契約交渉のサマリ
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連携を具体化するためには、目的に合致した契約の締結が必要
契約書作成・交渉には、条件規定書(タームシート)を活用して契約の要点を先に合意 する方法と、
契約書ひな形をベースに進める方法が存在し、特に前者は新規の連携先 との連携において有効 -
いずれのケースにおいても、初期段階から社内外の専門家を活用することが重要
事業会社においては、ベンチャー企業との契約に慣れている法務担当者に相談するこ とでスピードアップできることも
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研究開発型ベンチャー企業は、短期的な資金獲得だけでなく、中長期的に見据え、事業会社 との間で対等かつWin-Winの関係を構築することが重要
先行企業は、依存関係に繋がる資金の受け入れの回避や、自社に不利な条件に 対してバランスを取るための条項を盛り込むための交渉を実施
双方が納得できる円滑な契約交渉・締結のためのポイント
契約書作成・交渉へのアプローチの類型:タームシートの活用
先行企業の取組事例
- 先行企業の中には、契約内容の要点を記述した条件規定書(タームシート)を基に効率的に交渉を進めている企業が存在
- 特にこれまで実績のない相手などとの契約おいてタームシートの活用が特に有効だが、既存契約においても活用可能
タームシートの概要
- タームシートとは
- 契約内容の要点を大まかに記述した「条件規定書」
- 具体的な項目例
- 契約対象、連携によって実現したい価値、双方の基本的な責任・役割分担、契約期間、資金の支払方法等
タームシートの活用と契約ひな形の活用によるメリット・デメリット
契約書作成のステップとポイント
先行企業の取組事例
- 先行企業は、達成しようとするビジネスの理解を前提に、社内外の専門家を活用しつつ、主たる法律関係の特定、従たる法律関係、一般的な法律条項の特定を進めることでビジネスの目的に合致した契約書を作成
- 上記を個別の状況に応じて適切に行うために、必ず初期段階から社内外の法務・知財の専門家を活用
事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携における代表的な契約フロー
ビジネスの流れ | 契約が必要な代表的ケース |
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特許ライセンス契約 |
研究開発型ベンチャー企業が活用する特許等の知財が出身の大学や企業に帰属している場合、当該知財の使用について許諾するために締結 |
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事業会社と研究開発型ベンチャー企業が、連携具体化に向け、重要な技術情報等を相手先に開示して協業可能性を検討する際に、当該情報の流出を防ぐために締結 |
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事業会社と研究開発型ベンチャー企業が、特定の技術や製品の開発を分担・協力して行うために締結 |
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事業会社と研究開発型ベンチャー企業が共同で行った開発等の過程で生じた発明等の出願・権利の取決めを行うために締結 |
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事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携の成果として生じる知財に関して、権利を保有する主体が、その使用を第三者に許諾するために締結 |