は、将来的な事業展開を阻害しないように、領域を切り分けて事業会社と連携
社外と連携する事業領域を決めるための考え方・ポイント
先行企業の取組事例
- Philipsは、社外と連携すべき領域を掘り下げて具体化し、トップが社内に共有することで現場レベルでも推進可能に
- パナソニックは、自社と比較して社外に強みがある領域を明確化した上でベンチャー企業と連携
- コマツは、社外連携の専門組織が主導して、ベンチャー企業と連携すべき領域を明確化
- Philipsの取組み
- 取組み内容
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- 「環境」、「エネルギー」等の大分類にとどまらず、オープンイノベーションを実践すべき領域を詳細レベルまで具体化
- 例えば「健康」の領域では、「肌の健康」、「低カロリー調理」、「運動のモチベーション向上」など具体的に16設定し、CTOが主導して社内で共有
- 成果
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- 「低カロリー調理」のキーワードを明確にした後に、ベンチャー企業との連携により、わずか1年で世界的ヒット商品となった「ノンフライヤー」の開発製品化を実現
- パナソニックの取組み
- 取組み内容
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- ロボット、AI、IoT、センシングの4つの領域を社外に強みがあり、連携が必要な領域として認識し、当該領域でベンチャー企業との連携を推進
- 成果
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- 外部のアクセラレータ―(Creww)と連携し、アクセラレーションプログラム「Panasonic Accelerator」を開始。技術資産も一部開放しながら、外部ベンチャーとの共同開発等を実施
- コマツの取組み
- 取組み内容
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- オープンイノベーションの取組みを加速する目的で、CTO直下にCTO室を設置
- CTO室が主導し、コマツの技術が不足する領域において、「実際に何をするべきか」「ビジョンを実現するために、どのような技術が必要か」という段階まで落とし込み、全社で推進可能に
- 成果
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国内外のベンチャー企業と資本・業務提携を発表するなどベンチャーとのオープンイノベーションが活発化
【連携先例】- ZMP(日本)
建設・鉱山機械の無人化・自動運転化で連携 - SKYCATCH(英国)
ドローンによる現況測量、測量データの解析能力をスマートコンストラクションに活用
- ZMP(日本)
Preferred Networksによる領域を切り分けた事業会社との連携
先行企業の取組事例
- Preferred Networksは、事業領域ごとに切り分けて事業会社と連携することで、その他の事業領域への展開可能性を阻害しないよう工夫
- 具体的な連携先の選定においてはトップダウンでスピード感を持って意思決定できることを重視
Preferred Networksによる事業会社との連携事例
連携先事業会社 | 連帯領域 | 連帯内容 |
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TOYOTA | モビリティ |
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NTT | ビッグデータ |
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FANUC | 産業用ロボット |
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DeNA | ゲーム、ヘルスケア、自動車・交通等(今後具体化) |
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